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はじまりのおはなし(日記8)

わたしと同居人氏たちは、かれこれ10年以上一緒にいる。今日は、そんな年月を振り返ってみようと思う。


振り返るきっかけをくださったおだんごさん、ありがとうございます☺️




さてまずは、どこからおはなししようかな。
出会いはありふれた、ほんとうにありふれた、ささやかなものでした。


一緒にバンドやらない?


これが、同居人氏1との出会いの言葉。
当時わたしは16歳の高校1年生。
ある日教室で、同じクラスの同居人氏1にこのように声をかけられたのです。


それまでも親しくはしていたものの、「クラスメイト」としての会話ぐらいしかしていなかったわたしに、なんでこんな風に声をかけてくれたのか、当時も今も不思議なのですが、当時のことを振り返ると、同居人氏1曰く、


なんかピンときたんだよね!


とのこと。たしか、夏前のことでした。


秋の文化祭にバンドとしてステージに出たいから、そのバンドのボーカルになってくれないか、というのが、同居人氏1のお誘いでした。


すでにメンバーとして決まっていた他のともだちを連れて、わたしのもとへ2人でやってきた同居人氏1のことを、昨日のことみたいに思い出せます。
わたしもどきどきしていたんだね。
なんでも忘れちゃうわたしだけれど、この日のことは、はっきり覚えてる。


わたしでいいの?だったか、やりたい!って言ったんだったか、とにかくどきどきしたまま、わたしは同居人氏1の提案を受け入れたのでした。


このバンドで、文化祭のステージで歌ったときのことも、とってもよく覚えています。
同じ学年で、別のバンドもいたのだけれど、そのバンドのボーカルの子の方が歌がうまくて、内心戦々恐々としていたこと。
でも同居人氏含む仲間たちとやる音楽はたのしくて、「音楽をやる快感」に目覚めてしまったこと。
この出会いが、わたしの人生の方向を大きく変えました。


バンド仲間になってから、同居人氏1は、少しずつ少しずつわたしにとって「無二の親友」になってゆきました。
悩んでいることも、馬鹿げたことも全部、同居人氏1と共有するようになりました。
どれだけ一緒にいても飽きなくて、ケンカもめちゃくちゃしたけれど(殴り合ったこともあります笑)、どんなに振り回して振り回されても、なぜだかいつも一緒にいる関係になりました。


高校を卒業しても、そのバンドは少しかたちを変えて続けていたのですが、うまくいかなくなって、空中分解しました。
それでも同居人氏1との縁だけは切れなくて、一緒にルームシェアをし始めたのも、この頃です。


バンドがなくなっても、地道に練習を続けていた同居人氏1は、ある日、紹介したいひとがいる、と言って、あるひとを連れてきました。
それが、同居人氏2です。


同居人氏2は、音楽をやるために上京してきた子で、当時別のバンドをやっていたのですが、同居人氏1と意気投合したので、同居人氏1と同居人氏2で、あたらしくバンドをやりたい、ついてはそのバンドのボーカルをやってくれないか、というお誘いでした。


この3人で、はじめて演奏を合わせた時のことも、すごくよく覚えています。
ここから何か始まるかもしれない、わたしはこれがやりたかったんだ、という、わくわくに満ちたものでした。


そこからは、もうがむしゃらに、3人で音楽をやりました。
音楽が3人のまんなかにあって、ひとつの作品をつくって、届けるところまで、3人で知恵を出し合って、何度も何度もケンカして、仲直りして、同じ釜の飯を食べ、東京以外のところにも音楽をしに行って、全然手応えがなくて落ち込んで、そうかと思えば、ちゃんと届いてる実感をお客さまからもらって涙して、なんかもうそういうこと全部、たぶん一生分の汗と涙を使って、気がついたら10年経っていました。


最初は同居人氏1との2人暮らしだったのが、途中から同居人氏2も加わっての3人暮らしになって、1年365日ずっと一緒に、音楽をしたり、遊びに行ったり、ケンカしたり、仲直りしたり、しました。


そうしてコロナがやってきて、音楽をやることがむずかしくなったタイミングで、3人も音楽に対する馬力が尽きてきて、もうやること全部やったんじゃないかなあ、ここで無理矢理続けようとしないで、一度音楽はおやすみしようか、ということで、3人は、音楽を一度おやすみして、共に生活する仲間になりました。


音楽がなくなったら空中分解するのが多くのパターンかもしれないけれど、わたしたちの場合はそのパターンじゃなくて、共に生活をするひと、共に生きてゆくひと、になりました。


同居人氏1と出会って20年、同居人氏2と出会って15年、わたしは2人の前で、悩んだり怒ったり泣いたり笑ったりしてきました。


そしてそれは今も変わらなくて、この2人の前でだけは、自分がなんの虚飾もなくいられることを実感しています。


こんなに長く一緒にいて、よく飽きないねえと、3人で言い合うことがあります。
でも、なんだか、飽きないんです。
たぶんそれは、一緒に生きていくひとたちだと、わたしが思っているから。
一緒に生きていくんだから、飽きるもなにも、ないのです。


この先、いつかなにかが、3人を別つときもあるかもしれません。
それは誰にもわからないことだから、絶対にないとは、言えません。
それでもわたしは、そのときが訪れるまで、この2人と一緒に生きていきたいなあと、思っています。


2人も同じ気持ちかは、わからないけれど。
わたしの願いは、わたしの祈りは、どうかかみさま、2人がすこやかに笑っていられますように、そして、それをそばで見続けることができますように、です。



これで、はじまりのおはなしは、おしまいです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます🙇‍♀️

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