狛江|広洋舎|狛江とともにある
こんにちは。CONOMACHI STORIES編集部です。
定期的に小田急沿線の「この街」スポットを紹介していくレポート。
今回は狛江市で母娘の二人三脚で営むカフェ&ギャラリー「広洋舎」さんへおじゃまして、店主の広瀬さんがカフェを始めた経緯や狛江の方々とのつながりについてお伺いいたしました。
狛江ととともあるカフェ&ギャラリー
広洋舎。
鮮やかなブルーのテント看板をみて、はじめにクリーニング屋さんが思い浮かびました。
「祖父母の代からクリーニング屋をやっていて、名前だけ引き継いだんです。時々、クリーニング屋に間違われることはあります」
そうにこやかにお話しされるのは、店主の広瀬良枝さん。
長年、保険の営業のお仕事をされていたそうですが、昔から自分でカフェを開きたいと思い続けてきたといいます。
2018年12月10日。願い叶って、娘の摩紀さんとともに、ギャラリー併設のカフェをオープンされました。
▷オープン2ヵ月前に退職し、休む間もなく開店準備へ
定年を迎えても営業のお仕事をされていた良枝さんですが、そろそろカフェを始めようと決意し、お仕事の合間に物件探しを始めたそうです。
(良枝さん)
営業の仕事は時間の都合がつきやすいので、合間に物件探しをしてました。最初は好きな街の一つである豪徳寺で探していたんですけど、なかなか条件が合わなくて。他にもいろんな物件を見ながら、狛江市のこの物件にたどり着いたんです。
入居は2018年の5月で、早くオープンさせたいという思いはあったそうですが、良枝さんのお仕事の都合で退職が10月に。しかし、その後は休む間もなくすぐに動き出しました。
(摩紀さん)
家賃が発生しているので早く始めたかったのですが、母の退職を待つ必要がありました。母が退職すると休む間もなく開店準備に取りかかって、2ヵ月でオープンしたんです。オープンまでは、母と一緒にいろんなカフェを参考にしながら、どんなお店にしたいかを二人で話し合って決めていった感じです。
良枝さんご自身も狛江市に45年ほど住んでおり、住みやすさはよく知っている。しかし、お店の場所が駅から徒歩13分ほどの場所で、駅から遠いと人通りも少なくなるため、お客さんに来てもらえるか不安もあったそう。
(良枝さん)
駅から近い方がたくさんのお客さんに来てもらえるかなと思っていたのですが、ここは住宅地なので近所の方がよく来てくれるんです。最初の頃は、チラシを配ったり、ポスティングしたり、近所にご挨拶回りに行ったりしましたね。ホームタウンでもあるし、ここにして本当によかったと思ってます。
▷多種多様なイベントが楽しめるギャラリー
お伺いした時期は水彩画の作品がたくさん展示されていて、一つ一つ拝見して楽しませていただきました。ギャラリーを併設したワケとは?
(良枝さん)
私には娘の他に息子もいるのですが、二人とも美大出身で絵を描いているんです。二人の作品を飾れるスペースがあるといいなと思って、ギャラリーも兼ねることにしました。
(摩紀さん)
私はイラストレーターもやっているので、自分の作品をカフェで展示できるのは嬉しいと思いました。あと、ただのカフェよりギャラリーがあった方がお客さんも楽しいだろうなと思って大賛成でした。
ギャラリーで行われるイベントは、絵画や写真展、アート書道などの展示のみならず、占いや整体、フェルトのワークショップなども行われるそうです。
(摩紀さん)
初めの頃は、私の美大の友人や知り合いの作品を飾ってました。そのうちにお店に来てくださったお客さんや店先にある張り紙を見た方から「自分の作品も飾りたい」と声がかかるようになって、プロに限らず趣味で作品を作られている方の展示も開催しています。狛江市民の方のご利用が多くて、狛江市でものづくりをしている方ってこんなにいるんだと知る機会にもなりました。
そんなギャラリーの展示は、2025年8月まですでに予定が埋まっているんだそう。
(摩紀さん)
展示は月に1組だけ入れています。期間は2週間やることが多いですね。毎月展示が変わるので、イベントに来てくれた方には次回の展示予定を渡すとまた来てくれることも多くて。最初はイベント目当てで来店されて、その後常連になってくださる方もいるんですよ。
▷狛江のみなさんと助け合っていく
イベント開催だけではなく、他にも狛江市とのつながりを大切にされています。
(摩紀さん)
狛江市は全国で二番目に小さい市なので、みんなで頑張って盛り上げていこうという意識が強いです。私たちもできることは協力したいので、今年は市役所から提案のあった、狛江市花火大会の協賛のタオルをお店で販売します。以前にも花火大会を盛り上げる企画で、料理メニューに花火セットというものを作りました。
(良枝さん)
あと狛江市は子どもたちが勉強できる場所があまりなくて。保護者の方々から、お店を自習室として開放してもらえないかと言われて、今年の7月20日から8月31日まで中高生向けに自習スペースの開放を始めるんです。
週に1~2回、閉店後の二時間を自習室として開放するという。コロナ前は小学生向けに開放していたこともあり、親御さんにも喜んでもらえたそうです。
(摩紀さん)
コロナ前に開放してた時は、小学生たちがみんなでお揃いのボールペンを買って、そこに私のイラストのシールを貼ったら喜んでくれたんです。自習に来ていた小学6年生の送別会もやったんですけど、その子たちがここで過ごした時のフォトブックを作ってくれたこともあって、そういった関わりって嬉しいですよね。
▷老若男女問わず、気軽に立ち寄れる場所にしたい
今後もめずらしい、楽しいイベントをやりながら、いろんな人が気軽に立ち寄れる場所を目指したいという。
(摩紀さん)
コロナ前は人形劇とか操り人形やお面作りのワークショップなどもやっていて、子どもたちがすごく楽しんでくれたのでまたやりたいです。他にも、音楽ライブや映画上映もしたい。いろいろとお声がけもいただくので、ぜひ企画していきたいです。
あと私はフランスへ留学していたので、フランスのカフェ文化を浸透させたいんです。フランスってカフェがたくさんあって、カウンターでエスプレッソ一杯飲んですぐ帰ったり、店主と話だけして帰ったり、新聞だけ読んで帰ったりとか、日常の中に当たり前にカフェがあるんです。そんな風に、気兼ねなくふらっと立ち寄ってもらいたいですね。
お店を始めたことで広がった、地域の方とのつながり。これからも狛江を盛り上げながら、たくさんの笑顔があふれる場所であり続けてほしいと心から思いました。
広瀬さん、ありがとうございました!
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。