音楽よもやま話-第1回 フィロソフィーのダンス- 踊るしかないミュージック
はじめに
この「音楽よもやま話」、単に好きな音楽やアーティストについて自らの想いや思い出を記すだけのコーナーである。というかもう、よもやま話=雑談かもしらん。音楽的なことはよくわからん。でも、好きなんだってことが伝わればいいな。限界オタクの気持ちの悪い戯言に聞こえませんよう…
フィロソフィーのダンス
修士論文執筆で精神をすり減らし、平成という時代の切れ端でぷすぷす燻り続けていた今年の一月、先輩のツイートをきっかけにフィロソフィーのダンスに出会った。
"さよならを好きだって言えるうちに 次の時代行きましょう わたしが覚えておくから、今を" - ヒューリスティック・シティ -
脳をバットでフルスイングされたような衝撃だった。あれよあれよと、いつの間にか過ぎていってしまう平成という時代に、どう見切りをつけたらいいのか、どうさよならしたらいいのか迷っていた時期にこれはズルい。おかげさまで、少し切ないけれど、割り合いポジティブな気持ちでさよならできたんじゃないかな。
で、そもそも、こんなシャレオツ全開の歌を歌っているのがアイドルときたもんだからそのままズブズブ沼にハマってしまった。だって、こんないい歌を背伸びせず歌えるアイドルなんて最強に決まってるじゃない?
ベスト・フォー
ほんでもって、この最強のメンバーは4人。4人それぞれが個性豊かなディーバである。完璧なバランスを保ちながら、たくさんの感情の揺れをかましてくれる。その揺れは、そのまま身体を揺らしていく。イカしたメンバーを紹介するぜ!
青、リーダーの奥津マリリ。マリチチ。はすの脚探検隊隊長。ほくろがチャームポイントで、鼻にかかった舌足らずな喋り方をする。イッチ番かわいい。天真爛漫が服を着て歩いてるみたい(本人は露出したい女だとかなんとか言ってた気がするけど(笑))。シルクのような、脳がとろけてしまうような声で、ララバイしてくれる。一緒にビール飲んで恋愛相談なんかしてみたい。
好きなダンスは「ダンス・ファウンダー」のイントロの部分。腰を振りながら、腕を交互に振る。なにかが始まる、あのワクワク感。
好きな歌の箇所は、「夏のクオリア」ラスサビ。
"青すぎる空には写せないような"
なんて情景描写の秀逸な歌声なんだと、いつも思う。その水彩絵の具で描かれたような柔らかなタッチの歌声には、独特の深みや奥行きがあって、細胞レベルにまで浸透する。「パレーシア」とか聞いてみるといい。たぶん気づいたら鼻から脳汁出てるよ。とりあえずティッシュやるから、さ、ほら踊ろう。
ピンク、スーパーミラクルアイドルの佐藤まりあ。あんぬちゃん。バキバキに割れた腹筋。ということは多分とてつもない努力家。お姫様。気遣いに溢れた天使である。最強にかわいい。冠番組「フィロのス亭」の天の声・春風亭昇々兄さんじゃないけど、そりゃデレデレもしちゃう。コーラスがうまくて、他の3人のどの声にも馴染む。包容力。
好きなダンスは「イッツ・マイ・ターン」の2番Bメロ
”新しいダンスそのものだってこと”
で、くるりとターンして僕らを指さす。「あなたはどうなの?」
この人はすごい。世界を回してしまえるんだ。地球儀を回すようには、僕らには簡単にはできないけれど、もしかしたら出来るかもなんて思ってしまう。
好きな歌割は、「ドグマティック・ドラマティック」のサビ前
だけどエビデンスをとっているだけじゃ たりないのは知っているから
このエビデンスの"e母音"の発音ですよ。そこの奥さん。
他3人の凄まじく圧倒的な個性がてんでばらばらに崩壊しないのは、ひとえに、彼女の存在があるからに他ならないと思う。フォースに安寧をもたらす者。バランサー。
赤、ゴリゴリのゴリ担当、日向ハル。ハルちゃん。144cmの小柄な身体から放たれるパワフルでソウルフルな歌声。宇宙一かわいい。うんこ!とか普段言ってるけど。一緒にハイボール飲みながらカラオケしたい。
好きな歌割はたくさんあるんだけど。「ベスト・フォー」
"今日の偶然でも 明日の必然にね 変えたらきっと まだやれる"
彼女の歌声はひと言で表現するなら「説得力」だ。それも圧倒的なやつだ。曲の世界観を一手に引き受けて、盛大に、爆発的に解き放たれる瞬間が多々あって、この歌なんかもそうだ。論理や哲学や難しいことやなんやかんやを飛び越えて脳髄を震わす。「アイドル・フィロソフィー」のCメロでも最新曲「シスター」のアウトロのフェイクでもわかる。聞いてくれ。
好きなダンスは、またしてもであるが、「イッツ・マイ・ターン」
"踊る人生と、踊らない聖人じゃ"
この「、」のとこで両手でグッと世界を繋ぎとめるようなポーズが狂おしいほど好き。あと、ダンスじゃないけど、ライブで来日洋楽ブラックミュージシャンみたいな煽り方してくれるの好き。「ミンナ、オドッテル?」
黄、インドアアイドル(これだけ外仕事もこなしててもはやインドアとは?という感じだけど)、十束おとは。おとはす。おめめパッチリ。美脚。電波アニメボイス。でも低い声が滅茶苦茶かっこいいこと僕は知っている。MCが上手くて、自らもオタク。人類史上たぶん一番かわいいし、マーベル好きだし、たぶん親友になれる。
好きな歌割は、「ダンス・ファウンダー」の2番Bメロ
"今さらもういいよ 世界のボーダー!"
凝り固まった昨今のアイドル像を塗り替えていくフィロのスに相応しいフレーズである。ほんとに今更どうだっていいのだ。踊る場所なんて。
その一方で、最新曲「シスター」のここも好き。
"昨日のかわいい子だれ? あぁそうなの 契約なんかないし もう仕方ないことね"
「あぁ、そうなの」って、そんな"表面上はなんでもないと見せかけて、心の中では哀しみにくれてる"系の表現もできるなんて、しゅごい(語彙力)
彼女の歌声は「発信力」だ。電波ボイスだからじゃないが、どんな雑踏の中でも飛んでいきそうな気がしてくる。フィロのスの強みの一つ、とりわけ日向ハルのようなパワフルソウルフルボイスと十束おとはの電波ボイスが共存できる、このふり幅、寛容さ。なんかもうなんに対してなのか分からんが、感謝感激雨嵐である。でも、最新曲「シスター」とか「フリー・ユア・フェスタ」とか聞いていると、おとはす自身の表現力に、ふり幅がそもそも備わっている気がする。ライブパフォーマンス然り。「アルゴリズムの海」の憑依してる感じ好き。そう、これもだ。彼女の憑依力ってすごいの。オタクとして豊富で良質なコンテンツにたくさん影響を受けて生きているからなのかもしれない。
新しいダンス
僕らが奇妙キテレツで下手くそなステップを踏んでいても、彼女たちはきっと「まちがってないよ」と肯定してくれることだろう。でも、「あなたもっといけるでしょ?」とは煽ってはくれるかもしれないけどね。
彼女らは、僕らの少し先を歩き、弾けるポップコーンみたいに歌い、踊る。それが、この間違いだらけの街における、ヒューリスティックな答えなのだ。彼女らが歌うように、ここに間違ったステップなんかないのだ。なんという肯定力!そんじょそこらの自己啓発本なんかよりも絶対君のためになる。
四人四様の個性豊かな歌唱力、ライブ、オシャレな音楽、コミカルで親しみやすいダンス、フォーメーション。ふいに忘れがちだけど、そういえば彼女たちはアイドルなのだ。アイドルの上位互換にアーティストとかいうカテゴリーがあるわけではなく、常にアーティスト性を内包して進化していく。孫悟空風に言えば、アイドルを超えたアイドル...、スーパーアイドルってとこかな(もうなにを言っているんだろう?(笑))。
とにかく、だ。彼女たちは多幸感を身にまとって、キラキラ輝いているので、僕らはドキドキする。その心臓の鼓動のビートで踊れるくらい。
シスター
はい。僕の2019年最強ソングは決まりました。驚くほどのリピート。心地よい毒。中毒症状発症。やめられないのは、かっぱえびせんだけじゃねぇぜ大賞受賞。
まずマリリから始まる脳トロボイス。あんちゃんのユニゾンを経て、ブラス隊のリフ。教会的なエレピのコード進行の上にノるマリリのメロ(きもーちいいー♪)、ベースのグルーブを受けて際立つハルちゃんメロ。珍しい全員でのサビ。2番のあんぬ、おとはすのボーカルワークも秀逸だ。Cメロのハルちゃんのファルセットが心地いい。歌う時ってフォルティッシモよりもピアニッシモの方が表現が格段に難しい。感情の吐露というのは何も音がデカけりゃいいってもんでもないからだ。この曲でのハルちゃん、そういう感じで静かなる爆発というかなんと申しますか。慟哭ですわ。泣く。
安らぎのマリリを経てからのラスサビ、ハルちゃんのフェイクときたもんだ。サイコーだぜhiF♯。シスター・エス。百合曲だとかなんとか。
こんなに良い歌があってよいのでしょうか???いいんです。もはや1日100シスター。
グラマラス・フォー
魅力を伝えられたのか全然わからない。自分の語彙力を恨む。こんな拙い文章じゃ、1/3も伝えられたか微妙だ。きっといつかまた特集を組ませていただく。
なにはともあれ、フィロソフィーのダンス、絶賛全国ツアー中なのだ。ベスト・フォーは今、グラマラスなお揃いの深紅の衣装に身を包み、全国津々浦々、新しいダンスを提示している。
12/17には新木場スタジオコーストでフルバンドセットでライブしてくれる。今一番楽しみなやつの1つ。スター・ウォーズ完結作とか夏休みとか、クリスマスとかと同じか、もっとずっとそれ以上に。良ければ、一緒に新しいダンスを踊りに行こうぜ。
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