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『女性コンサルの働き方調査』から見えてきたダイバーシティの実態【後編】~「キャリアアップ志向 フルタイム勤務者40%、時短勤務者の60%という事実~

3.将来のキャリアアップ志向が高いのは時短勤務者だった
 今回の調査で、私の中で一番興味深かった結果が、「将来のキャリアアップ」に関する回答です。
 ざっくりまとめると、時短勤務希望の女性コンサルの方が、時短勤務を希望しないフルタイム型の女性コンサルよりも、今後のキャリアアップを望む人の割合が大きく上回る結果だったということです。フルタイム型の女性コンサルが現状維持の項目を選択した割合が60%、今後のキャリアアップを希望する項目への回答が40%だったのに対して、時短勤務希望の女性コンサルは、現状維持が約40%、キャリアアップを希望する項目が約60%と全く逆の結果になりました。時短勤務希望の女性コンサルの半分以上が、将来プロジェクトマネージャーや会社幹部への昇進を希望しているということになりますね。
正直なところ、私としては時短勤務者には「時短で働きながら現在の仕事を長く続けたい」と考えている人たちが多いのではないかという先入観を持っていました。想定と異なる結果ですが、大変興味深い結果だと感じています。
 この結果をみてから再度思い返してみると、私にもこの結果に繋がる心当たりがあることに気づきました。
私は、人事専門のITコンサル会社である株式会社オデッセイ以外に、株式会社ライフ&ワークスという会社も経営しています。この会社は、働く時間に制約がある人のためのITコンサル会社として設立したこともあり、人事制度並びに諸制度も時間に制約がある人が働きやすい内容になっています。そんなこともあって、ライフ&ワークス社で働いているコンサルタントたちは、ほとんどが子育て中のママさんやパパさんで、時短勤務+テレワーク+中抜けOKのフレックスで働いています
日頃ライフ&ワークス社のコンサルタントたちと会話をしていて感じるのが、仕事に対する並々ならぬモチベーションです。彼女ら、彼らは、「子育てが大変なので」という「働けない理由」が明確にあるにもかかわらず、自ら時間を作って支障なくコンサルタント業務を担当しています。更にはコンサル業務と子育ての両立だけに留まらず、近い将来プロジェクトマネージャー等の管理職としても活躍して、更に上を目指したいとの希望を持っている女性コンサルも少なくありません。
身近にいる子育て中のコンサルタント達からも、今回の調査結果と同様のキャリアアップ志向を日々感じていたことになりますね。
 

時短勤務者のキャリアアップ志向は60%

 
4.専門家の意見も聞いてみた(by Chat-GPT)
 Chat⁻GPTに今回の全調査結果(実数)を読ませて専門家レベル?の回答を作成してもらいました。調査結果(生データ)以外、ヒントになる情報は一切インプットしていない状態での回答です。なかなか的確な指摘ですね。
※太字には私が変更しています。
<質問>
 この調査結果で最も特徴的と考えられることは何ですか?その理由も具体的に記述してください。人事の専門家の観点で作成してください。
<回答>
この調査結果で特に特徴的な点は、女性コンサルタントが働く上で求める柔軟性の高さと、それを叶える企業の体制の不足です。現代の労働市場では、ワークライフバランスの重視が高まっていますが、特に女性コンサルタントの場合、そのニーズはより顕著です。彼女たちは、リモートワーク、フレキシブルタイム、パートタイム勤務など、多様な働き方を望んでいます。しかし、これらを広範囲に提供する企業はまだ少ない。このギャップは、人材を引きつけ、維持するために企業が直面する大きな課題を示しています。企業は、より柔軟な勤務体制を導入し、多様なキャリアパスを支援することで、女性コンサルタントのポテンシャルを最大限に引き出し、企業の成長とイノベーションを促進することが可能になります。
 
<質問>
この結果から社会、企業は何をすべきか具体的に記述してください。専門家の観点で作成ください。
<回答>
アンケート結果から導かれる社会および企業に対する提言は以下の通りです。
①柔軟な勤務体制の導入
企業は、女性コンサルタントがプライベートと仕事を両立できるよう、柔軟な勤務時間、リモートワークオプション、パートタイム勤務などを積極的に提供するべきです。
 
②キャリア支援プログラムの充実
女性がキャリアアップを目指せるように、メンタリングプログラム、スキルアップ研修、リーダーシップトレーニングなどの支援プログラムを強化する必要があります。
 
③多様性と包括性の推進
企業文化を多様性と包括性が根付くものに変革し、女性コンサルタントが職場で活躍しやすい環境を整えるべきです。
 
④地域格差の解消
地方に住む女性にもチャンスが平等に与えられるよう、リモートワークの普及や地方創生に関連したプロジェクトに投資することで、地域間の格差を縮小する必要があります。
 
⑤労働市場の柔軟化
社会全体として、非伝統的な勤務形態を認め、支援する法律や政策を整備し、新しい働き方を促進する必要があります。
 
これらの措置は、女性コンサルタントが直面する課題を克服し、彼女たちのキャリアと生活の質を向上させるために不可欠です。企業や社会がこれらの提言を実行に移すことで、より多くの女性が職場で成功し、満足することができるようになります。
 
5.まとめ
  今回の調査結果に基づいて、思いつくままに述べさせていただきました。一言で言えば、「日本企業、働き方の多様化の実態はまだまだ発展途上」といったところでしょうか?
 この調査結果から今後の取り組みとして考えなければならないところは、Chat-GPTの指摘にもあるように、企業は多様な働き方ができる制度の整備やフルタイム以外の勤務者も対象にしたキャリアアッププログラムの多様化等になると思いますし、社会としては、新しい働き方の浸透を後押しするような法の整備等ではないかと思っています。
 社会も企業も地域の垣根も外した新しい働き方を積極的に導入して、質/量ともに不足している労働力を補い、企業並びに日本の力を伸ばしていく必要がありそうですね。
 昨今注目を集めている「人的資本経営」や「ESG」において、人材/働き方の多様化や人材への投資が重視されているのも、企業が持続的に発展していくうえでは必要不可欠な要素だからということなのでしょう。
 先日、日本のGNPが世界4位に後退したとの報道がありました。なんでもドイツに抜かれるのは56年ぶりとのことです。元々人口が多い訳ではない日本。少ない労働力を効率的に活用して経済を伸ばしていく必要がありますね。

最後までお読みいただき有難うございました。

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