障がい者の就労支援は、雇用側と当事者の歩み寄りが重要
こんにちは。OTOTです。
相談支援専門員をしています。社会福祉士であり作業療法士です。
本日は、就労について話します。
障がいがある方の就労支援に携わっております。
私の感じるリアルのみお話します。自分の記事のインプレッション数を増やすために、感じの良いことを書いたり、当たりさわりのない内容を書くことはしません。なぜなら、そのような記事は本当に困っている人の助けにならないことが多いからです。
では、早速まいりましょう。
障がいがあり働くという方法にはたくさんの方法があります。
本日は一般雇用におけるクローズとオープンということについてお話しします。
一般雇用されていて障がいがあり働いている方もいるでしょう。
一般雇用の中で、自身の病気や障がいをオープンにして働いている方(オープン)もおられますし、オープンにしないで働く人もいるでしょう。(クローズ)
どちらもメリットデメリットあると思います。
精神障がいや、発達障がいなどは目に見えにくい(周りからわかりにくい)障がいであります。
難病も目に見えない場合(周りからわかりにくい)があります。身体障がいも見えない事(周りからわかりにくい)もあるかもしれません。目に見えない障がいで当事者が困ることは、その障がい、病気により辛い点や困っている事を伝えにくい事です。そのため、配慮をしたいと思う会社側も何をどうすれば良いのかわかりにくいためお互いに歩み寄りが難しいことが多いです。
そして、業務のある一部分はできたりできなかったり、体調の良い時はできたり、悪い時はできなかったり。日差、日内差があるため、
ムラのある仕事になります。そこに、受診が重なると残業して終わらせる仕事が出来なかったりが生じたりします。
本人は、お休みの日はしっかり休んで平日にしっかり仕事をできるように仕事帰りに病院に行こうとスケジュール調整しているのですが、まわりには理解されにくいです。
休みの日に病院に行けばいいと思うかもしれませんが、都合よくお休みの日に病院が開いていない事もあり主治医がいないことも多いです。この辺りは、もう自分が患者にならないとわからないかもしれません。
お休みの日に病院に行けたとしても、気分転換にはならないので、ずっと辛いです。リフレッシュするための旅行にも行きにくいです。実家にも帰りにくいです。そのため、メンタルがまた落ちます。そして、平日の仕事の質が落ちる可能性も高いように思います。恋人やパートナーと過ごす時間も減りプライベートでうまくいかない事もあるかもしれません。そのようなことがあると、また辛いです。
クローズ(障がいを黙って働いている)の場合、上記のようなしんどさを抱えながら働く必要があるのです。
健康な方からすると。なぜ、クローズにしているの❓。オープンにすればいいじゃないか。と、思うかもしれませんが。
オープンにして働けるほど、社会も会社側も成熟していないことが多いです。
オープンにした場合、会社側の配慮として、負荷のかかる仕事を外しましょう。負担を少なくしようと配慮をしてくれるかもしれません。残業もなくしてくれるかもしれません。
しかし、負荷のかかる仕事のような大きなプロジェクトは昇級や昇進の材料になります。そのため、オープンにして会社側に配慮されてしまうと、障がいのある方にとって、昇給、昇進のチャンスが少なくなる可能性があるので、オープンにすることは難しいのです。新人たちがどんどん大きなプロジェクトを任されているのに、自分は毎回。。。。辛くないでしょうか。
そして、残業や飲み会で話した内容でいつの間にか新しいプロジェクトが起動するなんて事もあるでしょう。オープンにして定時帰りしていると確実に乗り遅れます。メンバーに入れない事もあるかもしれません。
障がいや病気があると病院代(受診に必要な交通費や受診代、薬代)もチリも積もればです。ランチ代くらいあっという間になくなります。その為、同僚や友人と食事に行くためには、日々の食事含め、服代なども節約です。ずっと不安で金銭の管理をし続けます。飲み会などに出す費用も苦しいです。行きたくても行けないことが多いです。オープンにして昇給しにくい、昇進しにくいと病院代や生活もずっと辛いです。。。。
また、オープンにして残業をなくしてくれた場合、多くの企業では残業月にこれくらい込みでいくらという雇用契約が多いため、基本的に残業ありきの雇用契約です。多くの人が残業ありきで働いている中、定時で帰っていると気まずいんです。周りとの温度差が出始めます。本当に難しいのです。本当は残業ありきの雇用契約など無くせばいいのですが、ほとんどの人は中小企業で働いているのです。働き手不足な社会。社会の歯車が狂っていると色々なところで歪みが出ます。
クローズとオープンな働き方が前後してごちゃ混ぜに書いてしてしまっていますが、きっと当事者の方にはわかると思い書きました。雇用する側の人にもこのような障がいがある人の気持ちをある程度理解して合意的配慮のある雇用契約をして、インクルーシブでバリアフリーな会社経営を目指してもらえると嬉しいと思います。障がいの理解は、当事者と雇用する側の想いや、気持ちを理解をする歩み寄りだと思います。いつまでも誰もが健康で過ごせる確実な保証はありませんし。世界がもっと優しい社会になれば、もっと働き手も確保できて、会社も成長すると思います。歩み寄って話せる時間を会社で業務時間内に作ってみてはいかがでしょうか。(願い)
最後に、
障がい者の就労支援について、一般雇用を中心に書きました。
障がいのオープン、クローズな働き方について書きましたが、上記は、障がい者雇用とは全く別物です。色々あるのです。雇用方法って。
支援者として
障がいのある方の一般的雇用の就労支援する場合は、上記のように雇用する側と雇用される側の気持ちや雇用契約なども把握して支援する必要があります。そして、各種手帳を持っていない方の場合、障がい者の仕事サポートセンターなど公的な支援(ジョブコーチなども)は基本的には受けれないことが多いので、支援者としての腕の見せ所はここかもしれませんね。そして、このような手帳はないけど病気や障がいで困っている方の支援に公的なサポートができるように国も考えて欲しいな〜。と思います。
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