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組織が本気で取組みたくなる女性活躍を考えてみた#3

こんにちは。育休スクラをはじめとした法人研修サービスのマネージャーをしていますNOKIOOの池上です。私たちは女性活躍を起点に組織が発展することを目指して事業を展開しています。女性活躍をテーマに毎月開催している人事担当者向け無料セミナーから要はなんなんだっけ?というポイントをまとめていきたいと思っています。

今回は「組織が本気で取組みたくなる女性活躍」の回から、ポイントをまとめています。この記事は、女性活躍の現状や課題を整理し、そこから組織が本気で取組みたくなる女性活躍はどんなものかを考えていくような構成にしています。

#1の記事では女性活躍ってうまくいってないんですということ、そして女性活躍ってどういうことなのかを考えてきました。

#2の記事では女性活躍に取組むべき理由と進まない理由を考えてきました。

今回は、組織が本気で取組みたくなる女性活躍を考えていきたと思います。

組織が本気で取組みたくなる女性活躍とは

私たちが考えている「組織が本気で取り組みたくなる女性活躍」は『経営戦略としてのサステナブルな女性活躍』です。もっと噛み砕いて言うと、なんとかやりくりして、ただ続いていく女性活躍ではなく、未来に向けて組織も個人もよりよい状態に向かっていくことをサステナブル(持続可能)な女性活躍と考えています。

組織が持続可能な発展のための女性活躍が目指したい成果
ビジネスモデル変革
ダイバーシティ・インクルージョン
組織ブランディング

なぜ、ビジネスモデル変革やダイバーシティ・インクルージョン、組織ブランディングが女性活躍の成果として目指せるのか、ここを考えたいと思います。

多くの日本の組織はこれまで、気合・根性で24時間がむしゃらに働くことのできる男性社員(週5日×8時間勤務+残業前提)をベースに、組織や業務を設計していました。その結果、その土俵に乗ることのできない人はたとえ能力や意欲があっても、チャンスが与えられなかったり、正しく評価されなかったりしたのです。
これは、組織にとっても働く個人にとっても大きな損失ではないでしょうか。

男性優位の働き方の例(職場の問題)
*アナログベースの仕事のやり方
*気合と根性重視のカルチャー
*同調圧力と変化への抵抗
*曖昧な成果や役割定義と時間起点の評価
*古いマネジメント要件
*古い仕事の定義
*個人依存と属人化
*外を知らない狭い視野

そのため、一般的に制約条件の強い女性を起点として、以下のように職場の問題解決に取組み、誰もが働きやすい職場環境を整えることができます。

女性起点の業務プロセス改善
固定概念から脱却した組織変革・組織風土改革
女性起点のデジタルワークシフト
アナログベースの仕事のやり方のアップデート
女性起点のコミュニケーション再設計
助け合える関係性構築と、オープンな情報流通
女性起点の変化に強いチームづくり
コラボレーションで成果の出せるチームづくり

この女性を起点とした働き方改革がイノベーション型組織(オープン型)そのものであり、ビジネスモデル変革への発展が期待できると考えています。

また、女性を主語にすることに違和感を感じる方も多いと思います。そんな方は女性活躍の定義はどんな主語が入っても成り立つということを思い出してください。そして女性ではなく【制約条件のある人】×【成長意欲の高い人】を軸に働き方改革を推進することを提案します。

【制約条件のある人】×【成長意欲の高い人】とは
(育児があるから)転勤がなければ、私はこういう能力があって活躍できるのに、、、
(身体が弱いから)週5日×8時間でなければ、部分的に働きながらこういった貢献ができるのに、、、、
(介護があるから)在宅勤務であれば、この業務を継続できるのに、、、、

何からはじめるのか

組織が本気で取組みたくなる女性活躍が目指す成果は、会社の1部署だけで完結できる課題はありません。経営レベルで未来のためを想う「未来志向」で考え、経営課題と女性活躍を妨げている課題をどう繋げていくか、どんなストーリーを描くかが重要です。

経営を巻き込むためには、組織が目指したい未来と、女性活躍が実現した未来が重なることを説明していきたいです。また、職場の課題を1つずつ解決していくのではなく、部署横断、クロスファンクションで取り組むことで経営課題を解決することにつながるという理解が必要となります。

そして、具体的な女性活躍の有効なアプローチ方法を考えていきたいと思います。

女性活躍の有効なアプローチ方法
①マネジメントの定義を更新する
②成果を出せる人材のスキル定義を更新する
③“結果としての”女性活躍を目指す

まず、統制型からオープン型に移行した際に、今までの管理型マネジメントではなく、ファシリテーション型マネジメントに変わっていくことが求められます。具体的なこれからのマネジメント要件については今後開催の人事担当者向け無料セミナーで解説予定です。

また、多様な人材が働く場合、一人で抱え込まずチームで成果を出す働き方にシフトしたり、デジタルワークに対応できるスキル不確実性に向き合い変化に対応できるスキルなど、今までにはなかったスキルが成果を出すために必要となります。これらを定義し、人材育成プランや評価軸に反映していくことが求められます。

そして、組織課題に取組みマネジメントや業務を再設計した結果、女性をはじめ、働き方や時間の長さに関わらず組織に貢献できている組織ができていたというのが、私たちが考える理想です。

まとめ

繰り返しになりますが、女性活躍は目的ではなく、組織が持続可能な発展をしていくための過程です。女性活躍推進に向き合う真のゴールはビジネスモデル変革です。

ビジネスモデル変革というのは売り方を変える、モノづくりからコトづくりに変えて稼ぎ方を変えるということです。今のモデルで安泰という組織も、少子高齢化が進めば、組織衰退をしていくことが見えています。人材採用や育成方法を変え、働き方を変えて、良い人材を集まるようにしないとビジネスモデルを維持することも難しくなっていきます。

女性が活躍している企業は業績がよいというニュースを目にすることがあります。これは女性が男性よりも能力が高いということではなく、女性が活躍できる組織は、誰もが働き続けることができ成果を出すことができる組織であるということだと思います。

組織が本気で取組みたくなる女性活躍は、企業が持続可能な発展をしていくための組織課題に向き合った結果であるということを最後にもう一度述べさせていただきます。

人事担当者向け無料セミナーの紹介

女性活躍をテーマにした人事担当者向け無料セミナーを毎月開催しています。特長はスピーカーと対話しながら進める双方向ライブ型セミナーで、参加者の悩みや課題に応えながら進行する点です。セミナーが終わるころには、「腹落ち感」たっぷりの内容になっています。今後の開催情報は以下よりご欄ください。

■スピーカー紹介
ー沢渡 あまね
あまねキャリア工房代表/なないろのはな取締役/株式会社NOKIOO顧問

日産自動車、NTTデータ(オフィスソリューション統括部)、大手製薬会社などを経て、2014年秋より現業。情報システム部門、ネットワークソリューション事業部門、広報部門などを経験。現在は企業の業務プロセスやインターナルコミュニケーション改善の講演・アドバイザー・執筆活動などを行っている。NTTデータでは、ITサービスマネージャーとして社内外のサービスデスクやヘルプデスクの立ち上げ・運用・改善やビジネスプロセスアウトソーシングも手がける。これまで300を超える企業・自治体・官公庁で、働き方改革、マネジメント変革、組織改革の支援および経営層・管理職・中堅人材の育成も行う。これまで指導した受講生は4,000名以上。
著書『職場の問題地図』『マネージャーの問題地図』『働き方の問題地図』『職場の科学』など。

ー小田木 朝子
株式会社NOKIOO取締役/経営学修士

ウェブマーケティングの法人営業などを経て、NOKIOO創業メンバーとして参画。教育研修事業担当役員。2011年、中小企業診断士資格取得。2013年、自身の経験を活かし女性の社会参画支援事業『ON-MOプロジェクト』を立ち上げ、会員6,000名を超えるネットワークを育成。2016年12月『一般社団法人 育勉普及協会』を設立。2020年、オンライン教育サービス『育休スクラ』を立ち上げ、経験学習による人材開発・オンラインを活用したキャリア開発とアクティブラーニングを法人・個人向けに提供。グロービス経営大学院修了。
●音声メディアVOICYで「今日のワタシに効く両立サプリ」配信中 
●アクティブ・ブック・ダイアローグ®認定ファシリテーター
■今回の記事のネタのセミナー参加者の声
*自分達はやっているつもりで、微力だったことに気付けた。人事内のチームや外部の味方を見つけて影響の輪を広げていきたい。
*ぼんやりと考えていた課題が、明確になりました。女性に限らず、みなのためになるということがよくわかり、それをいかに発信していくかが自分の課題であるとも思いました。
*同じ課題を皆で共有すること=つながり、一体感が生まれ、問題を自分事化できることにつながるように思います。その先に、エンゲージメントの高まり、結果として、組織がよくなり、社会が良くなることにつながっていける一因になっていけると思いました。
*女性活躍ありきではなく、会社のあり方や働き方そのものを改善していくことで結果的に女性活躍に繋げていく、というロードマップが非常に『腹落ち』しました。
*組織の問題について具体的な内容を再認識することができました。組織や階層の垣根をなくし、巻き込むことの大切さを改めて実感しました。