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十人十色

猟銃と価値観と鮮度


どうもみなさん、寝ぎスギの小田異仏です

今回はある猟師のかたの話しをかきます


*少し過激な表現があります*


島さん(仮):林業兼猟師男性(68)の話し


島さんとは仕事の縁で知り合い、プライベートでも鹿や猪や熊などを狩りに行くのに同行させて頂いたりしていて、僕の理想を具現化されてる方なんです

小柄ながら仕事もバリバリ現役でこなし
週末には猟銃をもち山へ繰り出すパワフルな島さん

職場で島さんの話しを聞くのが何より楽しかったし
自分もそういった生き方がしたいと憧れていました

島さんにすっかりと懐いた僕は
週末には島さんの所へ遊びに行くようになり、鹿狩りなどを体験させてもらえるように

狩りなんてなかなか日常的とは言えないイベントに当時の僕は心躍らせていました

そんな日々を送っていたある日
いつものように職場で、島さんが前回の狩りの話しなんかをしている時のことです

その日は一匹の鹿がキャンプ場の仕切りのネットに絡まってしまい身動きが取れない状態になっていると言う事があったらしく
キャンプ場の方から猟友会に連絡が入り、島さん達が出向くことに

キャンプ場へつくと、人だかりが出来ていて、暴れる程に絡まる鹿の姿があったそうです
島さん達は猟銃を持参していたけど、人だかりがあるので猟銃は断念
そいういった場合の対処法は驚くべき事に

撲殺なのです

考えてみれば当たり前なのですがね

頭を思い切りできるだけ一撃でという事です

キャンプ場へ遊びに来ていた人達はさぞ驚いた事でしょう…

なんせ目の前で野生の動物が撲殺されるわけですから

なかなか見る機会があるものではありません

僕も動物の解体現場などにはお邪魔していますし
命のやり取りも眼前で見ていますが

撲殺というのは、おそらく最初は抵抗があるだろうし、やはり思うところはあるなと感じました
そしてそれを僕は島さんへ伝えたのです


小田異仏
「いやーすごい話しですね。猟銃で打つのとはやっぱりまた違った事だなって…僕はまだ打った事もないですけど、やっぱり撲殺よりも打った方が心臓には優しい気がしてしまいます」


もちろんそんなものはただのエゴですし
殺める事には変わりないのですがね

しかしここからの島さんの解答が、やはり価値観というものがいかに人間を形成しているのかがわかるものになりました

先に言っておきますと、非常に勉強になりましたし
とてつもなく島さんが好きになりました


島さん
「おお、心臓な。いやいやでも関係ないだ、撲殺でも鉄砲で打っても、鮮度は全然変わらねーぞ」


僕は一瞬クエッションマークがでました
そして次の瞬間なぜか物凄く爽やかな気分になったのです


僕は自分の心臓(感情)を心配した発言だったのですが
島さんは鹿の心臓(ハツ)の鮮度の心配だと受け取ったのです


これに僕は、鹿を撲殺する事よりも大きな衝撃を受けたのです


島さんにとっては、当たり前の事なんです
何年も何十年もそうやって生きて来て

鹿を食べて、猪を食べて、熊を食べる

山菜を摘み、川魚をとり、米を育てる

そうやって生きてきた島さん

そんな島さんの生き様を先の言葉が全て物語っているようでした

圧倒的でした

そこには少しの疑念もなく
シンプルに力強く生きれる強さがあるのです


僕も大好きな鹿肉は刺しやステーキにするとクセがなく
鍋や煮込みにするとくせのある獣を感じれるとても美味しい食材です
機会があれば是非食べてみてください


それでは最後までお付き合い頂きありがとうございました。


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