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第三弾「Voicyはデカいこと考えてんねん」という話

こんにちは。Voicy代表の緒方憲太郎です。

前回までnoteで2回に分けて「音声メディア市場」「音声エンゲージメント」について書きました。きっと音声にはめちゃくちゃ可能性があるということを、少しでもわかっていただけたと思います。

今まさに、音声の市場もVoicyも伸びているからこそ、共に新しいことに挑戦できる”強い”仲間を探しています。なので、今回はストレートに「Voicyはこんなことを考えている会社です」という話をします。

ボイスメディアとしてVoicyはユーザー数も聴取時間も伸びています。それは嬉しいし、めちゃくちゃありがたいことです。でも「音声メディアの競合が出てきたけど大丈夫?」とか「ユーザー数は伸びてるけどマネタイズどうするの?」とか言われるようになって、Voicyがボイスメディアを運営している会社だ、と思われてしまっていることに死ぬほど危機感を持ちました。

Voicyはそんなんじゃなくて、もっとデカいこと考えてんねん
言いたいことは山ほどあるけど、このnoteでは次の2つだけに絞ります。

1.「ゼロから生み出す」に挑戦する(過去〜今)
2.「メディア・プラットフォーム・インフラ・グローバルインフラ」の4つの山を登る(未来)

1.「ゼロから生み出す」に挑戦する(過去〜今)

■Voicyは付加価値を創れる人をリスペクトする

Voicyを設立したのは2016年2月で、サービスをリリースしたのは9月。でも、開発費はゼロ円でした。厚意で手伝ってくれるメンバーに「一緒にやってくれ」と頼み込みながら、ほぼ僕と窪田雄司(エンジニア)の2人でアプリを作り上げました。

01_当時の開発

Voicy創業当時の開発風景

なぜか? もちろん最初は「音声メディアをやりたい」と投資家をまわって、資金調達をしようとしました。でも、当時は「音声メディアの市場に可能性がある」と考えていた人がほとんどおらず、逆に「ラジオを聴く人が減っているのに、お前は何をやってるんだ」と怒られる始末。市場がないところに、お金なんて出せないというワケです。

実は、僕もVoicyを始める前は、公認会計士としてスタートアップの支援をしていました。そして、延べ300社ぐらいのスタートアップを回るなかで、事業には2種類しかないことに気づきました。

1つは漁業的な事業です。漁業は海に生息する魚を捕るので、結果的に誰が魚を捕るのかを奪い合うような形になります。もう1つは農業的な事業です。農業は農地を開拓して、まず農作物がきちんと育つ土壌からつくる必要があります。自分で種を植えて肥料をやり、辛抱強く実がなるのを待ちます。できたものが食べられるかもわからないですし、天候や害虫に負けないように品種改良も必要です。そうやって一つひとつを積み上げて、パイ自体を増やすのが農業的な事業なのだと思います。

02_スタートアップ支援

スタートアップ支援に駆け回った時代

マーケティング会社が「競合から市場のシェアを奪い…」とか、コンサルティング会社が「リストラによりコスト競争力を上げて…」とか、なんだかんだ言ってすでにあるパイを奪い合う漁業的な事業がまわりには多いような気がします。でも、Voicyという会社では付加価値そのものを創れる人をリスペクトするし、自分自身もそうでありたいと強く思います。

■Voicyには挑戦しかない

新しい価値って、最初は理解できる人が少ない。産業革命で初めてクルマを見た人は「馬車があるのだから、そんなもの必要になるわけがない」と言っていたわけですし、実は僕も最初にiPhoneを触ったときに「こんなの流行るわけがない」と思っていました。今となってはめちゃくちゃ恥ずかしいのですが、まったく新しいインターフェイスがすぐに使いやすいと思うわけがない。

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音声だって同じだと思います。電気を付けるのもエアコンを消すのも、テレビでチャンネルを替えるのも時計でアラームをかけるのも、「リモコンどこだ?」と部屋から探し出して複雑なボタンで操作するより、声の方が圧倒的にラクなわけです。でも、そもそも声で操作したことのない人が音声のインターフェイスが使いやすいと思えるわけがない。「理解ができない=存在しない」ようなものです。

「音声メディア市場」の記事では、2021年にはタブレットの売上台数をスマートスピーカーが上回るという予想を紹介しました。きっと、スマートスピーカーを使ったことをない人からすれば、「なんで売れているのか全然わからない」となるのだと思います。キーボードやスマホの入力には慣れていても、音声の入力には慣れていないのだから当然です。一度でも「音楽をかけて」と声をかけるだけで済む便利さを知れば、きっと実感できるはずです。

Voicyを立ち上げてから4年が過ぎましたが、そもそも存在しなかった市場を自分たちで創るしか選択肢はありませんでした。だからこそ、Voicyの事業は節々に誰もやったことのない挑戦を散りばめてる会社だと思います。音声のチャプターを「10分単位」で区切る仕組みは、Twitterが140字制限だと発信しやすく読みやすいことにヒントを得て、自分たちで考えました。音量や音質の「自動最適化」や活字メディア「記事の声化」も、どうすれば喜んでもらえるボイスメディアになるかを考えてきた結果です。

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それ以外にも、発信者は声だけ入れて、リスナーが自分でBGMを選んで聞くという「声とBGMの分化」や、発信者が制作に時間をかけないように「あえて編集ができない収録機能」など、今までの音声コンテンツの常識では絶対否定されるような取り組みにも挑戦してきました。

ここではVUX(Voice User eXperience)やVUI(Voice User Interface)と言われる新しいデザインの世界を強く意識しています。「インターフェイスが変わるなら、体験も根本的な部分から作り直すべきだ」と考えて、いくつもの新たな開発に挑戦してきました。


Voicyパーソナリティ応募者の通過率は「1%」以下ですが、これも「最高のユーザー体験を実現するにはどうすべきか?」を追求してきた結果に過ぎません。好きなパーソナリティをフォローする機能での「SNS化」により、声ならではのエンゲージメント効果が目で見えるようになりました。さらに、力を入れているのが発信者と受信者の「コミュニティ構築」です。

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Voicyのパーソナリティーって、なんかいいよね。そう思われるように、Voicyは配信者を全力で応援しています。Voicyの人気パーソナリティーが集合する「Voicyファンフェスタ」は、2019年10月で3回目の「イベント開催」となりました。パーソナリティー、リスナーのみなさんには、Voicyならではの熱気を感じていただけているはずです。

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さらに、パーソナリティーが自らの声で企業や商品を紹介する「スポンサー」の方法、企業が声のオウンドメディアや音声放送を行う「企業の声放送」、企業の社内向けコミュニケーションとして「声の社内報」を提供するなど、企業が音声メディアを活用するさまざまな手法を新たに創ることに挑戦してきました。

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先行者も競合もいない。今も昔も、ゼロから生み出してきたVoicyには挑戦しかない。ボイスメディアとして、Voicyがどうあるべきかに挑戦し続けてきた結果として、たくさんのパーソナリティーやリスナー、企業のみなさんに喜んでいただけているのだと思います。

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まずは良質な音声コンテンツを提供して、発信者であるパーソナリティーとファンとなるリスナーとのエンゲージメントを深める体験に注力します。同時に、スポンサーを増やし、課金機能を実装することなどを通じて、発信者やコンテンツパブリッシャーに収益還元することで価値を高めていきます。

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2.「メディア・プラットフォーム・インフラ・グローバルインフラ」の4つの山を登る(未来)

■NOW: ボイスメディアをつくり新しい声の魅力が溢れる文化を生む

「音声」をテーマにするVoicyには、これから登るべき3つの山が存在します。すべてがゼロイチであり、挑戦です。

今は「ボイスメディアをつくり、新しい声の魅力が溢れる文化を生む」という目標に、チャレンジを続けている段階です。ボイスプラットフォームがちょっと見えてきました。Voicyはいちばん前で走り続けてきました。引き続き圧倒的オンリーワンのボイスメディアを創り続けます。

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■1st challenge: ボイスプラットフォームをつくり音声産業を再構築し拡大させる

最初の山は、メディアからプラットフォームへの転換です。今までどおりオリジナルの音声コンテンツを提供・開発を続けながら、さらに他社の音声メディアやコンテンツと連携する取り組みを増やしていきます。

すでに日本経済新聞、新R25、noteなど様々なメディアとの新たな「コラボ開発」の取り組みに挑んできました。収録アプリと再生アプリを分けて「アプリの分化」をし、スマートスピーカーはもちろんIoTやロボットなど「多デバイス」への配信を実現したのも、将来を見越した施策です。

これまでの挑戦

さまざまなメディアとコラボすると、ときどき「メディア同士だと競争になりませんか?」と聞かれるのですが、まったく逆です。そもそも新聞や雑誌は紙面に、ウェブなどネットメディアはディスプレイに表示される文字メディアですが、それを音声にすればユーザーとの接点を増やすことができる。他のメディアは競争相手ではなく協力パートナーです。さまざまな形で資本提携・業務提携を行っているのは、ボイスプラットフォームとして協力関係を築くためでもあります。

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今後、コンテンツ配信者への収益還元の仕組み、データドリブンによるユーザーへの最適なコンテンツ提案の体験を提供していくことで、映像でいえばNetflixのような、あらゆる良質な音声コンテンツが集まるプラットフォームに挑戦します。

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■2nd challenge: ボイスインフラをつくり社会産業に音声産業を連携する

1つ山を登れば、すぐにまた次の山が待ち構えています。2つ目は「ボイスインフラをつくり社会産業に音声産業を連携する」という挑戦です。

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みなさんは、音声を聴くときにどうやって聴くでしょうか? 昔ならばラジオというデバイスやカーラジオだったかもしれません。今ならスマートフォンやスマートスピーカーでしょうか。外出先でもスマートフォンがあることで、あるいは家のなかに「つけて」と言うだけでスイッチオンになるスマートスピーカーがあることで、きっと音声を聴く機会は格段に増えたと思います。

でも、よく考えてみてください。文字のメディアは必ず表示する紙やディスプレイが必要ですが、音声は耳さえあれば聴くことができます。自動運転車やスマートホームそのものがスピーカーならば、いつでもどこでも聴くことができます。キッチンで料理しながら、お風呂に入りながら、トイレに入りながら、寝室で寝ながら……。「○○しながら」の”ながら聴取”が音声の利点です。生活のあらゆる場所に存在する「ライフフィットメディア」としてVoicyを位置づけています。

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聴くだけではなく、自分の声で入力することができるので、様々な家電製品を動かすこともできます。すべて声だけで生活できるような世界、さらにはモノがしゃべり始める世界は、そう遠いものだとは思っていません。

そのときVoicyは、オンライン上のあらゆる音声コンテンツをクロールして、ユーザーのいる場所、時間に応じて最適にパーソナライズした音声コンテンツを配信するようになっているはず。たとえるなら、Googleのようにあらゆる情報を収集し、整理し、リクエストに応じて最適で最速のレスポンスを届けられる存在になります。

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■3rd challenge: 新しい音声の社会と産業をグローバルで展開する

文字による検索エンジンではGoogleが世界一で今から勝つことは難しい。でも、音声の入出力エンジンとなるようなインフラであれば、まだグローバルで世界一はいません。

最後の山が見えてきました。「新しい音声の社会と産業をグローバルで展開する」という挑戦です。Voicyは音声領域でグローバルに挑みます。

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音声はどこにでも流せる水道のようなもの。流すには水道管のようなパイプが必要です。だからこそグローバルインフラです。世界中のあらゆるハードウェアに音声を流すため、Voicyは様々な企業とグローバルでアライアンスを組んでいきます。


■最後に
Voicyはこんなことを考えている会社です。今、Voicyでは”強い”ボードメンバーを募集しています。

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同時に、技術や事業を牽引する新たなメンバーも募集しています。

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Voicyは利益を生むだけの事業じゃない、「文化と産業をつくる会社」です。前例がないからこそ、王道ではない道を模索し、圧倒的な努力と思考で全力で登り切る必要があります。

全部ゼロイチだし、挑戦しかないし、登る山もめちゃくちゃ険しい。会社はまだやりたい世界のスタートラインに立ったばかりです。そんなVoicyだけど、興味を持ってくれたなら、ぜひ一度遊びに来てください。

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僕のTwitterに直接連絡をしてもらってもいいですし、採用ホームページからご連絡していただいてもOKです。お話できるのを楽しみにしています!


※参照:「株式会社Voicy / Pitch for Top Talent」


編集協力:コムギ

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