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一重八重ひとえやえ
散り初めの一重にかける思いほど持てぬのはなぜ 八重の花咲く

花筏
さらばえた姿を二度も晒されぬようにと水に衣流して


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近くの八重桜が咲き始めた。赤茶や緑の葉を従えて開く八重桜は、一重の桜よりはどこかおっとりと落ち着いてみえる。暖かさを確認してから開く余裕なのか。

たくさん種類のある桜。早咲きの河津桜などがまず騒がれて、それから染井吉野。八重桜に関してはそこまで取り沙汰されない。
ま、一重や八重と言ってもそれぞれにものすごく種類はあるんだけども…



"花○○"の"花"は、桜をさすことが多い。

土手の花が散って川面に花弁が敷き詰められてゆっくり流れてゆく様は"花筏"(たぶん)

盛りといわれる時期を過ぎた姿を映したくないのは、桜もヒトもきっと同じなんじゃないだろうか。

化粧もしない今、アタシなどは日に一度髪を梳く一瞬ぐらいしか鏡を覗かない。笑



……

としをへてはなのかがみとなるみづはちりかかるをやくもるといふらむ (伊勢)


水鏡と花でぼんやり思い出した歌を調べたら、伊勢のだった。で、ここに出てくる花は梅だった。記憶もかなり曇ってきた。ヤバい!


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