宮沢孝幸著「ウイルス学者の絶望」を読みました。
宮沢氏は京大医生物学研究所ウイルス共進化分野准教授。ウイルス研究の大家です。
「新型コロナの対策に既存の知識を活かすべきであり、それだけでコロナ騒動はほとんど解決する。ウイルス学の専門家として対策を主張してきたが、その主張があまりにも伝わらないことに愕然とし、この本を書いた」ということです。
「免疫学やウイルス学の基礎知識がない人にも理解できるように平易に書いた」ということですが、やっぱり難しい。素人の私が理解できた範囲で、重要と思った部分を紹介します。
人はコロナウイルスと共存してきた
このように大昔から人はコロナウイルスと共存してきました。今回の新型コロナウイルスが、既存のコロナとともに存在し続けるのか、それとも絶滅するのかはわかりませんが、私たちがワクチンなどで絶滅させることは不可能なようです。オミクロンになって病原性が弱くなっているので、普通の風邪と同様の対策に止め、共存するしかありません。
パンデミックは大多数の人が感染しない限り終わらない
宮沢氏によると「パンデミックはみんなが感染しない限り終わらない」です。たしかに歴史上、すべてのパンデミックはみんなが感染することで終わっています。ロックダウンなどの対策で感染を防止しても、それを永遠に続けることは不可能です。すこしづつ感染していくしかないのです。
アステカ帝国は16世紀にスペインの侵略を受けましたが、スペイン人のもたらした疫病により、十分に戦うこともできず滅亡しました。少しずつ感染すれば共存できる疫病でも、隔離を続けたあとに感染すると致命的となります。
マスクの限界
コロナ対策としてのマスクやアクリル板はほとんど無意味で、場合によっては逆効果だと宮沢氏は指摘しています。相手はウイルスなので、対策も科学的根拠にもとづいてやってほしいものです。今の対策は「やってる感」を出すだけに思えます。
子供は感染したほうがよい
若者にとって、新型コロナウイルスはそれほどおそろしい病気ではありません。かかっても死ぬ人はほとんどゼロです。
その一方でワクチンによる免疫が不十分であること、副作用の可能性があることを考えると、若者はワクチンを接種する必要はないし、対策の必要もないと思います。
ワクチン接種で陽性になりやすい
厚生労働省は、接種した日の報告がないデータを「ワクチン未接種」に分類して、未接種者の陽性者が多いように集計していました。指摘によって「接種不明」に分類したところ、接種した人のほうが陽性になりやすい、という集計になりました。
これはまずいと思ったのかどうか、しばらくして集計の公開をやめてしまっています。
厚生労働省は、「国民を救いたい」のではなく、「ワクチン接種を推進したい」だけなのではと勘ぐってしまいます。
ブースター接種が逆効果に
ワクチンを取り込んだ細胞はmRNAによってスパイクタンパク質を作り出します。これによって抗体ができ、本物のウイルスが入ってきたときに攻撃できるというのがワクチンの仕組みです。その抗体を作り出すためには最初の一回か二回の接種で十分です。
ワクチン接種で抗体ができている人、感染で細胞性免疫ができている人が、ワクチンを接種すると、ワクチンを取り込んだ細胞が免疫によって攻撃され、自己免疫疾患のようになる可能性があるというのです。
説明に専門用語が多く、理解が難しいのですが、要するに、ワクチンの効果は限定的である上に、特にブースター接種はリスクが大きいということのようです。
新型コロナウイルスは人工物か?
オミクロン変異体が人工物だとすると、武漢株も人工物。いろいろな株を用意して、計画的にパンデミックを引き起こしてきたということでしょうか?
そんな恐ろしいことは考えたくありませんが、ここまで恐怖を煽り立て、世界的な大騒ぎを引き起こしたことを思うと、裏でなにかが動いている可能性は否定できません。クワバラクワバラ。