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筋肉少女帯「仏陀L」

1988年発売。それまでインディーズのナゴムレコードで活動していた筋少が本作を持ってレコード会社であるトイズファクトリーからメジャーデビューを飾った1枚目のアルバム。プロデュースは今野多久郎。この時点での結成時オリジナルメンバーはボーカルの大槻ケンヂとベース(かなり初期の頃はキーボード)の内田雄一郎のみで後のメンバーは途中加入となる。
サウンドや曲の雰囲気も直前までインディーズで活動していた事もあり、まだナゴム時代の名残がある。
元々は筋少の代表曲の1つ「高木ブー伝説」も収録予定だったが、取りやめになった。
ジャケットは変な男(大槻ケンヂ)と厳つい男(おそらく三柴理)の周りを笑顔のおばあちゃん達で囲むというちょっと可笑しくて微笑ましい図で、YMOのアルバム「増殖」のジャケットのパロディらしい。
ギターの関口博史とドラムのみのすけは本作を最後にバンドを脱退する。

メンバー
大槻ケンヂ・・・ボーカル
内田雄一郎・・・ベース、コーラス
三柴江戸蔵・・・ピアノ、シンセサイザー、オルガン、コーラス
美濃介・・・ドラム、コーラス
関口博史・・・ギター、トーク

収録曲

モーレツア太郎
作詞 大槻ケンヂ
作曲 大槻ケンヂ、三柴江戸蔵
美しいピアノのイントロから始まるハードロック調の曲。歌詞は音楽でカリスマにのし上がったアーティストをディスってるような内容(もしくは自虐?)。
タイトルは赤塚不二夫の漫画でアニメ化もされていた「もーれつア太郎」からだが、特にアニメ主題歌のカバーというわけでなく、歌詞の内容もおそらく漫画と関係はかなり薄いと思われる。
2007年のアルバム「新人」にはセルフカバーが収録されている。

釈迦
作詞 大槻ケンヂ
作曲 大槻ケンヂ、内田雄一郎
筋少代表曲の1つで、インディーズ時代からあった曲「釈迦~とろろの脳髄」のリメイク。歌詞は釈迦に恋した女性の片思いのような歌詞。なぜか釈迦に対して妙に上から目線なのが気にかかるがw。サビの「ドロロのノウズイ」はなかなか思いつかない凄いフレーズだ。
特に好きなのがイントロ部分と、間奏の見せつけるように魅力的な演奏から一瞬演奏がストップしてオーケンの「釈迦はいい人だったから」からラストまでの流れが堪らなく好き。
1992年発売のベストアルバム「筋少の大車輪」では「大釈迦」という題で当時のメンバーとこのアルバム発売後に脱退したメンバーとのコラボとしてセルフカバーされ、2013年発売のセルフカバーアルバム「4半世紀」による新録カバーが収録されている。
ライブでも最後のトリとして頻繁に演奏される事が多い。

福耳の子供
作詞 大槻ケンヂ
作曲 内田雄一郎
サウンドは前2曲に比べるとハード感は落ち着いた青春的なバンドサウンド。歌詞は福耳をした少しヤンデレ気質な子供がお姉さんと遊びたがる内容。最後の子供の語りがちょっと可愛らしい。
後にベストアルバム「大公式2」にてセルフカバーバージョンが収録されている。

オレンヂ・エビス
作詞 大槻ケンヂ、鈴木直人
作曲 鈴木直人
イントロのドラマチックな伴奏から始まるパンク的なノリの曲。インディーズ時代からある曲だが、元のタイトルは「オレンヂペニス」(流石にこのタイトルでメジャーは無理だw)で歌詞もだいぶ変わっている。昔のプロレスラーの名前が登場する曲で、このアルバムの曲の中で唯一オーケンと連名の作詞となっている鈴木直人という人物は音楽プロデューサーで、インディーズ時代の筋少の曲の作詞と作曲をよく手掛けていた人物でなんと浜崎あゆみの曲のアレンジも手掛けていた事もあった。

孤島の鬼
作詞 大槻ケンヂ
作曲 内田雄一郎
イントロの不気味な太鼓のようなリズムから始まるドラマチックで和風テイストなサウンドに昔話ような歌詞が特徴的の曲。この曲のサビの内田の「よいしょー、よいしょ、よいしょー」がなんか好き。
こちらもインディーズ時代からある曲で元のタイトルは「から笑う孤島の鬼」。更に遡ると、元々はオーケンと内田とケラによるバンド、空手バカボンの曲であった。現在もライブでよく歌われている。
個人的にはインディーズ版の方が好みだったりする。

サンフランシスコ
作詞 大槻ケンヂ
作曲 三柴江戸蔵
ファンファーレから始まる昭和のサーカス的な雰囲気を持つスピーディな曲で筋少の代表曲の1つ。特にこの曲になると三柴のピアノさばきが半端じゃない。歌詞はサーカスを見に行くカップル未満の男女の男の心境を歌っていると思われる。
1998年発売の「SAN FRABCUSCO」、2023年発売の「一瞬!」の両ベストアルバムに新録セルフカバーが収録されている。98年版の方はピアノソロがギターソロに差し替わっており、23年版は終盤のピアノソロとギターソロ両方の掛け合いが成されておりライブでもその様を拝む事ができる。
個人的にこのアルバムの中で一番好きな曲でイントロでもうテンションが上がる。

イタコLOVE~ブルーハート~
作詞・作曲 大槻ケンヂ
いかにもって感じの筋少流ラブソング。イタコ自身に対するラブソングではなく、イタコに死んだ彼女を憑依をさせてそのまま愛する彼女の心を持ったままのイタコと一緒に暮らそうとする男の歌。
間奏のやりとりを聴くにイタコ相当ババアっぽいけどいいのか男よ。

ノーマン・ベイツ
作詞・作曲 大槻ケンヂ
インディー時代からある曲。タイトルはロバート・ブロックの小説「サイコ」シリーズの主人公の名前らしい。歌詞は彼女と別れるような失恋ソング的な感じだが、このノーマン・ベイツという人物はスラッシャーらしいので女の方もまぁただでは済まないのだろうな。
サビの「生きてくだけろ」だが「生きて砕けろ」という意味にも聞こえる。
2006年発売の「筋肉少女帯ナゴムコレクション」にはデモ版が、2009年発売のアルバム「新人」にセルフカバーが収録されている。

ペテン師、新月の夜に死す!
作詞 大槻ケンヂ
作曲 三柴江戸蔵、内田雄一郎
7分42秒にも及ぶ長い曲。唯一内田と三柴の共同作曲。タイトル通りとあるペテン師の最期を歌った曲で非常に詩的な歌詞と語りが特徴の筋少らしい曲。
最後曲が終わった後にオーケンが「えーまぁそういうことで、さよならー」と一言言って最後の伴奏が流れてアルバムが終了する。もしかするとペテン師の最期の言葉とも捉えられる・・・?

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