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カタログ写真の正解と不正解

こんにちは。
東京、主に渋谷を中心とする某百貨店のポスターやカタログ中心に商品やブランドイメージをひたすら撮り続けて10年、物撮りの世界でずっとご飯を食べてきたカメラマンの宗村亜登武です。

前職の制作会社で、メーカーのカタログも年に4〜5件発生してて、めちゃくちゃな商品点数だったので、2週間カンヅメでスタジオに篭って延々と同じような商品を撮影するというのを10年間やってきました。
そんなわけで、

今回のテーマは『カタログ写真』です。

この記事を読む方って、メーカーの経営者だったり、きっと自社の広報担当だったり、EC担当の営業マンだったり、企業のサポートするデザインの人だったりコンサルタントだったりするんだろうなと、ぼんやり想像しながら書いています。

さて、そんな皆さんが作っている、商品の写真が載っているカタログやパンフレットですが、皆さんはどこに力を入れて取り組んでいますか?
良い商品だぞぅ!とアピールできるイメージ写真ですか?
細かい意匠やこだわりのポイントがわかる写真でしょうか?
それとも、QRをつけてイメージPVで、もっと「良いもんだぞぅ!」とやってたりしますか?

では、そんな皆さんが、逆に商品をカタログを見て買うかどうかを真剣に考えるとき、今言ったようなイメージ写真やましてや動画、何回見ますか?細かい意匠やこだわりのポイントは何回か見ると思います。
でも一番見るページってそのカタログのどこですか?

カタログも様々

人によってバラバラかもしれませんが、私が一番見るのは商品のカテゴリーが一覧されている商品の切り抜き写真のページです。
ここで並んだ商品のサイズ別、細かい意匠別、色、これらを全体で見て、見比べて、これかな?こっちかな?と考える時間が一番多いと感じています。

では、この一番見られる時間が多いページの写真に、カタログを作る側の意識はどのくらい高く持っていますか?
まさか、切り抜き写真だけは社員にさせていますとかないですよね?

、、、、。

すみません、少し意地悪な文章でしたね。
そうなんです、結構多いんです。こういうケース。
切り抜き写真は手頃で安価に仕上げる。イメージ写真は大事だからイメージ写真だけお願いします。ついでに同じシーンで説明カットも撮ってもらったら嬉しいな。
こういう依頼、めちゃくちゃ多いんです。

そして弊社でバッチリな(クライアントも立ち会って双方納得した)写真ができたとします。それから数ヶ月、カタログ出来ましたと言って持ってこられる冊子を見てがっかりすることがめちゃくちゃ多いからです。
一番肝心だと思っている商品が並んだページを見ると、同じカテゴリーなのに角度もバラバラ、色味もバラバラ、使われているレンズも違う、画質も違う。結果、どんなに良いイメージ写真が左にあっても、右の写真がぐずぐずすぎて、単価に見合う感じがしないんです。

文章力が足りないのがもどかしいのですが、なんとなく伝わりますでしょうか?
もし手元に好きなメーカー、ブランドのカタログがあったら見てください。
どうですかね?

もしかしたら魅力に感じているのは、実際の商品を手に取って見れる機会があるからだけなのかもしれません。
手に取ってもらえない人に、商品の価値を理解してもらい、魅力的に感じてもらい、商品の選定がカタログだけで完結できる。

本来であればカタログはそこを目指すべきだと思って、日々打ち合わせに望んでいます。


kalita ホームページ

上記はコーヒー機器ブランドの株式会社カリタさんです。
七年ほど前にお仕事をいただくようになり、商品写真の全リニューアルの撮影をさせていただきました。
それまで、撮影者や撮るタイミングでバラバラだったライティングや角度を全て統一し、見る人に余計なノイズを与えないよう、配慮して制作しました。

あれから随分と年数が過ぎていますが、これだけ丁寧に撮影されたものは、写真として商品価値を下げるという事はなく、まだまだ使える現役の写真であり続けていると感じます。

これから商品写真に力を入れようとしている企業、メーカー、ブランド、販売店、個人でやられる方も含めて、ここをどれだけ丁寧にするかということが日々の営業コストや、労力をずっと下げることができるという意味で、
今回のテーマ『カタログ写真の正解と不正解』について、その判断基準の一つにしてもらえたらなと思っています。

弊社では長生きする写真もヒアリングの際に意識して、制作に臨んでいます。
お問い合わせはこちらまで。

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