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ヘッドフォンで凛として時雨の曲を聴きたくなる | 「ゆれる」(著:TK)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

凛として時雨の曲を聴くようになったのは「PSYCHO-PASS サイコパス」がきっかけであった。それまでも名前は聞いていたし、知り合いにファンがいたりしたけれど、自分の好みではないアーティストとして食わず嫌いでいた感じだった。アニメをきっかけに好きになり、「abnormalize」は今でも時々聴くし、TK from凛として時雨の「unravel」には圧倒的な世界観は唯一無二のものだと未だに思う。

そんな凛として時雨の本ということで自然と手が伸びた。

人気ロックバンド、凛として時雨のTK初となる書き下ろしエッセイ。
孤高の天才ミュージシャンの脳内を解く―。
ロックバンド、凛として時雨TK初の書き下ろしエッセイ。

独創的かつ繊細、静と動、狂気的だけど芸術的etc.
多様なイメージが共存しているのが、凛として時雨というバンド。
その源を生み出しているフロントマン・TKが綴る、不完全の哲学。

「永遠に曲が作れないと思っている状況こそが完成」
「完璧主義であるからこそ、満足することはない」
「制作における根本は、“見たことない”“触れたことがない”ものを探す」
「自分の首を絞めていったときに、呼吸の感覚を思い出す」

TKは、20年のキャリアと齢40を経てもなお、悩み、もがき、苦しみ続けている。
作品作りは、毎回自分を一番底まで掘り下げて、
その先にあるものを掴みとってまた何もない状態に戻る。

家族や生い立ち、バンド結成からソロ活動に至るまで、
謎に包まれた人間・TKを解き明かす。

なぜ人は、彼の作る音楽の虜になるのか?
その答えが、この本にあります。
ファンのみならず、企画やクリエイティブに携わる人間に読んでほしい一冊です。


■出版社からのコメント
「バンドの持つ普遍的な世界観は残しつつ、革新性も感じられる」、凛として時雨の音楽を聴いたときに抱いた感想だ。守るべきものを守りながら、新しいものを取り入れる。我々編集者はもちろん、世に出す作品作りをする人間において、これは永遠のテーマではないだろうか。TKさんと接するなかで見えた、誰よりも葛藤し、紆余曲折を繰り返す様。どのように、そしてなぜその思考に至ったのか。ファンのみならず、多くの創作者たちをも魅了する理由とは? 彼のクリエイティブの根源に迫りました。

公式サイトより

ミュージシャンとして長い年月その地位を確立しているということで、天才肌と勝手に思っていたのだが、それはすぐに裏切られる。毎回ゼロから始まって決して辿り着くことのない完璧な完成に向かって悩み、もがき、苦しみながら、生み出されていく作品の背景をみて、何気ない瞬間に音楽が降ってくる人を羨ましいという声を聞き、謎であった家族や生い立ちを知り、それまで神秘的な存在であった凛として時雨というアーティストが良い意味でリアルになった気がする。

モノづくりに携わる人間であれば、ゼロからモノを生み出すその苦悩と妥協しない姿勢に共感をするかもしれません。
ビジネスに携わる人間であれば、売れるとは何か、売れるためにどうすればいいのかを考えるヒントがあるかもしれません。
アーティストを目指す人間であれば、その覚悟を問われるかもしれません。

ただ共通しているのは、本書を読むとヘッドフォンで凛として時雨の曲が聴きたくなる。


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