インターネット退屈日記

インターネット上に落ちている面白そうな話をたまに記事にしています。京都の人文学系の大学…

インターネット退屈日記

インターネット上に落ちている面白そうな話をたまに記事にしています。京都の人文学系の大学院生。X(旧Twitter):https://twitter.com/nyanchq

最近の記事

学生のあいだで「批評」が人気な理由を聞いてみた(ペシミ×キュアロ対談)

※本記事は、マガジン「変なサークル学会 調査報」の四本目として寄稿した記事である。 若者の「批評」離れが叫ばれて久しい。ライター稲田豊史は「若者たちが評論をあまり読まない」(注1)と指摘し、批評家・東浩紀は「言論人や批評家にかつての存在感はない」(注2)とまで言い切っている。 しかし、そのような時代にあっても、批評をする大学生たちがいる。いや、むしろ盛り上がっているようにさえみえるのだ。というのも、ここ数年で驚くほど多くの評論系の雑誌制作サークルが爆誕しているからだ。どの

    • 2022年に書いた記事一覧

      2022年も残りわずかですね。と、いうわけで、今年書いた記事をまとめます。基本的には学生文化についての記事が多いですが、ときどき分析哲学関係の記事もあります。 ①変なサークル学会関係 Z世代の大学生が大量に変なサークルを作っているので、その原因を調べてみた|おでん屋|note [学内に畜舎!?]10年代伝説のアングラサークルに迫る|おでん屋|note まずは「変なサークル学会」の記事が2つです。「変なサークル学会」は、各大学にある特徴的な大学サークルについて研究する団

      • 『青春ヘラvol.3』日本最速レビュー

        大阪大学感傷マゾ研究会発行『青春ヘラvol.3』が、2022/05/29に開催された「第34回文学フリマ東京」にて発行された。 そこで本noteで簡単なレビューを行うこととする。ただし筆者は批評・文学の方面に非常に疎く、ほとんど素人の感想に過ぎないことをはじめに述べておく。 さて、本書は『青春ヘラ』という題名の通り、「青春」を送れなかったことに対する悔恨や落ち込み(=ヘラる)が、会誌の大きなキーワードとなっている。が、当事者がそうした悔しさや落ち込みを直接的に述べる論考は

        • [学内に畜舎!?]10年代伝説のアングラサークルに迫る

          ※本記事は、マガジン「変なサークル学会 調査報」の三本目として寄稿した記事である。 筆者は前回の記事で、2010年代後半のSNS上で大量の学生サークルが生まれた様子をレポートした。そして、そうしたサークルをその性質から「インフルエンサーサークル」と名付けた。 大変ありがたいことに多くの反響があり(当社比)、中にはサポート金を送ってくれる方もいた。 さて、今回は前回提示した概念である「インフルエンサーサークル」の実例を取り上げる。このインタビューを通して、あのサークルブー

        学生のあいだで「批評」が人気な理由を聞いてみた(ペシミ×キュアロ対談)

          Z世代の大学生が大量に変なサークルを作っているので、その原因を調べてみた

          世の中には記録に残りやすい歴史と、残りにくい歴史がある。だとすると、これから述べることは明らかに後者であろう。だからこそ、私たちはそれを記録しなければならないのだ。これから記述することは、日の目を見ない、しかし多くの人が関わった「マイナーサークル」の歴史である。 2010年代に大学生活を過ごした人は知っているだろうが、2010年代のTwitter上で大量の「変なサークル」が誕生した。例えば、以下のようなサークルである。 これだけ見れば、ただ学生の悪ノリにしか見えないだろう

          Z世代の大学生が大量に変なサークルを作っているので、その原因を調べてみた

          メンヘラ女と付き合えるのはメサコンくそ男だけなのか

          「メンヘラ女と付き合えるのはメサコンくそ男だけ」という趣旨のツイートを見かけた。しかし、これが正しいとすると、メンヘラをケアする男性全員がある種否定されてしまうことになる。果たしてこの「メサコン」という言葉を、このような否定的・嘲笑的に使ってもいいのだろうか? そこで、今回は「メサコン」という言葉を点検する。とりあえずメサコンをwikipediaで検索する。 メサイアコンプレックス(英: Messiah complex)とは、キリストコンプレックスまたはメシアコンプレック

          メンヘラ女と付き合えるのはメサコンくそ男だけなのか