第27節 ベガルタ仙台vs横浜F・マリノス 2019.09.28(完全マリノス視点)

時間がないのでざっくりと。詳細で的確なレビュはマリノスとベガルタが誇るレビュワ陣にお任せします。

◼️先制点まで

仙台の4-4-2守備ブロックに対して、幅を取るマテウスやエリキでSBを釣りチャンネルを広げ、そこを2列目やSBが狙っていく。先制点はまさにこの狙った形でのハーフスペース攻略から生まれたゴールだった。

◼️受ける位置が低いブラジル人トリオ

とはいえ、序盤を含めブラジル人トリオのボールを受ける位置が低めなのが気になった。4-2-1-3ではなく、言ってしまえば4-3-2-1のような形。マルコスがビルドアップの最初の出口になろうとしているから、撤退系4-4-2相手のビルドアップ初期段階で、人がダブついている。その割にパスのズレも少なくなく、効果的な前進ができない。そしてマルコスの位置が低い分、チャンネルが開いても走り込む選手が足りない。その分、特に扇原は頻繁に左ハーフスペースに顔を出していたが...。マテウスの受ける位置が低いなら、高野は先制点のシーンや開幕2戦のように、インサイドに絞ったポジションからサイドへのインナーラップをもっと狙っても良かったかもしれない。

マリノスの先制後、仙台の守備ブロックは密度が高くなり、スライドも上手くいくようになる。チャンネルが開いてもSHやCHがカバーリングに入り、そうすると簡単にチャンネルは開かなくなった。焦れたのか両ワイドは下がって受ける頻度が増え、密集したインサイドへのカットインも増えていく。これでは守備ブロックを崩すことはできない。エリキ・マテウスの2人は、左右を入れ替えたりするよりも、基本に忠実に高い位置で幅を取り、勝負して欲しかった。

そしてマルコス。「3センターのタスク明確化」「マルコスを"間"でいかに前を向かせるか」というのがマルコス・システムの本質だった気がするが...。後半から少し修正されたとはいえ、出場時間73分中、最も元気な最初の45分もの間、マルコスの優位性が消えてしまっていては、入るものも入らない。マルコス、降りてこないで!

◼️点は取られるから点を取れ

仙台は2トップを起点とする攻撃。SHが前に張り出しサイドを起点にする4-4-2に比べ、そこまで怖さはないと感じたが、あわやという場面は作られていた。特に試合終盤はジャーメインが出てきてサイドの殺傷力が増し、いつものヒヤヒヤが戻ってきてしまった。残暑厳しい2019年9月、下手な怪談よりは涼を取ることができたが、ついでに点まで取られてしまった。

1点差の試合を〆にいかないのは別にいいんじゃないかと思っている。それがポステコグルーの哲学なんだろう。であれば、失点してしまったことよりも、なぜ2点目を取れなかったのかにクローズアップした方が、優勝への糸口が掴めるかもしれない。「点は取っても取られるな」ではなく「点は取られるから点を取れ」なのである。


To Be Continued
(磐田戦へ続く)

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