見出し画像

20200808 AURA @新木場ageha   ~パーティーの正解を模索する挑戦(イベントに遊びに行ったレポート)~

緊急事態宣言後、徐々に生活が戻ってきて陽性感染者は増えているものの 誰しもが模索しながら生活する中で、音楽的には配信イベントの波が落ち着きはじめ、クラブやDJバーも人数制限をかけながら営業を開始したり、県外では野外イベントが行われ始めたりと文化的にも徐々に活動が再開されている中で、東京だけはどうも社会情勢の動向が気になり、踏み切れない雰囲気が漂いもどかしい状況が続いていると感じていた。

そんな中、新木場agehaでオールナイトでオープンエアーパーティーが開催されるとのことで 実に半年ぶりぐらいのナイトアウトをした先週土曜日。正直悩みながら行くかどうか紆余曲折しながら最終的にはこの状況・環境でパーティー出来なかったらこの先行くチャンスはあまりないと思い、行くことに。

パーティーの名はAURA。

日本語でもオーラという言葉があるが、改めて辞書を引くと「独特な雰囲気」という訳が出てくる。この状況の中での絶妙なネーミング。

私自身の話になるが、この自粛期間以降の間、足が遠のいたクラブやDJバーだが、何も一切いかなかったわけではない。何度かバー営業で遊びにいったことがあり、爆音を浴びることは身体が求めているし、知り合いに会えることの喜びは感じれていたが、どうしても心のどこかに引っかかる部分があった。結果、自然と足が遠のいてたのは正直なところ。

しかしさすがに半年は長い、、、、途中RDCや配信で音に触れる時間はあったにせよ、ライブで感じるものに代わるものはない。大阪も名村造船所やオープンエアーで出来る場所を活用してパーティーを再開し始めている中で少しずつ正解への道を模索しているので、関東でもいつまでも引っ込んでいるだけでは前に進めない!という勝手な自分自身への使命感により、参戦を決意。

結果、今年は残り4ヵ月あるが、このAURAはRDCと並んで2020年のベストパーティーの一つになったことは間違いない時間に

■キートピックス

・TOKYO TECHNO SOCIETY陣(HARUKA & IORI不在)+ GONNO X KEWL + TAKIMI KENJIという豪華な布陣
・久々に会う仲間が多くリユニオン的な感覚
→会場の一体感

・NEW NORMALの中でのイベントパーティーの正解への道

・Agehaの再定義

・ただのパーティーではなく、レジスタンスパーティー

AGEHAも今年で17周年らしい、クラブに行きはじめた時にオープンしたから月日が経つのは早いなと思いましたね。

印象的だったのが1件目でバーで飲んでいた中でたまたま隣りあわせになったカップルとの会話を切り取ると

クラブの話になる流れで~

女性「次どこいくんですか?」

私 「agehaにいきます」

女性「え、平成生まれの私からすると・・・・・」

私 「言いたいことはなんとなくわかる、けど逆に今、夜遊びできる音楽を聴ける場所ってagehaが一番安心でない?」

男性「確かに、それはあるかも」

という下りがあって今日はなかなかパンチのある夜になりそうだなと感じた。

現にSTUDIO COASTは行ってもAGEHAはここ5年はいっていない。いかなかった理由は単純明快❶距離が遠い❷行きたいパーティーとのご縁があまりなかったから(しかし今回のパーティーを経てagehaのWater & Parkエリアは今後ロケーションとして大いに選択される場所になると思う。)

24:00に渋谷駅近く六本木通りのバスが来るであろう場所に行き、同じくagehaに行くであろうクラバーたちと待つことに。周囲の陽気な雰囲気とは裏腹にこちらは久々にクラブにいくからソワソワしていた。

今日はどうなるのだろうか?リハビリとして静かに様子を見るか、いや今日のメンツだとそれはないなとまるで初めてクラブにいくかのような気持ちになり、不安と期待が入り混じっている中、30分経って昔と変わらずagehaバス到着。以前と変わらずモニターにagehaのプロモーション映像が流れテクノ・トランス・edmなどの音楽がかかり、20分程友人と談笑しながら目的地へ向かう道のりはやはりテンションのアガる時間。

会場到着後、バスを降りて見た光景で今日は普段とは違うことに気付く。入場待ちの列があるのかと思いきや、ほぼいない・・・・(しょうがないか 2000名程収容する会場に今日は3-400名だもんな)。IDチェック・検温・持ち物検査を終えてメインフロアを通るも、メインフロアのモニターは来場者への注意喚起として使われているのでこちらも少し寂しい光景が。

そんな普段とは違う光景もありながらWATER & PARK エリア会場に到着、久々に会う友人との再会などもあり、非常にハートウォーミングな時間が待っていた。自粛期間の際に結束を深めた特定の友人たちがいたと思うが、その延長で会場にいた人たちとも終始一体感を感じれる雰囲気があるのが印象的であった。

TOKYO TECHNO SOCIETY(今回はHARUKA & IORI不在) と KEWL、日頃から開催されれば遊びに行っているので安定の内容になることは言うまでもないが、この二つのパーティーがコラボすることには驚いた。RDC, sandcastleなど様々な文脈から来ていると予想する。KEWLは普段VENTをメインにイベントを開催しているが、夢の島MARINA & GRILLでオープンエアーパーティにチャレンジしてたこともあり、東京での新しいパーティーの形を模索するチームとして活動していたので今回のPARKエリアは彼らには最適な表現場所ですね。

TAKMI KENJIはやはり渋い。気持ちよく踊らせることに関してはザ・職人で改めてカッコよさを感じた時間でした・・・・。SARITA COLONIA がかかった時にラウンジはピーク、最高のバイブスに。仲間と一緒にお酒を飲みながら、談笑して、踊るという高揚感という意味で「今日純粋に来てよかったな」と思える時間は2:30頃。もちろん周囲はみんな一定の距離を保ちながらマスクをして、踊っている。

メインのWATER STAGEは皆素晴らしかったが、敢えてハイライトとして挙げるとすればGONNOとDJ NOBU。GONNO氏、こんな感じだったけ?というくらいWATERステージ映えするドラマチックなテクノ・ハウスセットを披露。普段もっとストイックで世界観重視なGONNO氏のイメージが変わったな、時間帯としては最高なセットでした。

そして予定の3時より少し遅れてDJ NOBU氏登場。メインらしく最初から音と共にNOBU氏のシグネチャーミキシングムーブが発動して、観ている?踊るこちらもゲキアガり。NOBU氏もRDCは出演したものの現場としては半年近く遠のいていたようなので復帰戦として更に気合が入っているようでして音に合わせて動きが大きく、あくまでも私の感想ですが、オーケストラの指揮者、、、、テクノ界のモーツアルトだ!と勝手に一人であがっていましたね。。。

*instagram agehatokyo

攻めのMIND BLOWING TIMEもあれば途中時計を巻き戻した音タイム(失われた時間を取り戻すような)時間もあり、クラウドも自粛明けのダンスを踏み締めるように無心で踊っている方が多くいたのが印象的であった。(もちろん騒いでいる人も多数)

同時にやはりテクノはREBELLIOUS(反抗)のATTITUDEの要素を持つカルチャー・音楽でもあるので会場全体がこの先の見えない社会情勢の中で音楽を通じて一つになり、この先を生き抜くフォースを充電する瞬間に立ち会えた気がした。そういう面でこのAURAは単なるパーティーではなく、途中からRESISTANCE PARTYの側面も持ち合わせていたようにも思える。(ポジティブな面で)

300名~400名限定の入場制限でも、改善点はあると思います。ステージごとの密を防ぐための人数制限+マスクを外した人へのスタッフのフォローなどはある。

だけれどもこれはNEW NORMALのパーティーの在り方を模索する「イベント・パーティーの正解を模索する挑戦」としてこの時期に開催することに大いに意義がある時間。(主催の皆様お疲れ様でした、そしてありがとうございました)少し脱線しますが・・・

今私が読んでいる本、「ART THINKING」の本で著者 エイミー・ウェイテカーは物事を創造する上で大事なことは「結果ではなく、プロセスに焦点を絞った視点」 。

作品をつくる時の評価方法として「判断」と「把握」の2種類あるという。判断は作品を理解して、優劣をつける、役者というより、観客がする行為。一方で「把握」は何がうまくいって何がうまくいっていないかを理解するプロセス。完成形と比べて制作途中のものは醜く、欠点もあるかもしれないが、その状況を把握して改善していくことで正解が見えてくるのだという。イベント・フェス・パーティーも今その正解を導きだす過程にあるとして、今の結果をすぐに判断せずにトライすることが重要と考えた場合、AURAはダンスミュージック界にとっては大きな一歩であったと個人的に思う、少なくとも自分にとっては。

この日は千葉県勝浦でLDG Anniversary the Open Airもあり、ダンスミュージックにとって活発な日ではあったが、今後の新たな模索に期待したい。宮下パークでもORが出来たり、STUDIO MULEがオープンしたり、一度止まっていた時間が動き始めた週末であると感じた。

最後にそんな中で久々の朝帰りを感じていたが、やはり冷静になった時に自分自身が感染したら?とシュミレーションする自分がいて、ナイトアウトをする代償が今までよりも大きいことに気付く。。。。

帰りにコンビニで体温計を購入して就寝。(今更かよとツッコミが入りますよね・・・・、ちなみに平熱36.3°でした)

この記事が参加している募集

イベントレポ

宜しければサポートありがとうございます。頂いたサポート費用は活動資金に充てさせて頂きます。PODCASTの番組づくりやイベント開催なども出来たらと思っています。