雨の日の森の中から学ぶこと
梅雨が明けない。7月になったのに、季節は初夏のはずなのに、雨が続いている。
わがやの5歳と2歳の娘は、森のようちえんというちょっと変わった保育を受けさせている。
これは北欧発祥の幼児教育メソッドで、いわゆる世界三大幼児教育と呼ばれるモンテッソーリ、シュナイダー、レッジョ・エミリアに対してちょっと枠外の方向性の教育方法だ。
まず、園舎がない。マジだよ。森の中に集まって、毎日がお弁当持参、お迎えも森の中だ。
雨の日も、風の日も、雪の日も森の中だ。
必然的に終日雨のこの時期は全身レインウェアで登園するのだけれど、行きは鮮やかな色をしたレインウェアが帰りには泥染めみたいになっている。
顔面も泥でフェイスペイントされていて、どこかの特殊部隊かな?みたいな顔になってる。どこに潜入するつもりなのか...
ある雨の日の朝
こうも連日雨だと、レインウェアが乾かない。乾く間もなく登園を繰り返すし、毎日泥だらけだし。
送り迎えをしてお世話をする親からすると最悪に近いこのシーズンなのだけれど、先日送ったあとにしばらく眺めていておもしろい事を子供たちに教えてもらった。
「あのね、雨の日はね、虫さんがあんまりにげないんだ。すぐつかまえられるの。」
これ、言われてみると当然なんだけれど、衝撃だった。
僕も幼少期に虫かごに虫取りアミを持って街中のセミというセミを捕まえて虫カゴに突っ込んでいたタイプなのだが、さすがに雨の日に虫取りをしたことはなかった。
雨の日は虫の多くは葉の裏や茂みに隠れるし、行動が鈍くなる。
それこそリアル版のモンハンみたいなもんだろう。雨や雪といったフィールドの状況で出現するモンスターは変わるし、行動パターンも変わる。
なるほどすぎた。雨の日に外遊びをするって、実はすごく幼少期には大切な事なのかもしれない。(洗濯物は大変だけど...)
刻々と変わる自然環境に応じて、園舎もなく遊具もない中で工夫して遊びを組み立てていく。
縦割り混成で、2歳児から6歳児まで4学年が混ざっている。これは通常の学年別の保育園や幼稚園とは明らかに違うし手間もかかるけれど、だからこそ学びの幅が増えて良い経験を積めると感じている。
強制も矯正もしない育児
上の写真のコレ、何だかわかりますか?
コレは靴下に、砂利を詰めたものです。
要するに即席の土嚢だ。別に大人が教えたわけではなく、こども達が勝手に編み出した。
そしてコレを積み上げて、まんなかにはお菓子(おやつ)が入っているらしい。
なんでも「カラスにおやつを取られないようにしているんだ!」とのこと。
ちなみに右側で明らかに土やら雑草やらが詰まっているのは帽子だ。
阿鼻叫喚案件なんだけれど、これを(ある程度まで)許すのが森のようちえんの教育方針でもある。
どの親にしても毎日の洗濯でさすがに慣れているので、この程度は許容範囲だ。今さら90の汚れが91や92になったところで大差ない。
だから、こうしたこども達の発明を邪魔してはいけない。(その為には、大人達の余裕が必要だが...)
育児においては、強制も矯正もしないことが実は重要なんだと最近感じている。
自分がして欲しかったことを与えて、自分がしてもらってよかったことを与えたい。たぶん、僕らの先祖もそれを繰り返してちょっとずつ進んできたはずだから。
そして、親がこども達にしてあげられることは実はとても少ない。
チャンスを与えながら、邪魔をしない事を意識するのが良さそうだ。
そんな風な高尚な幼児教育理念を持った神父のようなキャラを飼っているのだが、毎日こうはしていられない。
幼稚園がお休みで動画ばかり見ている娘2人を叱り飛ばしながら、育児ってむずかしいなぁ...としみじみ思います。
梅雨、そろそろ飽きてきたな...
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