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Voicyというサービスは”パーソナリティファースト”で作っています 【声の履歴書 Vol.18】

こんにちは。Voicy代表の緒方憲太郎です。

Voicyがこれまで歩んできた道のりについて書くシリーズ。今回はVoicyというサービス、そして組織の根本に流れるマインドについての話です。

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受信者はずっと甘やかされてきた?

世の中のサービスはどうしても、ユーザーが増えること、トラフィックが増えること、売上が増えることに価値があると思われがちですが、Voicyは「パーソナリティファースト」ということを言い続けてきました。

リスナーファーストではないんですね、実は。とにかくパーソナリティファーストです。

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なぜそうしてるかというと、今までのコンテンツって発信者がめちゃくちゃ手間をかけて作ったものを、いかに受信者が楽に取得できるかが設計思想にあったんです。受信者を甘やかしてきました。

例えば動画コンテンツの場合、発信者がアイキャッチを充実させてできるだけ内容がわかるようにしたりとか、簡単にコンテンツをスキップさせられるUIになっていたりとか、とにかく受け手に気に入られるように発信者もプラットフォームも一生懸命頑張っている。

とにかく受け手側が好きなものを「いる」「いらない」って選べるようになっているなと思います。

あの手この手のインセンティブをつけて受信者が楽しむようにしているんですけど、そのために発信者は時間を削っています。だから発信の超プロか、めちゃくちゃ暇な人しか継続して発信できないんですよね。

Voicyはそこをなんとかしたかった。

まずは「話すほう」からアップデートする

僕らが話を聞きたいのって、仕事を頑張っている人とか、ソムリエのトップとか、コンサルタントのトップとか、なんでもいいから人生をより豊かにしていて、いろんな知識や経験があって、それを楽しんでいる人たち。だからこそにじみ出る話が面白いはず。

そういう人の話を聞くには、今まではメディアの記者さんがインタビューして記事を書いたりだとか、テレビのドキュメンタリーみたいに上手く脚色をしていたけれども、それだとどうしても限りがある。

個人が手軽に発信できるようになっている中で、できるだけ発信コストを下げることによって、いつも忙しいけどみんなが話を聞きたいような人の生の声が出てくるようになるんじゃないかなと思ったんですね。

フォーマットとかどうでもいいから、内容がとても勉強になったり、面白ければ絶対聞きたいはずです。そういうコンテンツファースト、パーソナリティファーストの信念があったので、とにかく面白いコンテンツが生まれるような環境を作りたかった。

例えばVoicyではサービスの改善も基本的に発信者側の機能から改善しています。リスナーのコメントをブロックしたり削除する機能は発信者側にはあるけど、リスナー側にはないんです。

まずは話すほうからアップデートしていく。聞く人が多いからいい発信が増える、あるいは発信する人がいいコンテンツを出すから聞く人が増える、というニワトリとたまごの関係もありますけど、僕らは「発信者から」って決め打ちしています。

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(発信アプリのリニューアルでもパーソナリティを強調)

コンテンツとユーザーが信頼を築くために

最近のデジタル社会の中でだんだんと変わってきたなと思っているのが、“デジタルコンテンツとユーザーにおける信頼性”。そこに寄与するのは結局、「頻度 × 本人性」なんじゃないかと。

その人がどれだけさらけ出しているか、嘘をついていないかという感覚と、それを高頻度で提供できているかという掛け合わせで、受け手をグリップできているんじゃないかと思っていて、信頼性を高めるためにはハイスペックなコンテンツを出す必要もなければ、キャラを装う必要もないんです。

いま「頻度 × 本人性」を表現するとしたら、声が一番楽なんですよね。声の時代がまさにやって来るだろうと考えたときに、Voicyは「とにかく発信者が面白いことを言えば何とかなる」という、そんな世界観だけを4年間ずっとフォーカスしてきている。そこは会社全体の意識としてあります。

もちろん聞く側の人も大事です。

Voicyのリスナーさんはすごく熱量が高いです。自分たちもVoicyの一部である、いや自分たちこそがVoicyであるという意識があるんじゃないかと思います。「ファンラボ」「クリエイターズラボ」というコミュニティもあって、一緒にいろんな企画を動かしてきました。

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僕らがパーソナリティのケアをして、パーソナリティはリスナーさんにコンテンツを発信する。リスナーさんは僕らと一緒になって楽しむ。そんな良い循環が小規模ながらできてきたので、今後はどんどん拡大していきたいと考えています。

ヒーローをつくる、そして文化をつくる

情報の受け手を一番に考えるサービスがすでにたくさんあるんだから、Voicyはパーソナリティが何よりも大事というのは明確にしていきたい。

サービスを作る時に、どこにフォーカスするかみたいなところに近いですが、僕らはお金を稼ぎたいんじゃなくて、文化を作りたいんです。産業とか文化を。

で、文化を作る時ってトップにヒーローがいないといけないんですよ。

中田英寿がいたから、「僕もサッカーやりたい」っていう子どもが出てくる。だったら、まずはとにかくヒーローを作る、発信した人が発信して良かったっていう環境を作る。そこから始めるのも面白くないですか。

ユーザー数と売上には(大きな声じゃ言えないけど)いまのところ興味ありません。じわじわと積み上がっていく文化をつくり、Voicyをみんなの「好き」が溜まる場所にしたいです。

ーーパーソナリティファーストというVoicyの企業理念について書きましたが、次回は番外編で、この理念に深く関わる新たな発表について深堀りしていきます(マガジンにまとめていくのでよかったらフォローお願いします)。

声の編集後記



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