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下僕日記。(2021.12.26)

クリスマスが終わった。
今、朝ごはんにたこ焼きを食べている。
そういえばケーキは食べていない。
食べたくなるかもしれない。

クリスマスは特別な日だ。
何もしなくてもいいという気持ちになる。
だから何もしなかった。
本当に何もしなかったわけではなく、本を読んだり海外ドラマを見たりこたつで寝たりはした。日常生活の延長で、そうしていた。いつもより時間をかけてゆっくりとそういうことをしていた。

ツリーは久しぶりに見た。
一緒に住んでる友人が、クローゼットの奥に押し込んでいたツリー。
朝、家に戻ると、目をらんらんと輝かせた友人が、リビングに現れたツリーを満足気に見せてくれた。
夜の三時くらいに思い立って、用意したらしかった。
残してくれていた、キラキラ輝く丸い装飾品やラメでコテコテ輝く星を、その夜、ツリーに飾り付けた。
いつもより、クリスマスという感じが、した。

今、読んでいる本は二冊ある。
デイヴィッド・マークソンの『ウィトゲンシュタインの愛人』とモーリス・ブランショの『終わりなき対話』。
日が出ているうちは『対話』を読んで、日が暮れて、眠る前に、『愛人』を読んでいる。
クリスマスの時間のおかげで、どっちも真ん中くらいまで、うたた寝しながら、読み進んだ。
どっちも人に勧められるような本ではなく、眠たくなる。
今、眠ることが幸せだから、どっちもいい本だと思う。
こたつに埋まってする読書くらい幸せなものは、ないと思う。
それは言い過ぎかもしれないとは思う。

文章を書くことはしていない。
急ぐ仕事もなく、小説も、自分で好き勝手に書いているものだから、特に締め切りもなく、書く気持ちにならないから、書いていない。
だから、ここに書くことで、久しぶりに書いている。

実は今朝、別な本も読み始めた。
ヘミングウェイの短編集。好きな翻訳家の方の新訳で。
読んでいた二冊の本が、あまりにも特殊だったから、シンプルに物語を読みたくなったのだ。
とても短い話を、ひとつ読んだ。
読み終わると、お腹が空いて、それでたこ焼きを食べていた。

正直に言うと、冷凍の五目チャーハンも食べた。

今日は、何をしようか。
クリスマスは終わったけど、気分は抜けていない。

飽きるまで、本でも読もうか。




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