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休職日記39

今日は朝から同居人氏2と連れ立って映画へ。
場所は新宿歌舞伎町のど真ん中にある、東宝シネマズ。


早朝の回なら席が比較的空いている(満員に近いとわたしがパニックを起こして映画館にいられないため)ので、今日も8:35からの回を観に行った。


観た映画は、これです。


世界一のテナーサックスプレイヤーを目指す男の子が主人公の、物語。
同居人氏2が原作マンガの大ファンで、それならぜひ劇場で観よう、というはこびになった。


音楽のマンガだから、映画になったときに、音楽がしょぼかったら、悲しくなっちゃうと思うのだけれど、今作は、「上原ひろみ」という超大スターが音楽監修をしていたので、なにしろ音楽がかっこよかった。


わたしは原作読んでないし、話のストーリーも全然知らなかったのだけれど、とても楽しめた。音楽ってこうだよな、こうしたかったんだよな、と、過去の自分を重ねて思ったりもした。


マンガではあるけれども、主人公のように、ただただ「打ち込む」ということにも、適性がある。極端な言い方をすれば、どこまで「溺れ続けられるか」。息継ぎをうまくしながら、だだっ広い海を、どこまでもどこまでも「溺れ続けられる人」が、スターになったりするんだろうな、と思った。


the first slam dunkと同様、熱い気持ちになる映画であった。


しかし、しかししかし、早朝の歌舞伎町は、怖かった。


図書館で勤める前は、新宿のビルの清掃の仕事をしていたので、始発で出勤して歌舞伎町を歩いていたはずなのに、慣れていたはずなのに、いまのわたしにはどうしても、怖かった。


新宿駅に着いたときに、まだ夜を引きずっている人たちがあちらにもこちらにもいて、思わず同居人氏2の腕をつかみ、


いやだ!こわい!こわい!


と、怖いを連発する始末だった。
だって怖かったんだもの。ものすごく、自分の知る由もない夜の世界、大人の世界、すごく混沌とした現実が、目の前のあちらこちらで繰り広げられていて、


どうしてみんな平気なの?
怖くないの?
わたしはなんでこんなにここが怖いんだ?


と、パニックになった。


そんなわたしを、なんとかかんとか宥めすかして映画館まで運んでくれた同居人氏2には感謝しかないけれど、映画が終わって10時半近くになったからもう安心だろうと思って映画館の外に出るやいなや、絶対に道譲らないマンにぶつかられ足を踏まれ睨みつけられのフルコンボを喰らい、ああ、やっぱりわたし、歌舞伎町とめっちゃ相性悪い、この新宿という街を、まっすぐ歩くことすら、難しい、と思った。


職を転々としながら、何度も働いてきた新宿という街は、いまのわたしにとっては、膨大で、情報量が多過ぎて、何もかもがあって、でもその何もかもに自分は無関係で、どこにも上手にいられないなあと、感じた。


帰りの電車で、自宅の最寄駅に着いたとき、泣きそうなくらい、ほっとした。

ああ、ここがいま、わたしが生きている場所で、わたしがなんとか行動できる範囲だなあと、思った。


家に帰ると、相変わらず同居人氏1は、へっぴり腰の、へっぴりへっぴりだった。
しつこく病院に行くことを勧めているのに、なんだかはぐらかす。
明日もまだへっぴりしているようだったら、ほんとうにほんとうに病院に行くように、説得してみよう。

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