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スーパーレックの”盟友”スアブラックがダウン応酬の激戦制する~ One fight night 18

スアブラック(スーブラック)・トー・プラン49は、1月13日にバンコク、ルンピニースタジアムで行われたOne fight night 18でアイルランドのステファン・コルディと対戦、ダウン応酬の激戦を繰り広げ、判定勝ちを収めた。

 ↓ ↓ スアブラックの前戦と選手紹介はこちら。

One fight night シリーズはOne Championshipがアメリカのゴールデンタイムに合わせて、月に1回、土曜の朝にルンピニースタジアムで開催している大会で、タイで人気を博しているムエタイ中心のFriday Nightシリーズに比べるとMMAの試合が多い。

One fight night 18 については当初はスーパーレック・キアットモー9エリアス・マモウディ(フランス、アルジェリア)のキックボクシング世界フライ級タイトルマッチがメインとして組まれており、チケットなどもスーパーレックの写真が使われていたものの、対戦相手のマモウディが1月初めの段階で怪我の為に出場をキャンセルした。

当初のメイン、スーパーレック対マハモウディ

One Championship側は、このままメインのスーパーレックの代わりの対戦相手を探すものとばかり思われていたが、事態は急展開した。1月28日の日本大会で、武尊と対戦予定だったロッタンが怪我の為に、日本大会出場を取りやめたのだ。One Championshipはスーパーレックをロッタンの代わりに日本に行かせることを決めた。

One fight night 18は、セミのシャミル・ガミノフオー・ホーテックの試合がメインに繰り上がったものの、当初メインのスーパーレックの出場がないと、集客にも影響が出るのは明白で、スーパーレックの穴埋めとして、人気急上昇中のスアブラックの出場を直前に決めた。

One fight night 18の全カード、タイ時間朝8時から開始

スアブラックは12月23日にOne friday night 46 に出場してグレイグ・コークリーにKO勝利を飾ったばかりで、3週間の試合間隔での参戦となった。武尊戦を控えるスーパーレックに付き合い、連日スパーリングを行い、いつでも試合できる状態をキープしていたという。スアブラックは、ペッチャブリー県のカレン族出身ファイターとしても知られ、One 参戦後は4連続KO勝ちで、One Championshipと10万ドルファイターの契約を結んだばかりの27歳のサウスポー。

スーパーレックとスアブラック、ロンポームエタイジム(ムエタイアカデミー)で。スアブラックinstaglam(https://www.instagram.com/natthapoom_back_/)より。
試合会場入りしたスアブラック陣営

スアブラックの対戦相手のステファン・コルディはアイルランド出身の29歳、タイではPKセンチャイジムで練習し、テレビシリーズのMUAY THAI SUPER CHAMPなどで実績を積んで来た。

この日、セミファイナルの直前のMMA、ムエタイの3試合は、いずれもノックアウトで決まり、朝からほぼ満員の会場は盛り上がっていた。そんな雰囲気の中で始まったスアブラック対コルディの3回戦は、初回から、緊張感が漂う。1分20秒過ぎ、コルディの右ミドルをキャッチしたスアブラックが、コルディのボディにパンチを打ち込み、前戦のKOパターンを再現するかと思われたが、パンチは浅い。続けて出した左ヒジがコルディの顎に命中し、コルディは一瞬腰が落ちるピンチ。コルディは何とかしのぐが、サウスポーのスアブラックの首相撲からの右フック、右ヒジがコルディの顔面を襲う。好戦的なコルディはひるまず、好試合となってきたが、1ラウンド終了時に鼻血も見られ、スアブラックのOneでの5連続KOが期待される。

1ラウンドの緊迫した攻防

そして2ラウンド、コルディの右フックがスアブラックの顎に命中し、そのまま直立の姿勢のまま倒れる強烈なダウン。前日のOne Friday Nightでメインイベントに登場したスアキムが一発でKO負けしていたシーンも頭によぎる。レフェリーによってはストップしたかもしれない、強烈なダウン。

コルディの右フック一発で強烈なダウン

しかし、立ち上がったスアブラックはダメージの回復に努めながら、打ち合いに転じて、今度は左ヒジでコルディのヒザをつかせる。逆転となるダウンに会場のボルテージも最高潮となる。右フックで再びダウンを追加し、猛攻を仕掛けるもKOはならず、2ラウンドが終了、3ラウンドは回復したコロディがスアブラックの攻撃を何とかしのいで試合終了。

スアブラックが左ヒジでダウンを取り返す

判定はジャッジ3者ともスアブラックの勝ちを支持。この日一番の盛り上がりを魅せたルンピニースタジアム、スアブラックにとっては、10万ドル選手となって初の試合であったが、見事にその勤めを果たしたと言える。

試合終了後のスアブラック、試合中は「スアブラックコール」も起こった。

しかし、試合後、右の人差し指の骨折が判明し、暫くの離脱となることとなった。これで、One Championship では、5戦5勝(4KO)となったスアブラック。前月のOneのインタビューでは「私はペッチャブリー・カレン族の戦士です。私をフォローしているカレン兄妹がたくさんいます。私は自分自身を成長させ、すべてのカレン族のファイターの模範となるよう自分を高めたいです。私は世界の舞台に立てるカレン族のファイターになります」と語っており、世界の舞台~Oneの世界タイトル挑戦も含めて、復帰後の活躍も期待したいところである。

※ルンピニースタジアム現地での観戦、写真は著者撮影のものとスアブラックのインスタグラム、One ChampionshipのSNSより。photo credit : One championship, instaglam(https://www.instagram.com/natthapoom_back_/)

 ↓ ↓ スアブラック対コルディ戦の動画

 ↓ ↓ カレン族出身ファイター、ソムラッサミーの紹介


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