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~家で過ごす今こそ、子どもに「お片付習慣」を身につけさせてあげましょう~ 子どもへの整理収納教育のすすめ 第2回(全2回)

子育てをしている親なら少なからず悩み、苦労していること、それは「しつけ」ですよね。
「食事のマナー」や「挨拶」「言葉づかい」など種類は様々ですが、「自分のしつけの方法は正しいの?」「ついイライラして叱ってしまう」「周りの子どもと比べてしまって不安になる」など、悩みが耐えないのではないでしょうか?

「お片付け」も悩まれている方が多い「しつけ」の一つ。
5月25日、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言は解除されましたが、
直ちにコロナ以前の生活には戻れるわけではなく、まだまだ親子でおうちですごす時間が多いのではないでしょうか?
これまでに比べおもちゃや絵本が家中に散乱しがちな今こそ、子どもに「お片付け」を身につけさせるいい機会なのかも知れません。

そこで、前回に引き続き、整理収納教育士認定講師の森永典子さんに、「整理収納教育士」という観点から、子どもに「お片付け」習慣を身に着けさせる効果的な方法について教えていただきました。
今回はより具体的な教育方法について教えていただきます。

4.子どもの年齢別でのお片付け教育のポイントは?

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2歳までは、モノを認識することや、周りの人による環境を見て片付ける習慣を学ぶ時期です。

どういうことかと言うと、例えば花を見て親が“きれいだね”と子どもに話しかけたとします。すると子供は“花はきれいなんだ”と認識するようになります。
お片付けに関しても、“片付いているとスッキリして気持ちがいいね”とすり込むことで“片付いていることは気持ちがいいことなんだ”と認識することが大切になってきます。

お片付けをするには幼ければ幼いほど遊びを取り入れることが一番です。
私自身よくやっていた方法が「どうすればいい?ゲーム」です。
(幼稚園児ぐらいまで)

これはゴミ捨てや片付けなど色々と応用でき、方法はとても簡単。
例えば使用済みティッシュがあったとします。それを子どもに“これってどうすればいい?”と知らないふりして聞いてみるだけです。
すると子どもはゴミ箱に捨ててくれたり、教えてくれるので“そっか!教えてくれてありがとう!!”と大げさなくらい褒めましょう。

この大げさなくらい褒めることがとても大切です。毎回大変と思いがちですが、子どもにとって母親と父親は信頼のおける存在です。
特に長い時間一緒に過ごしている母親からの誉め言葉はとても特別な言葉となります。

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子どもは小さな大人ではありません、愛情が不可欠です。
そして、子どもが安心出来る環境はとても大切なのです。

小学生くらいになったら子ども自身がやりたくなるように工夫をし、整理してもらうようにします。

最初に子ども自身が使っている財布など小さな所から始めてみましょう。
財布を例にしてみると、まずは財布の中身を全部出して何が入っているかを確認します。
本人も忘れていたモノが入っていることもよくあるので、全部出して確認することはとても大切です。

そして、子ども自身に必要なモノとそうでないモノ(不必要なモノ)を分けてもらいます。
次に、財布に必要なモノ(お金・ポイントカード・図書館などのレンタルカード・クーポン券など)を種類別に分け、収納します。

この時に大事なポイントなのが、親が勝手に収納場所を決めないこと。その財布を使う本人に決めてもらうことが大切です。
子どもに財布の整理をしてもらうときに、大人も隣で一緒にご自身の財布を整理してみるのもいいと思います。

5.絵本、おもちゃなどアイテム別の片付けアイデアは?

例1:シールを使った片付け
絵本にシールを貼り、収納場所にも同じシールを貼ります。
※同じ絵合わせをすることで戻す場所が分かる!

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例2:イラストを描いた片付け
細々としたモノは多くの方はケースにまとめて収納していると思います。
ケースの側面に収納するモノのイラストを描き貼ります。

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例3:形に合わせる片付け
画用紙をモノを置いた時の状態の形に切り取り、収納場所に貼ります。

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6.最終的に子どもが自発的に片づけるようになるにはどうすればいいですか?

大人も同じですが、叱られるより褒められる方が嬉しいですよね?
人間の脳は嬉しいことや楽しいという感情が伴うと、脳の長期記憶を司る大脳へと伝達されやすくなるため、“片付けなさい!”と言うよりも“片付けてくれてありがとう!!”と言われる方が嬉しいし、またやろうと思えるようになります。

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そして子ども(~小学校までは)には学習するという概念はなく、すべてのことは“遊び“です。
遊びとして楽しいことはどんどん記憶されていくため、遊びを取り入れた片づけを一緒にやっていくうちに自発的に片付けが出来ていくようになります。

子どもが自発的に片付けを出来るように、子どもに関わる大人がまずは整理収納環境を整えてあげることが大切です。
そのために“整理とは何か?”を考えてみましょう。

7.最後に、子育て中のお母さん・お父さんへのメッセージをお願いします

私は元々整理が苦手でした。
子どもが生まれて育児用品やおもちゃがどんどん増えていく中で、最初は“子どもがいるからモノが多いのは仕方ない”と自分に言い聞かせていました。

しかしモノが増えて探しモノが多くなり、次第にイライラすることも増えていきました。
子育てをしていく中で、「整理収納アドバイザー2級認定講座」という講座を知り、整理の基本についての概念が180度変わりました。

整理は散らかったからするのではなく、より暮らしやすい・生活しやすいためにするものなのです。

また、子どもの片付け教育では整理収納教育士認定講座にて感情を学ぶことと情操教育(子どもの心を豊かに育てる教育のこと)の大切さを学びました。

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“整理をする時間なんかない!”と思われる方もいると思います。

しかし毎日の生活の中で、探しモノに一体どれだけ時間を費やしているでしょう?1日5分探しモノをするだけで、1年間で約30時間も探しモノに費やしているのです。

探しモノがなければそれだけ自由に使える時間が増えます。
また、子どもが自分で片付けをしてくれる、自分のことは自分でするようになってくれると、時間だけでなく気持ちにも余裕が生まれます。

整理をすることはメリットしかありません。子育てで毎日いそがしく時間に追われている子育て世代の方にこそ、整理の大切さを知っていただきたいのです。


ABOUT -この記事を書いた人ー


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森永典子 (京都府京都市在住)

元片付けられない主婦。現在5~72歳までの家族と同居。整理収納アドバイザー1級取得後、2級認定講師となる。
「整理収納アドバイザー2級認定講座」を受講したのち、整理の大切さを伝えるため整理収納アドバイザー1級取得後、2級認定講師となる。
幼児を育てながら幼児への整理収納教育に興味を持ち、「整理収納教育士認定講座」を受講。
その後認定講師となり、自身の経験を活かし認定講座を開講している。また、整理収納の考え方×最新の科学と栄養学を取り入れた「栄養環境コーディネーター」の認定講師の資格も保有。

ふくstyleホームページ:https://fukustyle19.com
Instagram:https://www.instagram.com/noriko_morinaga
facebook:https://www.facebook.com/fukustyle19





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