はずかしい(復職日記37)
昨日は泣き通しで、新生児かというくらい泣いた。
でもわたしはいい大人なので、泣いても新生児らしい愛らしさはなく、ただただまぶたの腫れぼったい、鼻がガビガビの、女が出来上がった。
優しくされては泣き、落ち込んで泣き、しまいには、絶対に言っちゃいけない気持ちまで吐露して泣き、役に立たなくてごめんなさいと唐突に謝って同居人氏たちを爆笑させ、泣いて泣いて、今朝、やっと落ち着いた。
役に立たなくてごめんなさい、ってことは、役に立ちたいんだよね?
と、同居人氏1に言われて、涙が限界分出た。
そうなんだと思う。
同居人氏たちの役に立ちたい。
職場の役に立ちたい。
両親の役に立ちたい。
なのに、こころもからだも、それが上手にできなくて、苦しかったんだと、わかった。
逃げたい、じゃなくて、役に立てなくてくやしくてさみしくて、泣いてたんだと思ったら、同じ「泣く」でも、前とは全然ちがうなあと、思った。
そして今朝。
ついさきほど、歯医者さんに行ってきた。
直前まで行けるかな、動けるかな、と思ってたけれど、昨日思い切り泣いた分、からだはちゃんと言うことを聞いてくれた。
3週間前くらいから、上の、左奥歯が痛くて、しかも歯磨きするときだけ痛くて、歯医者を予約してあったのだった。
歯医者自体、何年も全く行っていなかったから、緊張しつつ受付して、受付の人の優しい感じにほっとして、順番を待つ。
ほどなく、予約通りの時間で呼ばれて、びっくりした。
通っている心療内科では、1時間待つこともざらにあるので、ああここは、同じ病院でも全く別の世界なんだなあと思った。
診察台にのぼる。
あんぐり口を開けて、先生に口腔内を見てもらう。
ひととおり見て先生が仰ったのは、
知覚過敏ですね。
だった。
てっきり虫歯だと思っていたわたしは思わず、
えっ、はずかしい!
と口走ってしまった。
先生はそれに対して何も言わずに、一応レントゲンだけ撮りましょう、歯がだいぶ汚れているからクリーニングもしないとね、と言った。
顔のまわりをぐるぐるまわるレントゲン機で撮影されたあと、再度、歯科助手の方が口腔内をみてくださる。
歯周ポケットをみていきます、ということで、ちくちくちくちく、鋭利な何かで歯周ポケットを刺された。痛かった。
痛いなあとぼんやり目を開けて、上空の鏡を見遣る。わたしの口の中をこうこうと照らすライトと鏡。口の中。ん?口の周りが、うっすら青い、、、?
そうだ!!!!!
ヒゲ剃るの忘れた!!!!!!
マスク生活をいいことに、最近顔の産毛処理を怠っていた。
うつも相まって、とにかく風呂入るだけで精一杯、保湿できたら花丸、世間一般の、健康な女性たちが行うであろう「ムダ毛処理」ということを、わたしの頭はすっかり忘れていた。
ひげが、鏡にうつっている。
間抜けにあけた大口のまわりに、ひげが、ひげが、、、、、、
はずかしい!
虫歯だと思い込んでいたら知覚過敏で、マスクの下のひげ面をさらして、「クリーニングしましょうね」と暗に歯の汚れを何度も強調され、わたしの歯医者は終了した。
次回予約は来年になった。
そのときは必ず、必ずやヒゲの処理を怠るまいぞと、こころに固く誓った。
投げ銭?みたいなことなのかな? お金をこの池になげると、わたしがちょっとおいしい牛乳を飲めます。ありがたーい