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いつか行く道

体操に通っている。
私ではなく、八十路を越えた母が。
本人は体よく「体操」なんて言ってるけど、通所式機能回復リハビリ施設で、最近増えつつあるデイサービスのひとつ。
ま、呼び名なんて何でもいい。
外出の目的が一つでもできれば。

介護サービスを使おうと言い出したのは、私。
確か一昨年ぐらい。
言い出したころは、まだまだ元気で、どちらかというと、介護保険料を払ってるんだから、使えるモノがなにかあるなら、使わせてもらおうよって。

そだね~
じゃぁ調べてみる

なんて呑気な会話していたら数か月後に、体調を崩して二度の入院。
これで、ダダっと話が進んだ。

介護サービスを利用するのに、必要なのがケアマネージャー。
母の介護サービスに関する一切をあれこれ手配したり、教えてくれたりする人。
どうやら母を担当してくれている方は、「当たり」だったらしい。(通所リハビリの看護師さん談)


介護認定の調査中に
「ご希望の方はいらっしゃいますか?」
と、包括センターの方にまず聞かれた。
ご希望とな?ケアマネは指名制なのか?写真がズラーっと並んだ中から「この子」なんて選べるのか??

どうやら、知り合いにケアマネが居るのなら、指名することも可能なんだそうな。
担当する人が増えれば給料アップとかあるのかな?なんかそんな感じ。
もちろん、そんな知り合いが居たら、最初からその人に相談してるし…と思いつつ、センターに適当に見繕ってください的なお願いをした。

したらば、候補にあがったケアマネさんが、極々近所に住んでいるので、こちらが気にするんじゃないかと、「本当にワタクシでよろしいでしょうか」と仰ってると、連絡がきた。

介護サービスって地域密着だよね?じゃ、ずっとおんなじ所に住んでたら、そんな可能性なんて山ほどある。
実際に気にする人がいて、それで後々担当変更なんてことがあったのかもしれない。だから、前もって確認してくるのかもしれない。

お世話になるのは、母ですから。

と、返答。
ケアマネさんは、いつでも変更可ってことだし、お仕事をきっちりやって下さる方なら、過去の行きずりの相手であろうが関係ない。

で、このケアマネさん、たぶんではなく、絶対子供の同級生のお母さん。顔合わせをして確信。
あちらはたぶん、娘の私の苗字でピンときた模様。
が、そこはプロ。介護に関係のない話は一切して来ないし、問題もなく2年程お世話になっている。


ところで、このケアマネさん。時々天然が炸裂するオモシロな人であることが徐々に判明してきた。
予定や利用サービスなどを記入したシートを1ヶ月毎に持参してきて、変更点の有無を確認したりするんだけど、その際にこのシートを忘れてくること数回。笑
さらに、それを閉じるバインダーをお持ちしますと言いつつ、半年の間忘れる。お誕生日おめでとうございますのプレゼントとして、ケアマネさん達の手作りマスクを持参するのを忘れたまま。笑
その度に、重そうな鞄をガサゴソと汗をかきながら探してるんだけど、どこからも出てこず「すいません、忘れちゃったみたいです。次回必ずお待ちします。」とヘコヘコ。
まぁ、可愛げで十分済まされる。笑

ただ、仕事にはかなり前のめりで、介護サービスを新しく利用するとなった途端、あれこれ調べてくれたうえに事業者や業者を呼ぶのに、結構直近で予定を押し込んでる模様。
必ず立ち会って、まるで自分が利用するかのように、細かい疑問や質問を相手にぶつけてはメモしているし、利用開始が月末からになりそうだと踏むと、料金発生日の直談判までしてる。結構シビア。笑

きっと、これもケアマネさんの経験値になっていくんだろうなと。
同じような利用者さんが出てきたら、この経験を活かしてもっとスムーズに説明出来たり、事が運べたりするようになるんだろうと思いつつ、この際お勉強してくださいのノリで横で眺めている。

と、これが当たり前でもないらしいことが最近判明。
母の体操教室のお仲間は、当然皆さんケアマネさんが付いている。
が、何もしてくれないという文句をよく聞くらしい。
ほぉほぉ・・・。
対人間だから、相性もあるだろうし、ある程度は仕方ない。合わないと思えば、チェンジしてもらえば良いのに…と思うけど、どうやらそういう考えには及ばず、影で文句を言うらしい。(ヤダネェ)

「私はいつも良くしてもらってますよ」
と、母はにこやかに、体操仲間にマウントを取ってるらしいのだが。笑



してくれない。

不満を言い出せばきりがない。あちらはお仕事。お仕事の範疇ってもんもあるし、介護度っていう線引きもある。
そこらあたりの感覚が、サービスを受けているお婆ちゃん側には、少し薄いのかもしれないと思ってみたり。
お金払ってるんだから当たり前…的な?
まぁ、我が家も元を正せば、そこが発端だったので、あまり偉そうにはいえないけど。

今のところ、月一の報告や連絡などを一対一で母にしてくれた後に、こそっとラインで私にも報告してきてくれたり、今回の予防接種の件でも、情報を閲覧できるページを連絡してきてくれたりする。
何より、母にきちんと一個人として接してくれているところが一番有難いと思ってる。(年寄なんかに話しても無駄だと、付き添い側に顔を向けて話しかけてくる人とか普通に居ますから。まずは、本人にお願いしたい。こりゃ理解不能だなと判断したら、こちらから口を挟むんで…)


実質的な介護は、ほぼない我が家だけど、他人さんに入って貰うっていうのは、すごく大事だと思う。

情報収集はもちろん、こちらの精神安定のためには。


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