見出し画像

復職日記15

ほめられた。
別々のスタッフの方から、同じことを、同じようにほめられた。


「○○さんは、電話の対応がほんとうに丁寧だね」


「○○さんは、どうしてそんなに電話対応が上手なの?」


過去にコールセンターで働いたことがあるんです、内心はすごくびくびくしながら電話出てます。


と答えた。


でも、本当はとっても嬉しかった。
ありがとうございます、って、言えばよかった。



わたしは障害者雇用なので、できることと、できないことがある。
フロアで利用者さんの対応をしたり、本の整理をしたり、事務所で予約の処理をしたりはできるけれど、カウンターに座って、対面して、利用者さんの対応をすることは、できない。


面接をしたときに、カウンターはやらない、という約束をして、いざ入職すると、そうもいかず、休職前はなんとかカウンターを頑張ってみようとしたのだけれど、結局体調を崩して、休職に至ってしまった。


なぜだかわからないけれど、カウンターで利用者さんを待って、その場で臨機応変に対応するということが、怖くて怖くて仕方ないのだ。


だから、復職後は、なるべくカウンターに入らないようなポジションに居させてもらっていて、どうしてもヘルプが必要な時、そして、自分が出来そうな時だけ、カウンター業務をやることにしている。


電話対応もそう。
基本的に、電話が鳴ったら事務所内にいる社員の方が取ってくださるのだけれど、取り込み中でそうもいかない時もある。
そういう場に居合わせて、電話の近くにいたら、なるべく勇気を出して、電話を取るようにしていた。


コールセンターで働いていたときは、まだ心療内科に罹る前で、たぶんその時から、そのもっともっと前から、不安障害はあったのだけれど、それを押し殺すようにして働いていた。
電話の相手のものの言いように、ざっくり傷ついて、電話が終わったあとに泣いてしまうことも、何度かあった。
そのときも、一緒に働いていた方々が優しくて、たくさんのことを教えてもらっていて、怖いけど、なんとか3年、コールセンターで働いた。


けれど、本当のことを言えば、最後のほうはもう、電話のコール音を聞くだけで、怖かった。また怒られるんじゃないか、怒鳴られるんじゃないか、と、毎回思って、電話を取る手は震えていた。


あの時のことが、こんな風に役に立つんだ。
そして、それを見ていてくれて、褒めてくれる方が、今の職場にはいるんだ。


あの時、怖くても頑張ったこと、いま、怖くても頑張っていることが報われたようで、なんだか、こころがほわっと、温かい1日だった。


どうしても休んでしまう日は、これからもあると思う。
けれど、行けば行くほどに、職場のことが見えてきて、やるべきことと、怖くてもやってみようと思うことが増えて行って、なにより、ここの図書館の一員だと思っていいのかなあという気持ちになれて、少しずつ役に立てるようになりたいなあという気持ち、ここに所属してがんばりたいという気持ちが、素直に湧き上がるようになってきた。


最近立て続けにちいさなミスをしていて、落ち込んでいたから、今日褒めてもらえたことは、まるでご褒美のようだなあと思った。


こうやって、プラスマイナスを繰り返して、生活を営んでいくんだな。
明日もがんばろう。
明日も、気持ちの良い図書館になるように、頑張ろう。

投げ銭?みたいなことなのかな? お金をこの池になげると、わたしがちょっとおいしい牛乳を飲めます。ありがたーい