いつまでも1⃣から問題を解いていていいのかい?
中学受験はテストの点数との闘いです。
点数が高いことは正義であり、志望校合格が最終的には成果の大部分を占めます。
さて、今お子さんが受験にチャレンジしている方に向けて今回の記事を書きます。
お題は「テストでの時間配分」についてです。
テストの成績が奮わなかったお子さんがこんなことを言っていたことはないでしょうか。
「最初のほうに苦手な問題が多くて、最後まで解けなかった」
苦手な分野はだれにでもあります。
しかし、その分野の問題が最初のほうに来てしまったときに点数が取れなくなってしまうとしたらこれはもったいないことです。
ですから、問題をどの順番で解いて、それぞれにどのくらい時間をかけるのかということをあらかじめ見込む方がよいのです。
前提として、全ての設問を時間内に解答して、見直しまで終わるに越したことはありません。
ですので、このnoteにある手法を実行してテストの点数が上がることと、学習の成果による成績の向上は同一視しないようにしてください。
さて、ここから時間配分を習慣にしておくことのメリットと、中学受験の際に実際に行っていた時間配分のやり方を書いていきます。
1 時間配分のメリット
まずメリットから説明していきます。
(1)試験の全体がイメージできる
まず、時間配分を習慣づけておくことのメリットの一つが試験全体のイメージをしてから問題に取り組めることです。
中学受験の試験は長くても1教科60分ほどで、その時間で算数であれば大問5問程度、国語なら知識問題+読解3問程度、理科、社会も大問5問程度を解かなければいけないでしょう。
つまり大問一つにかけられる時間は配点が重いものでも15分程度ということになります。
その状況で、どんな分野の問題がこの後に待っているのかわからないまま問題を解き進めていくのは非常にリスキーです。
苦手分野がなく、最上位校の問題を時間的余裕を持って完答できるようなお子さんでなければ、尚更です。
算数であれば、速さの問題はあるのか、図形問題は大問何番なのか、なにかパズルじみた問題はあるのか、国語であれば物語文があるのか、随筆文なのか、そういったことを把握しておけば、ページをめくった瞬間にいきなり苦手な問題とご対面、ということもなくなります。
配点も把握できますから、どこかの問題でつまづいた時にも、例えば論説文の中にある漢字の読み書き問題だけ解いて、得意で配点も高い物語文に時間を使うなどリカバリーもできるでしょう。
(2)苦手な問題で時間の浪費をしなくてもよくなる
この点が一番重要で、苦手な問題を飛ばすことができないお子さんが意外と多いです。テストで空欄を作って後ろの問題を解くのは悪いことのような気がしますし、ひとまず前の問題から解くというやり方が正しいやり方だと思い込んでしまっている場合があります。
勿論、多くのテストは後ろの問題のほうが難易度が高いようにできていますので、前から解くということは一概に間違った選択とも言えないのが厄介です。
しかし、苦手な分野の問題であれば、難易度が低い問題でも時間をかけなければ解けない、最悪の場合時間だけを使ったのに正解にたどり着けないという事態に陥りかねません。
本番でそういった事態に直面して、志望校に落ちたら目も当てられません。
本番では得意な問題から解くというのであれば、習慣をつけておいた方がいいわけです。
(3)苦手分野の炙り出しに使える
3点目は副次的なメリットになりますが、この習慣づけを行う過程で苦手分野の炙り出しができるのです。
これは本人が苦手と意識していないものも併せて見つけることができるのがよいところです。
試験問題を解く順番を決める、そしてその時間配分を決める、となると本人がぱっと見でその分野の得手不得手を判断して解けそうな時間を見積もるわけです。
苦手と意識している分野は解答順を後ろにするからわかりやすいですし、得意と思って前のほうに解答順を持ってきた問題でも、本人が想定した時間で解けているのかというところで理解度を見ることができます。
結果としていろんな分野の理解度確認にも利用できるというわけです。
2 筆者の時間配分のやり方
ここからは筆者がどのようにテストで時間配分をしていたのかを算数を例に解説します。
中学受験塾の月例テストなどの算数では、大問1に計算問題などの簡単な問題があり、そのあとに4問~5問の文章題という形式がほとんどです。
大問1に取り掛かる前に時間配分をすませてしまうのがよいです。
1 試験時間全体から5分引いたくらいの時間を割り振る時間として設定します。60分のテストなら55分くらいですね。
2 各問題の配点を見て、おおよそ点数に応じた時間を分配していきます。
例:1⃣:10点 2⃣:20点 3⃣:20点 4⃣:25点 5⃣:25点なら
1⃣:5分 2⃣:10分 3⃣:10分 4⃣:15分 5⃣:15分
のような感じです。
あまり細かく配分はせずアバウトでよいです。
先述したとおり、試験問題は後ろにある問題のほうが複雑な問題であることが多いので、少し後ろに時間を寄せます。
3 自分の得意な分野から解く順番を決めます。ただし、頭をテストを解くモードにするために、大問1は最初にもってくるようにしていました。
4 それぞれの大問の番号の上あたりに、何番目に解いて何分くらいの時間を使うのかを書いておきます。
5 各問題を時間管理しながら解いてみましょう。
こんな感じです。
もうちょっと考えたり計算すれば解ききれる、と感じたときは1,2分微調整をします。
この1,2分で解答にたどり着かないときはドツボにはまってしまっていて、想像以上に時間をくったりすることがあるので、気分転換も兼ねて一度別の問題に進みましょう。
また、理科や社会などで小問群がないものや、算数でも計算問題がほとんどない学校の問題を解く際はどの大問から解いてもよいと思います。
実践的な模試などで試しづらいときは、過去にやった模試か志望校ではない学校などの過去問を活用するのがよいです。
感覚をつかむために最初のうちは、大体何分かかったのかを時間配分の横に書いていくとよいです。
邪道ではありますが、毎回全問は解ききれないとわかっているお子さんの場合は最初から捨て問を作り、それ以外の問題で時間配分をするというのも一つの手ではあります。
全問解かなくてもいいという考えにより、心理的なプレッシャーから解放され、意外と全問解けたりすることもあります。
ただし、それで捨ててしまった問題の分野についての学習は重点的に行って弱点克服に努めましょう。
まとめ
今回は「テストでの時間配分」について書いてきました。
テストは正攻法で最初から最後まで順番に解いて、満点を取るのがベストではありますが、そんなことが可能なのは上位校を受験するほんの10%くらいのお子さんだけです。
もちろん時間配分にかかる時間の分も問題を解く時間に充てたほうがいいという意見もありますが、見た目以上に、苦手な問題に余計な時間を使わない、ドツボにはまってしまったときに抜け出すために自分に時間制限を課しておく、というのは大事です。
やり方がしっくり来て効果が出るお子さんも確実にいると思いますので、騙されたと思ってしばらくテストでの時間配分をやってみてください。
効果が出なければ止めたったいいです。
今後も引き続きいろんな記事を書いていこうと思いますので、感想やご意見、お題のリクエストなども気軽にコメントしていただけたら幸いです。
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