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安心感か?ナマ感か?...の二択を超えて

万が一を考えて安心のため装備する派が多いけれど、リスクを負ってでも「ナマ感」を求めて装備しない派もいるモノってな~んだ?

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カメラのレンズ先に付けるレンズプロテクターですね。

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何万円~何十万円もするレンズに傷が付くと大変だから、数千円で買えるプロテクターを付けておけばお守りになるんだけど、クリア感を求める人はリスクを負ってでもノーガードで撮る。

絞って撮るかによっても違うかもしれないけれど、そこまでハイエンドな写真を撮っていない私にとっては、違いが分からない。「ナマ感」なんてものは、スラッシュメタル界のダウンピッキングへのこだわりと同じく、アウトプットからは区別のつかない精神論に思える。

実は私、ソフト気味な表現が好きだからブラックミストを装備しっぱなしている。単にレンズを守るだけじゃなく、いろんなフィルターを装備して表現を楽しむのも楽しいよという話。以下、世間一般の説明ではなく、私が頻度高く使う順番となっている。

ブラックミストフィルター

普通、こういう記事を書く時にはフィルターのアリ/ナシ作例を並べて「ほらこんなに違うでしょ」と言うべきなんだけど、わたしにはそこまでの計画性は無いので、それっぽい作例だけ並べている。

ブラックミストにはコントラストを程よく弱める効果があって、逆光の風景を撮るとそこら辺の道端が映画っぽくキマる。

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夜景や点光源は上の写真みたくホワホワする。そういう表現が好みであればマストアイテムであろう。

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私が持っているブラックミストNo.05は、それまであったブラックミストNo.01のソフト効果を弱めた商品となっている。普通の被写体だと隠し味に効く程度なので、プロテクターがわりにブラックミストフィルターを装備している(褒められたことではないかもしれない)。

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より強い効果を求めるならNo.01を選べばよいだろうし、他にもソフト効果のかかり具合によっていろんなバリエーションがある。ソフトフィルターについても後述する。

NDフィルター

いろんなメーカーから出ている、光の量を減らすフィルターである。明るさなんて露出で調整できるのに、なぜわざわざ光の量を減らすのか?...主な用途は光量の多い昼間に、スローシャッター(SSを長く)したい場合などが挙げられる。

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それから、ボケフォトのため開放(F値を小さく)したい場合なんかもあるだろう。

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私が持っているND16は光の量を1/16に減らす。ND16とND2を重ね掛けすると、16×2=32でND32相当の減光っぷりになるという問題が、フォトマスター検定なんかで出題される。こう見えて1級フォトマスター。役立ったことはまだない。

クローズアップフィルター

「ボケさせたければ突っ込め」というボケフォト界の格言がある。撮影距離を短くすれば強くボケるという意味である。ひとつ上の作例に使用したNikkor 55mm F1.2なるオールドレンズは、最短撮影距離が60cm程度までしか寄れない。もっと近づきたければマクロレンズを買いなおすしかないのか。

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そうではなく、今持っているレンズを活かしてマクロ撮影ができる優れものが、クローズアップフィルターである。私が持っているNikon Close-up.c No.2は、中古で700円くらいだった。Close-upについて2+3=5みたく足し算っぽい。

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細かいところまで見れば、マクロレンズには劣るかもしれないけれど、SNS用途くらいであれば遜色はないので安い買い物だと思う。風景とボケフォトを両方撮りたい人なんかも、簡単に使い分けられてよい。

サーキュラーPLフィルター

水面の反射を抑えたい時、ガラスの映り込みを無くしたい時なんかに活躍するのがサーキュラーPLフィルターである。

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太陽光がカメラの真横から刺すような角度で構えれば、被写体の表現の乱反射をおさえるので鮮やかに魅せる効果もある。

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フィルターの先っちょをクルクル回して、どの角度の偏光を抑えるのか調節してから撮る。効きが良いときは減光するので、露出を明るめに設定する必要はある。

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経年劣化するという話もあるので、効きが悪くなれば買い替え時かもしれない。

クロスフィルター

年間を通して12月だけ活躍するのがクロスフィルター。点光源をキュピーンさせることに特化したフィルターで、イルミネーションを撮るとロマンチックになる。使用頻度においては、忘年会の一発芸の時だけ引っ張り出す飛び道具みたいなもの。

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流石に他に用途が無いのは勿体ないので、昼間に普段使いしてみるとソフトフィルターとしても役立ちそうだった。ソフトフィルター欲しさにわざわざクロスフィルターを選ぶ人はいないだろうけど、TIPSとして作例の共有まで。

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キュピーンの本数が4本(クロススクリーン)、6本(スノークロス)、8本(サニークロス)などのバリエーションがあって、いずれも先端を回すことでキュピーンの角度が調節できる。

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ワゴンセール500円で叩き売られていた、フィルムカメラ用のサニークロスフィルターを買った。そこまで画質がシビアでない飛び道具ならば、フィルム用で事足りると思う。逆に、C-PLやNDなどは最新のものを買い求める方が銭失いにならないだろう。

ソフトフィルター

他にもDUTOなんかも持っているけれど、あんまり使わないし、もはやどの作例がどのフィルターか分からなくなったので割愛。

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Kenkoのサイトに各種ソフトフィルターが紹介されているので、気になる方はチェックするとよいだろう。それ言っちゃうとこの記事の意味が無い。

「ソフトフィルターなんて使わなくても、RAW現像時に明瞭度を下げたらソフトになるじゃん?」という疑問もある。これに対して、フォトレシピサイトfotomotiで検証投稿があった。現像で誤魔化しても表面のテクスチャーが失われるので、芯の通ったやわらかさを求めるならソフトフィルターを使う意味があるという話。トイさん、尊敬してます!

楽しいフィルターライフを!

「レンズ沼」という言葉があるけれど、レンズと比べればフィルターなんて1~2桁くらい安いので、「フィルター沼」の方がマシかもしれない。

私が持っているレンズは単焦点×4本+ズームレンズ×2本だけである。祖父から形見として受け継いだオールドレンズを使うところから出発しているため、無尽蔵にレンズを買ったりはしない。そんな縛りがある中でも、いろんなフィルターを装備することで表現の幅が広がった気がしている。

とは言え、レンズの口径ごとにフィルターを買いそろえると、そこそこの出費にはなる。だから、頻度高く使うものは口径ごと個別に買うとしても、たまにしか使わないものは口径を限定したり、大きい口径に合わせてフィルターを入手して大→小へサイズ変換するような手もある。楽しいフィルターライフを!



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