2023年4月の記事一覧
【定期投稿】1分でゲーム理論.013/戦略形ゲーム/均衡点の存在(不動点定理)
01.戦略形ゲーム均衡点の存在
012では前提となる最適応答対応を定義した。ここから先はいよいよナッシュ均衡点の存在定理を証明していく。その概要を少しだけ紹介すると、ナッシュ均衡点は解析学における不動点(fixed point)に等しく、その不動点の存在定理である角谷の不動点定理(Kakutani 1941)を用いて、ナッシュ均衡点の存在定理を証明する。
*ナッシュ均衡と不動点
戦略形$${n
【定期投稿】1分でゲーム理論.012/戦略形ゲーム/均衡点の存在(最適応答対応)
01.戦略形ゲーム均衡点の存在
ここから何回かに分けて、混合戦略の範囲では、均衡点は必ず一つ存在することを証明する。012では、前提事項となる定義である最適応答対応を理解しよう。なおここから先は数学要素のオンパレードなので、もし概要を抑えたい方は一旦飛ばし後から戻ってきてもいいと思います。
*最適応答対応
$${G=(N, {\{Q_i\}}_{i \in N}, {\{F_i\}}_{i
【定期投稿】1分でゲーム理論.011/戦略形ゲーム/期待利得ベクトルにおけるパレート最適性
01.戦略形ゲーム実現可能な期待利得のベクトルに関するパレート最適性
007(クリックすると該当ページに飛びます)において、戦略の組に関するパレート最適性について定義した。ここで、実現可能な期待利得のベクトルについてもパレート最適性を定義することが出来る。
戦略形ゲーム$${G}$$における期待利得ベクトル$${u(=u_1,\cdots ,u_n ) \in U}$$が実現可能集合$${U}
【定期投稿】1分でゲーム理論.010/戦略形ゲーム/実現可能集合の定義
01.戦略形ゲーム実現可能な期待利得のベクトルの集合
ゲームの混合拡大では、混合戦略によるプレイヤーの期待利得を考える。(つまり定まった数字ではなく、集合で表現される)そのため、プレイヤーが実現可能な期待利得のベクトルの集合を定義する必要がある。
戦略形ゲーム$${G=(N, {\{Q_i\}}_{i \in N}, {\{F_i\}}_{i \in N})}$$の混合戦略による実現可能集合(
【定期投稿】1分でゲーム理論.009/戦略形ゲーム/戦略形ゲームの混合拡大
01.戦略形ゲーム戦略形ゲームの混合拡大
戦略形$${n}$$人ゲーム$${G}$$の混合拡大(mixed extension)とは、以下のように定義される。
$${G^*=(N, {\{Q_i\}}_{i \in N}, {\{F_i\}}_{i \in N})}$$
$${N=\{1,2,…,n\}}$$は、プレイヤー集合
$${Q_i}$$は$${S_i}$$上の確率分布の全体である。