療育について現役の相談支援専門員であり作業療法士でもある私がお話します。

こんにちは。OTOTです。
社会福祉士であり作業療法士です。
相談支援専門員として働いております。

本日は、「療育」についてお話します。
「療育」障がい福祉分野(厳密には児童福祉分野)では主に、児童発達支援サービスと放課後等デイサービスのこと指しています。

近年、放課後等デイサービスの事業所も爆発的に増えました。
それだけ、困っている子供たちがいるのでしょう。

さて、療育ですが。

皆さん、どのような基準で事業所を選んでおられるのでしょうか。
選ぶ際のポイントを紹介させていただきます。

早速ですがいきましょう。

まず、「療育」ですが、漢字に分けると「療」と「育」ですね。

「療」主に癒すというで使われるのではないでしょうか。病気を治す、療養する。医療、治療。という漢字で使われていますね。

「育」育てる。です。保育、教育、成育という漢字で使われますね。

さて、そうなりますとこれら漢字の意味をなすスタッフがいる事業所が「療育」が実施できる事業所である可能性が高いです。

「療」の部分はどれだけの療がついているスタッフを雇用している事業所があるのでしょうか。疑問です。

「育」は、私自身、療育事業所さんでも、多くの保育士さんや元教師などの先生としての専門職にであってきました。

近年、感覚統合療法のことをアピールしている事業所さんも増えてきました。私は作業療法士であるため、感覚統合療法には相談支援専門員の中でも詳しいほうです。はっきり言いますが、
感覚統合療法を私のようなリハビリテーション専門職以外で行うことは不可能でしょう。
なぜ不可能なのか。
それは、そもそもの評価ができないからです。

感覚統合療法:触覚、固有感覚。前庭覚。どうやって評価しますか。そもそも触覚など特殊な器具がないと精密検査できないのです。療法士といわれるリハビリテーション専門職はこのような勉強を学校で4年してきて、臨床でも患者さんの反応や過去の論文や研究などをベースに日々リハビリテーション業務に従事しています。そのため、これら各種感覚機能評価や感覚処理など脳機能のアプローチを医療専門職がいない事業所で行うのは無理なのです。

結論として
療育を選ぶ際の基準は絶対的に人であり、その人がどのような勉強をしてきたのかを確認してから事業所を選ぶべきなのです。

学習塾ですと講師が東大卒、現役東大生の教える塾にいくでしょう。
保育士や元教員などの専門職や医療技術職がいない事業所に子供を通わせていることは
英語や数学ができない人が英語や数学を教えている塾に通わせているのと同じなのです。

以上の理由から、より質の高い療育で子供の成長を望むのであれば、
見学や体験時に療法士が常駐しているか、元教員(教員免許保持者)や保育士さんはいるかなどスタッフの保有資格を確認してみてくださいね。

なお、療育事業所所属の社会福祉士はどうなのかですが。
療育事業所では社会福祉士は必要ないと思います。
もしも、社会福祉士が療育事業所以外のサービスをしっかりと探してくれていたり、園や学校訪問し子供が困っていることの解決や高校卒業に合わせて、就労支援や進路相談など就労先や進学先と調整してくれているのであればそこはよい事業所だと思います。確認してみてくださいね。

療育事業所で、児童たちと同じ場所で療育している場合は、社会福祉士である必要はありません。学校にスクールソーシャルワーカーがいるかもしれませんので、そちらに相談してくださいね。

以上が療育を選ぶ際の具体的なポイントです。

最後に

皆さんには、「福祉」と聞くと清潔なイメージがあるのかもしれませんが、
残念ながら福祉は「ビジネス」です。
医療と違い、エビデンスがないサービスです。
学会発表や論文発表、研究もすすんでいないことも原因です。
社会保障費の国民負担がどうであるなど議論がよくされていますが、そろそろ福祉業界も議論されるべきでしょう。

私の記事は

もしかすると読む皆さんには都合の悪い事実や事業所にとっては気分が悪い記事かもしれません。しかし、療育含め福祉は困っている人達の最後のセーフティネットです。
もっと我が国の福祉がオープンで誰にとっても平等で、だれもが幸せになれるような仕組みになってほしいと本当に願っています。

国家資格を保持する福祉専門職の皆さんに期待しています。










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