Voicy創業の歴史を振り返る。 【声の履歴書 Vol.1】
こんにちは。Voicy代表の緒方憲太郎です。
今日はVoicyがこれまで歩んできた道のりについて書きます。Voicyの創業は2016年2月。その年の9月にサービスをリリースして、もうすぐ丸4年を迎えます。
僕の会社員時代から振り返って、どのようにVoicyが生まれ、成長してきたのか。ここで一旦振り返ってみようと思います。
たぶん相当長くなります。シリーズで更新していきますのでよかったらnoteをフォローしてみてください。
ニューヨークから帰国、ベンチャー支援にどハマリする
起業する前、僕はベンチャー支援を専業とする会社にいました。2013年〜2015年の約2年間です。ちょうど日本とアメリカで会計士をそれぞれ4年と2年やって、日本に帰ってきたタイミング。初めて東京で働こうという時に、僕自身まだよくわかっていなかったベンチャー企業に興味を持ちました。
まったくの未知数だけど、何か大きな可能性のある新しいプロダクトを作って会社を立ち上げる。これはすごく面白そうだなと思い、ベンチャー企業の支援をする会社に参画しました。それがトーマツベンチャーサポートという監査法人トーマツの子会社でした。
ゼロからものを作っていくのは面白そうだ、日本が元気になるんだったらそういう人達を支えなければ、と思ったんですね。あとは会計士としていろいろなビジネスモデルやマネタイズを考えてきたり、将来のリスクとかを見てきたので、この業界に向いているのではないか、と思ったのもあります。
ただ、当時はトーマツベンチャーサポート自体もまだ立ち上げ時期で、スタッフはまだ4〜5人くらい。その人たちも親会社の監査法人で半分働きながらやっているところに、僕はフルコミットで入ったわけです。まさにスタートアップの中でスタートアップ支援に走り回ることになりました。
いろいろなベンチャー企業の経営者に会ってみると、確かに勢いはあるけど知識や視野が追いついてないところもすごく多くて、ここにちゃんとした知識を入れていくだけでも、すごく良くなるだろうな、できるだけたくさんの起業家に会いたいと思って、毎日5社ぐらいテレアポしながら会うということをずっとやっていました。
そして途中で気づきました。会計士というのは経営に関する数字を見るプロだから、ベンチャーの社長にとって良いアドバイスができるんじゃないかと勝手に思い込んでましたが、求められているのはそこじゃなかったんです。
毎日ベンチャー企業を回って社長の壁打ち相手に
結局、会計士の知識はほとんど使わず、「これサブスクリプションでもいけるし単発でも稼げるよね」とビジネスモデルをを全部とりあえず並べてみたり、「将来的にこういうことが起こったら競合に勝てなくなるけどどうする?」と社長の壁打ち役をずっとやっているような仕事になっていきました。
人やイベントを紹介したり、自分で企画したイベントに呼んだり、社長に足りない部分の思考を深堀りしたり、あとは資金調達も含めてなんでも一緒にやるという動きです。
そんなことをまる2年やっていました。そうすると毎日毎日、1日5社くらいベンチャー企業を回っている人って当時は他にいなかったので、どんどん横のつながりができていきました。
どのへんのオフィス空いてるよとか、最近このへんの採用大変だよとか、とにかくいろいろな話をして、VCの紹介から調達の手伝いまでフルで何でもやりました。どんな支援家よりも支援できるようにして、「もっと相談させてくれ」っていう相手から顧問料をもらうというビジネスも成り立つようになっていきました。
当時、顧問で入っていた会社はたくさんあります。思い返せば懐かしいですが、チーズタルトのBAKEという会社はめっちゃ小さいときから関わらせてもらったし、PRtableという会社は事業モデルから一緒に作らせてもらいました。
Akerunというスマートロックの会社のフォトシンスも創業前からずっと入っていて、合宿も一緒に行ってました。他にもセブン・ドリーマーズという洗濯折畳機の会社、銀座農園という農業の会社などは役員として参加させてもらいました。
急成長する会社からピンチのどん底になる会社まで、めっちゃたくさんの波乱万丈を間近で見させていただきました。
自分が起業していないのに、支援していいのか…?
そういう仕事をずっとやっていて、「うわ!ベンチャーはこんな面白いんだ!」とやっぱり思ったわけです。自分の代わりに誰かが成功していくのが超面白くて、「これはもう天職だ。人生これでいこう」みたいなことを考えていました。
ただ2年経ってみて、当たり前なんですけど自分が起業していないんですよね。ずっと支援する側でいるから。
自分が起業家でも経営者でもない中であれこれを偉そうに言っても、ちょっと限界があるし、やっぱり信じてもらいきれないし、起業家には起業家なりの特別なマインドがあるなと感じました。「そろそろ自分でも1回やってみたいな」という気持ちが出てきたにはこの頃です。
あとは僕なりのスタートアップ論みたいなものもありました。
それはつまり、お金を稼ぐとか収益を上げることと、スタートアップを立ち上げるのはまったく別のことだということです。僕は世の中にハッピーの総量を10増やして、そのうち4ぐらい貰ってくるのが起業家だと思っています。
Twitterが新しく出たりとか、自動運転が出たりとか、地球の利便性、生産性の総量を増やす人がそもそも起業家なんじゃないの?と思っていて。皆はじめはそういうことをやろうと思っているのに、だんだん経営が上手くできないから力尽きて、稼ぐ方にいってるなという感じがしていました。
それはそれで仕組みとしてはすごいんですけど、ただコスト減しただけのものを集約しているのではなく、もっと地球上の価値が増えることに特化することをやってもいいんじゃないかと思ったんです。
Voicyは地球のハッピーの総量が上がるような事業に
もっと青臭いことをドーンと発信しても、最後は事業として成り立つんだぞというのを見せたいなとずっと考えていて、支援家の時は常々、「もっと夢に乗ってもいいんじゃない?」とか、「もっと大きいことできるんじゃない?」とか、「もっと社員にもワクワクさせてもいいんじゃない?」とか言ってきました。
そこで青臭くデカいことを目指すのと、それから、社員がめちゃくちゃ仕事が面白くなって挑戦的でいられるという2つのことを実現できるんだと、ちゃんと立証させたくて創業したのがVoicyです。
もともと自分がベンチャーを立ち上げるなんて考えもしなかったんですが、やるんだったら地球のハッピーの総量がめちゃめちゃ上がるようなことに挑戦して皆で楽しみたいし、それでもビジネスとして事業として成功することを証明したい。
そんなわけで天職だと思っていたベンチャー支援の会社を辞めました。2016年のことです。
――続きは次回(マガジンにまとめていくのでよかったらフォローお願いします)。
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