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そろばん未経験者でも間に合う!日常生活に役立つ暗算力強化方法論

はじめに

執筆意図・対象

たまにはヲタクっぽくない文章を書いてみたくなりましたので。

いきなり自分語りになりますが、私は他人より暗算(というよりは"概算")が得意なようで、ここ最近の忘年会シーズンもお金の計算をサクッとするだけで周囲からお褒め(呆れ?)の言葉をいただくこともしばしばです!

個人的にはテレビに出たりしてる「暗算マスター」みたいな人って、多くは「幼少期(遅くとも小学校時代)のうちから道場でそろばんを弾き続けた結果、最終的には脳内でそろばんを展開できる域に達した"求道者"」が大半なように思っています。

私は人生でそろばんは算数の授業で数えるほどしか触ったことが無いので、暗算マスターの方々のレベルには到底及びませんが、日常生活レベルであれば大分楽ができていると思います。
ついでにですが私は文系学部を卒業した文系人間です。
だからこそ私であれば「"求道者"にはならずに日常生活で楽ができるくらい暗算力を高める方法」を書ける気がしました。

暗算ができるとお金の計算に苦戦することもないし、物事のスケールがより鮮明に理解できるようになります。世界人口80億人のうち日本人が1億2000万人ってことは世界の70人に1人は日本人だ!みたいな()
学生さんも暗算ができると特に理系科目においては検算が楽になるのでおすすめです。

「そろばんを今から究めるのはきついけど暗算力は強化したいなー。でも具体的に何をすれば強化できるんだろう?」という中学生以上の皆さんに少しでも役立つことがあれば嬉しいです!


超我流!暗算の基本フロー!

早速ですが以下の例題3問。

  • A「298円の商品を8個買うといくら?」

  • B「通算HR数0本の大谷翔平が毎年40本HRを打つとして、868本に到達するのは何年後?」

  • C「1728×12」

それぞれの問題は一見全く異なりますが、私が暗算する際のフローは同じです!


  1. まず数字を丸める。(A→「298円≒300円」, B→「868本≒800本」, C→「1728→2000」)

  2. 次に最上位の位だけ見て四則演算。とりあえず一番大きな(左側の)位は2っぽいなーと思う。(A→「3×8=24」, B→「8÷4=2」, C→「2×1=2」)

  3. (口頭でよければ)この時点で「2…」と言い始める

  4. 桁数を判断する。(A→「1万円札で流石におつりくるよなー」, B→「200年は…ないっしょ」, C→「10万はいかないでしょ」)

  5. (口頭でよければ)2.や4.を基に大まかな数字を解答。(A→「2400くらい!」, B→「2…じゅう年くらい!」, C→「2…まんは超えるかなー」)

  6. (必要であれば)正確な値を出す。(A→「1個あたり2円余分だから8個だと16円余分」, B→「68本足りないからもう1年ちょい」, C→「気合で20736」)


上記を極めればどんな桁数の多い計算でも対抗できるようになります。「298円の商品を8個買って消費税10%付けて3人で割るといくら?」みたいなややこしい問題の場合は多少長いフローになりますが…

もちろん実際は可能な限り速く行います。特に5.までであれば長くとも3秒でできないと実用的ではありません。(可能ならば1秒以内にできると不自然さが無くなり達人感が出ます)

【商談中】
取引先「298000円のこれ、8個必要なんだけど。全部でいくらくらいだ?」
私  「そうですね。全部で、に………………………..(停止)」
取引先「」

ではあまりに情けないですからね…

以降、暗算を速く・汎用的に行えるようになるためにはどう訓練するべきかを上記1.~6.の各段階についてまとめていきます。


【本編】暗算力強化方法論

1. 数字を丸める

小学校で「工夫して計算しよう!」ということで「99×3=100×3-3=297」みたいな計算演習をした覚えがある人もいるかもしれません。
99は100に近いので丸めやすいと思いますが、日常生活においてはもっと派手に丸めてしまっても問題ないことが多いです!

例えば「1個880円の商品は47個でいくら?」であれば、「800円×50個」として考えても大抵は問題ありませんし、場合によっては「1000円×50個」とみなしても良いくらいです。(※)

「そんな丸めて大丈夫か?」と思ってらっしゃる方のために補足。
暗算に着手する前に「その問における誤差の許容範囲」を把握しておくことが重要です。それまでの経緯や解答しなければならない目的、解答に誤差が生じた際に想定されるリスクなどから多角的に評価しましょう。当然むやみに暗算を使わない方が良い場面だってある!


2. 丸めた数字で四則演算

冒頭の例題では1桁同士の計算だったためあっさりしていましたが、暗算の可能性を広げるためにはもう少し手広く計算できたほうが良いです。
…が、そろばんと同様に日々の鍛練次第な部分が強いため、苦しい人にとっては苦しいかもしれません。
そういう方は、1桁同士の計算ができれば最低限はなんとかなるのでここは読み飛ばしちゃいましょう!

ちょっと脇に逸れますが、暗算界においてインド式計算法で名高いインド。そこでは99×99まで丸暗記する学校もあるようです。また一方で日本でも19×19までは一通り覚えるよう求められる高校があると聞きます。

つまり、我々のような常人が暗算力を欲する場合、ある程度の計算パターンの暗記は避けられないということです。(そろばんガチ勢やラマヌジャンクラスのウィザード級ならばともかく)

さて、インドの子供たちがどのように99×99まで暗記しているかはわかりませんが、大人になり記憶力バフを失った我々が計算パターンの手数を増やすためにはどうすればよいか。ひとえに日々の鍛練を重ねるほかありません。

…ということで街中にあふれている数字を足したり引いたりかけたり割ったりしましょう!
有名なもので車のナンバープレート4桁で10を作る遊び(テンパズル)がありますが、ナンバープレートの左右の2桁同士を掛け合わせていくらになるかまで考えられるようになると良いのかもしれない…

ちなみにここまで掛け算の話ばかりしていますが、割り算は掛け算を逆にするだけなので正直何とでもなります。
また、足し算引き算はか掛け算が暗算できるようになればそれほど苦ではないかと思います。
とにかく掛け算の手数を増やすこと、これが重要。

あと「1の位が5の数同士をかける場合は~」みたいな裏技は私は否定的です。日常生活でそんなに都合よく数字が当てはまることは無いので。(※)
ただ、使用頻度的に「5をかける=10をかけて2で割る」、「25をかける=100をかけて4で割る」、「○○の●●%=○○×●●÷100」あたりは呼吸をするように扱えるようにしたいですね!

※受験数学においては裏技が使えるように都合よく数字が合いがちなので裏技が成り立つことを証明できるようになったうえでマスターしたい


3. 解答を発声し始める

1.と2.で答えの一番大きな位の数字が1~9のどれになるかは判別できるので、自信を持って発声し始めましょう!
万一間違えても1.で記載した「誤差の許容範囲」や「暗算を使って問題無いか」の判断を間違えてなければ基本許されます!

自信なさそうだと以下のような展開になりがちです。

A「298円の商品を8個買うといくらくらい?」
私「多分に…にせん…。」
A「もういい、スマホでちゃんと計算するわ」

せっかく暗算で解答に近づけたのにこれではあまりに惨めです。

ここで自信を持つためにも2.における四則演算の精度を上げることで1.における数字の丸め方を最小限にして誤差を抑えたいです。(※)

※例えば「630×46」ですが、丸めて「600×50」にすると解答は3…となりそうですが、解答は28980です。状況によっては「30000くらい!」と言い切っても良いところですが、第一声でより正確な解答を出す必要がある場合は「63×46」が3000にいかないと自力で判断できる必要があるのです。(とある方法で3000との大小判断はあっさりできたりしますが)


4. 桁数を判断する

桁数間違いは掛け算や割り算の間違いのパターンとしてはありがちですが、大抵は以下の2点を意識すれば克服可能だと思います。(単位変換ミスも同様に克服可能な気がします)

①パターンを抑える
大多数の方が「10×10=100」と瞬間的に求められると思います!一方で「1000×100=100000」については一瞬フリーズする方もいるのでは。

これも2.で説明した通り、前者については使用機会の多さから大多数の方が暗記で算出できているのに対し、後者については暗記できていない場合がある(≒暗記するほど身についていない。大きい数が出るとすぐ電子機器に頼ってしまう?)ということです。

4桁×3桁は6桁か7桁にしかならず、3桁×2桁は4桁か5桁にしかならないといった桁数のパターンを抑える必要があります。(※)

※可能であれば…
上記に加えて、最上位の位の数に応じて、例えば4桁×3桁の掛け算だと以下のようなパターンがあるので可能であれば全部瞬時に取り出せる状態にできるとなお良いでしょう。(注:左が4桁、右が3桁)

「千の位が4以上の数」×「百の位が4以上の数」=7桁確定
「千の位が2以下の数」×「百の位が2以下の数」=6桁確定

②現実性を考える
「東京から大阪まで500kmを時速50kmの車で走ると何時間かかるか?」という問があったとして、1時間や100時間かなと思う方はめっちゃ少ないと思います。

また、例えば「宝くじで3億円当たったら人生残り80年で毎年いくら使えるか?」という問いに対しても、「3億円ってサラリーマンの平均生涯年収位だよな」とわかっていれば、3億円当たったとしても毎年4000万円は使えないことがわかるはずです(わかってても当たったら使っちゃうんだけどね)。

上記の例は極端なものですが、あらゆる分野において適切な数量感覚を備えておくことで、桁を大幅に間違える可能性は無くすことができます!

ではどうすれば数量感覚が身に付くか!
とりあえず「数量の比較- Wikipedia」と関連記事を一通り目に焼きつけましょう!
これだけで十分すぎるほどの数量感覚と雑学が身に付くはずです。


5. 解答を発声しきる

あとは3.で発声した後ろの部分を補ってあげれば良いだけです。
これは鍛練もへったくれもなく、4.で判断した通りに喋るだけ。

ここまで瞬時にできれば、傍からは暗算の達人にしか見えません!


6. 正確な値を算出する(優先度低)

余力があれば、あるいは正確性が求められる場面では、概算結果について相手がリアクションしている間に正確な値を算出しましょう。

そこで必要になるのが2.でも触れた計算の手数
正確な値の算出ができるくらい暗算力を極限まで高めるためには、日々の鍛練によって計算の手数を増やすほかないのです。

算出中ですが、傍からはスマートに見えるようにしましょう!
くれぐれも見苦しく暗算にこだわりすぎないこと。
一人で頑張る分には良いですが、他人との会話中などは適当なタイミングで切り上げて、どうしても正確な値が必要な場合はスマホでサクッと出しましょう。

1.でも触れたように、日常生活で正確な値の算出が必要な場面は多くありません。ましてやスマホをポケットから取り出して計算するまでの数秒-10数秒の間であれば大抵は概算さえできれば十分。

繰り返しますがこの6.はオマケもオマケ。1.から5.までを意識して苦手な部分を強化できれば大抵のことはなんとかなります。


終わりに

各所に記載しましたが、暗算にはある程度慣れが必要です。
でも日常には暗算に使える題材が多くあるはずなので、たまにはスマホに頼らず自力で暗算する機会を設けてみましょう!
買い物などの機会に1日に複数回暗算する生活を数か月も続ければ、きっとあなたも立派な暗算使いになれるはずです!

ありがとうございました!


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