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ハラスメント 同権だが平等ではない

人々よ。

心に傷を持ち、フリースクールにやってきた17歳の少女と、大学生でボランティアをしにやってきた主人公との青春小説。

甘酸っぱいには違いないが、随分と薄い内容だったな。

ただ、フリースクールの校長の言葉「最近は、らしさというものが嫌厭されるから、色々なバランスが崩れてきている」があったが、実に頷ける。

男らしさ、女らしさ、こんな言葉を使うとセクハラだと言われる昨今、教師らしさ、生徒らしさ、こんな言葉を使うとモラハラと言われる昨今。

本来、同権ではあるが平等なんてのはありえない。

違いを認めた上で、受け入れなければいかんな。

極度に平等化を求めて突き詰めてゆくと、もうそれは共産主義になってしまう。

池永氏は、こう、市井の人々の普段の何気ない生活を描くのは非常に上手いが、暴力の描き方は向かないな。急に陳腐な感じになってしまうな。

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