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NFTとカルチャー(音楽・アート)の可能性について

4月25日(日)exp_内トークルームコンテンツとして展開予定であった内容を説明します。

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ゲストスピーカーには日本暗号資産市場からTAAKE氏と私と一緒にNFTを制作したATSUSHI KUROSAKI氏を迎えてNFTについて説明した後に、今音楽やアートで起こっていることについて話し合うコンテンツとなっていました。

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前段階として本編の議題は3つで構成されており、PPTでプロジェクターを使いながらプレゼン+トーク形式で話していく形式となっており、わかりやすくNFTの導入をしながら実際に自分たちでNFTをつくり、リリースしたことで感じたことを報告する内容となっていました。

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それでは、説明に入りたいと思います。まずは最初にNFTについての説明。

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2021年に入り更なる加熱を見せるNFT市場(1-3月,1500億円)。2020年は前年比+139%、350億円の売上へと成長して一躍注目されることとなったのであらゆるメディアやブログなどで取り上げられていますし、その分だけユーザーも増えてバブル期を迎えています。

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そもそもNFT(Non-Fungible-Token)とはどういう意味なのか・・・

そこから説明が必要な方もいるかもしれません。私も元々デジタルの世界には興味がありながらどうしても分からない単語が出てくると自分自身で調べずにいることが多々ありましたが、今回は調べました・・・

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Fungibilityは代替(交換)が悪いのではなく、これまで通貨(円やドル)の技術やシステムが発展していきより便利な社会になっていくことは間違いないです。

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そしてNon-Fungibilityは非代替(交換)可能性として商品の差別化(交換できない)を計る為に必要な考えとして物事に価値を与えることとして考えられ、販売店やネット販売でも活用されてきました。皆さんも好きなアーティストのプレミアグッズや限定グッズなどを購入した経験はないでしょうか。コンビニのキャンペーンで数量限定販売とかもこの発展した考えにあるかもしれません。(世の中に数個しかないので希少価値がある、実際に何個かどうかは別として・・・)

インターネット上ではこの展開をする際に、「信用度」が非常に重要な論点になります。何故ならば複製が多くされており、どれが本当のコンテンツか分かりづらいところにあります。

ここで登場するのがブロックチェーンを活用したNFTです。

ブロックチェーンを活用したNFTでデジタルアートや音楽を販売することによって取引履歴・価格履歴を追うことが出来てデジタル上で誰がこの作品の権利の「保有者」かということを明確にすることができます。この保有者を明確することへの価値(デジタルの複製は管理が不可)に注目されて今NFT市場は加熱しているとも言えます。

音楽の話に特化するとインターネット上のデジタル資産は複製や違法コピーなどで管理することが難しかった(例:napster)。spotify, apple musicのサブスクリプションやyoutubeの登場でアーティストはそこから脱却して再生回数に応じてロイヤリティを得るという収益の方法を得たが、このサービスはアーティストのコンテンツの対価というよりか、サブスクやプラットフォームへのサービスに対してお金を払っており、アーティストへのコンテンツへの支払になっているとは言い難い現状に。

デジタル資産に対して複製や違法ダウンロードの管理を解決してインターネット上の「情報」→ 「価値」に変えることが必要なのでここでも大いに活用できます。(*著作権の問題はJASRAC等と交渉の必要性あり、例えばNFTだけは著作権適用外のフィールドにするとか)

そしてこれまで数の論理で多くの人にリーチする戦いから、数量限定の戦略をインターネット上で展開することが可能になるという逆転の発想が成立する可能性があります。多くの人にリーチする必要はありますが、購入頂くのは数人もしくは1人でもいい。これはこれで難しいかもしれませんが、多くのアーティストを救う可能性もあります。

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話はクリエイターサイドへと移ります。

NFTが何故クリエィターにとって革命なのか?アーティストにどんなメリットがあるのか、その話にも触れていきます。

1. 作品が売れる度にオリジナルの作者にマージン(コミッション)が入る仕組みも可能

これまでアーティストのCDをタワレコで購入した場合、CDの原盤権のロイヤリティ等がアーティストに入って収入を得てきました。その購入者がCDをTSUTAYAで販売します。そこで二次販売が発生しますが、アーティストへは1次販売以降はロイヤリティが発生しない。
ブロックチェーンの設定次第では毎度パーセンテージを得ることが出来ます。(例:openseaの場合は0~10%まで設定可能)

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そしてもう一つは先ほども触れましたが、

2) 「デジタルコンテンツ」=無料が変わる、「情報のインターネット」から「価値のインターネットへ」

複製を取り締まることは非常に難しく、根気のいることなので違法コピーに影響を受けてきた権利サービス業。一方でサブスクはメジャーアーティストにとってはヘビロテされれば収入が多く入る仕組み。

特に数の勝負では勝負できないインディペンデントアーティストにとってはコンテンツの価値でマネタイズできる仕組みが必要。そういう意味で、デジタルの複製はコントロールできなくても保有者を管理することが可能なNFTは非常に可能性のあるフィールドと考えられます。

何故人々はNFTを購入するのか?

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アーティストにとってNFTは可能性があるものと考えたとして、そもそも何故人々はNFTを購入するのか?今、ブームで話題だから?デジタルアートやコンテンツに価値を見出しているから?NFT YEARLY REPORT 2020から参考に出来るデータ(サンプル数は76と少ないが)がありましたのでシェアします。

*2020年12月の時点でNFTコレクター76名にtwitter pollで聞いた調査です。NFTとtwitterはかなり親和性があるのでSNSではここは有効かと思いますが、少し調査としては弱い可能性あります。

再販目的や投資目的が強いという印象を持たれがちなNFTに関して7割近いコレクターが作品が好きだから購入するというデータは正直驚きで、アートの購入意欲が高いという印象も持てます。

購入する場所、どんなマーケットプレイスがあるのか?

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次々と企業が参入している中でマーケットプレイスが乱立していますが、主要のマーケットプレイスをピックアップします。

OPENSEA (https://opensea.io/)

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2018年開始したサービスで世界最大のマーケットプレイス(今回私もNFTをOPENSEAでリリースします)。今では100,000名のユーザーを抱えており、477万の作品出展。落札された手数料2.5%を収益とする仕組み。まだ17名の従業員でこの売上は凄いです・・・アーティストで言うと3LAUや実業家ではMARK CUBANなどが参加しています。

Rarible 

2020年参入のモスクワに拠点を持つマーケットプレイス。アートに特化した特徴を持ち、24000ユーザーで100億円の収入を獲得。最も有名なのはリンジー・ローハンが自身のプロフィールをラリブルで販売。

Nifty Gateway(https://niftygateway.com/)

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2018年にサービス開始。出品している作品(彼らをこれをNifitiesと呼ぶ)をクレジットカードで購入できる。CryptoKittiesやゲームなどが購入可能なマーケットプレイスでZeddや多くのミュージシャンもここからリリース。

Foundation(https://foundation.app/)

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2020年にサービス開始。最も急成長しているマーケットプレイスの一つで、直近で3412の出展者が利用(+900%増加)。招待制のマーケットプレイスということもあって信用度が高い。Aphez TwinがFoundationに出品をしてオーディオビジュアル作品を72ETH(約1,300万円)で落札。

SUPERRARE(https://superrare.co/)

2017年にサービス開始。イーサリアムに特化したマーケットプレイス。整備されて見やすい配置となっているのが特徴で750名のユーザーが出展しています。

TVK(https://www.terravirtua.io/)

2019年サービス開始。Paramount PictureとコラボしているTerra Virtuaはモバイル、AR、VR、ゲーミングなどに活用できる没入型のコンテンツを扱うマーケットプレイス。

NBA TOP SHOT(https://nbatopshot.com/)

*NBA TOP SHOTは突っ込んで説明します。

2020年にサービスを開始。2021年はいわゆるバブル状態に近くQ1(1月~3月)で昨年度を遥に超える1,500億円の売上を誇っています。その中でも群を抜いた売上を誇るのがNBA TOP SHOT。運営元はカナダのブロックチェーンゲームなどを手掛けるDapper Labs社。独自のブロックチェーンFLOWを展開。

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成功した理由は多々あるかもしれないですが、下記5点をどうぞ。

①アメリカ4大スポーツNBAの根強い人気

②選手の最高のプレイによるエモーショナルな動画やカードを開ける演出

③選手の積極的なプロモーション参加(youtubeなど)

④サイト(https://nbatopshot.com/)・自社トークン(FLOW)での展開

⑤再販目的に投資としての価値

DAPPER LABSのチーフエグゼクティブオフィサーロハムの理念を紹介します。成功しているからこそ思うのかもしれませんが、確かに選手のハイライトを保有するのは凄くエモーショナルだなと思いました。(幼少期からのレイカーズファンの私であります・・・・)

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日々様々なNFT関連ニュースが踊るように世間をにぎわせていますが、今年で最も沸いたのがBeepleのThe First 5,000Daysで75億円で落札。Beeple自体はNIKEなどと仕事をする人気のアーティストであったが、13年間毎日デジタル上に挙げてきた作品をまとめたNFTが評価・共感されたのだと思います。

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音楽の中でもブロックチェーンも急速に加速して海外・日本・メジャー・インディーズ問わず実験が行われています。

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音楽界隈でNFTが注目されるようになったきっかけの一つにコラージュアーティストSLIMESUNDAYとEDM ARTIST 3LAU(BLAU)が発表したNFTが12億3,000万円で落札されたことが大きな話題を呼んだ。NFTコレクター BIDDER65, WHALESHARKを巻き込んで大きく金額が動いたのもあるが、一つの大いなる希望を見出してくれたミントの一つでありました。

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日々のNFTニュースを追いかけたい方は下記リンクがオススメです。見やすくタイムリーに情報がきます。もしくはNFT関連のDiscordに参加するのも良きです。

日本でもNFTシーンが活発に展開されています。日本独自のマーケットプレイスnanakusa、choco factoryが開始されたり、LINE・メルカリ・coincheckなども参入を表明しています。日々アップデートされているシーンなのでキャッチアップするのに必死ですが、4月に入り面白い特に面白い取り組みと思っているのが、メタバース(仮想空間)を活用した展示会になります。

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そしてDecentraland, Sandbox, Cryptoboxelなど「バーチャル上の土地」を購入して展開されるバーチャル展示会も活発になっています。トクヤマムネタカさん写真展をフィーチャーした「写真xNFT」の展示会(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000054018.html)などを展開しているのを見て実際に恵比寿の会場とバーチャル展示会の連動を見て非常にワクワクしました。これからはリアル&バーチャルを一緒に行うことで相乗効果が生まれるのだと体感しました。

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以上が現状私が調べる限りのNF関連の情報ですが、この投稿でカバーが出来ないものを多々あります。又、日々凄い勢いで更新されているので昨日までできなかったことが今日出来るようになっているということもあり、目が離せない市場動向です。

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clubhouseを開いていると毎日出てくるNFTのルーム。最初は分からずに客観視して聞いていく中である日日本勢と音楽とNFTの可能性について話していると今後の音楽アーティストにとって大いなる可能性があるのでは?と思いました。3月頭に関心を持ち、色々と調べていくうちに「やってみないと分からない!」と思いましてTrial & Errorを繰り返しながら学んでいくスタイルにしていこうと思い、今回仲間でありグラフィックデザイナーのAtsushi Kurosakiと一緒にNFTを初リリースします。

2人で一緒に話した会話のキーワードを抜き出し、ビジュアル化しました。普段会話を録音しないと残らない言葉を視覚的に残すことによって、その時間・瞬間の「つながり」を留めることでこの今しかない感情を表現することに意義を感じました。そしてこの体験をNFT化して特典として購入者に同じように「今」感じていることを形にすることを提供します。4月27日(火)12:00から販売開始します。

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色々のマーケットプレイスを見る中で作品の力で多くの共感を得る投稿もあると思いますが、CGや動画の強さを痛感しました。音楽やアートに限らずアートというよりかはプロダクトを展開して特典や体験を提供するサービスにこそ、活路があると感じています。そして認知を高める為に多くの人にリーチすることが必要なのは言うまでもないのですが、購入者は1人や数人にはまればよいという「逆転の発想」が非常に面白いと感じています。その数人ないし1人の共感を得ることが出来れば正とされる市場なので、これはむしろこだわれる日本のアーティストには追い風なのでは?と思っています。

同時に感じたことはOPEN SEAでリリースすると投稿数が多いので埋もれてしまいます。多くの著名アーティストで話題になった方々は自分のサイトで告知をしていることも分かりました。それは将来的に行うとして今出来ることとしては仮想空間での展示会を開催することです。今回はCrypto Voxelのmarimosphereさんの土地を借りて実験的なバーチャル展示会を開催します。

題してnorinakata's Exploring Exhibition

開始期間:【5月1日(土)~5月7日(土)23:59)

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参加して頂くのは3名。前に触れましたAtsushi Kurosakiとオーストラリア出身のゲームイラストレーターのGrey Radianと福岡在住UEDA NO AteLIER。3名とも素敵な人柄とアートワークを展開しているのと同時にこの実験に快く参加頂いたことにより展示会が実現したことに感謝しています。

マーケットプレイス以外の場所を展開しながら作品の魅力を伝えていくことに加えて購入者が共感できるストーリーや特典も必要。日本以外にも海外のNFT勢に魅力を伝えて購入してもらえる層の幅を広げることも可能性があります。

今回駆け出しながらNFTの領域に挑戦してみてオンライン・バーチャルの可能性を感じましたし、このコロナ禍の中で今後リアルが正常に戻った際に、この活動が連動したら更に強化されてとんでもない現象になるなと実感しました。4月25日のイベントが緊急事態宣言で延期となり、少し意気消沈するところもありましたが、この先のビジョンをイメージできたことにより更に楽しみになったことはあります(少し強がりはありますが、本当に思っています)。

ゲストスピーカーでお話頂く予定にしました、TAAKE氏とは別の形で対談して皆様に内容をお届けしたいと考えていますので時期が来ましたら皆様にアナウンスさせて頂きます。

今回のイベントを楽しみにして頂いた方からたくさんのコメントや励ましを頂きまして非常に感謝しております。そして一休憩してから更に活発に活動していきたいと思っています。その際は是非宜しくお願いします。

まとめたNFT & CULTUREの資料やMETAMASK・OPENSEAのインストラクションを下記googledriveに格納しておきます。ご希望であればご自由にどうぞ。

*それにしてもNFTの熱・反応は凄かった・・・・・自分を見失わないレベルで実験して楽しんでいきたいと思います。

それでは。



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