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WOMAN Life Style & Career Interview|産後ブルーで毎日泣いていた妻に寄り添った夫との奮闘記<後編>

女性の自分らしい生き方を応援するための、ライフスタイルとキャリアをテーマにしたインタビューブログを運営する池上です。
今回はちょっと番外編で、産後ブルーで毎日泣いていた私自身のことを書いています。実は妊娠中から切迫流産で絶対安静になったり、私に寄り添う夫も本当に大変な時期だったと思います。

今、息子も順調に成長しているので、慌ただしくも子育てを楽みながら日々過ごす事が出来ています。妊娠から出産、初めての育児に奮闘した私たち夫婦の話を紹介したいと思います。私が経験したことに加えて、その時夫はどんな風に思っていたのかをインタビューしています。

妊娠から出産までの奮闘を<前編>で、産後から両立開始の奮闘を<後編>で紹介します。

池上夫婦の紹介

Q家事や育児の工夫や分担方法
特に分担が決まっているわけではなく、気づいた方、得意な方がやるようしています。料理や洗濯は妻が、掃除やゴミ出しは夫がやることが多いです。
Q地元
夫側:近距離に両親が住んでいます。
妻側:遠方でなかなか帰れませんが、LINEで息子の毎日写真を送っています。
◆妻に質問◆
Q夫を
一言で言うと?
よくできた夫。私が寝落ちしても、お皿も片付いてるし、洗濯物も干してあるし、掃除もされている。日々感謝。
はどんな父親?
イヤイヤ期の息子に「パパ、イヤ!」と言われてかわいそう。
Q夫とどんなパートナーシップを組んでいきたいですか?
夫婦で笑い合いながら、楽しく暮らしていきたい。

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産後ハイから産後ブルーへ

出産直後から退院前日までは産後ハイだったと思います。昼夜逆転で起きたり寝たりする息子のお世話や、授乳がうまくいかないこともあり、夜はほとんど寝ていませんでしたが、気分は高揚していました。

ただ、退院前日の夕方に突然、不安が押し寄せてきて、一気に産後ブルーになりました。夫に「退院後、新生児のお世話しながら生活を送れる気がしない。不安しかない。」と泣きながら電話をしたのを覚えています。今思えば、出産後にあるホルモンバランスの劇的な変化があったんだと思います。

ーーその時、夫は
妻と息子が入院している期間は、仕事を終えてから病院に通う毎日で、物理的に忙しく大変でした。子育ての大変さはその時は分かっていませんでした。とにかく息子がかわいく、妻から送られてくる写真や動画に癒されていました。
妻から「不安だ」と泣きながら電話がかかってきたときは、「家族みんなで乗越えていけばいい。」と言ったと思います。一人で抱えず、両親の力も借りればどうにかなると思っていました。

産後ブルーで毎日泣いた日々

退院してからも産後ブルーはしばらく続きました。産後3ヶ月間は、毎日泣いていたと思います。泣いてしまう理由も分からず、ただ泣けました。産後は義理の実家にお世話になっていましたが、義理の両親にも気を遣わせたし、心配をかけたと思います。夫も、義理の両親も息子のお世話や、私への心配りをしてくれましたが、それでも中々産後ブルーからは脱することができませんでした。

実家の両親も心配してくれ、私の希望もあり、産後3ヶ月目で遠方の実家に帰省することにしました。不思議と帰省したその日から、泣くことはなくなりました。親の存在の偉大さを改めて実感し、気持ちが楽になったのを覚えています。

ーーその時、夫は
退院後の妻は本当に毎日よく泣きました。理由も分からないと言うし、産後うつに近い状態なんだろうなと理解していました。ホルモンバランスなどでしょうがないことなんだろうけど、どうにか心の折り合いがつかないだろうかと案じていました。
妻へは「抱え込まず、みんなで乗越えること、両親の力は気を遣わずに借りればいいこと」を繰り返し、言い聞かせました。とにかく自分ができる息子のお世話や妻のサポートは何でもしました。
妻が産後2週間たった時や、3~4ヶ月たった時に「ちょっと楽になってきた」と言っていたので、本当に少しずつだんだんとよくなっていくものと思い、寄り添うしかないのかなと思います。

息子の生活リズムが整いつつ、徐々に回復へ

自宅に戻ってからは、息子の生活リズムとの戦いでした。生活リズムがつかめた!っと思ったその次の日からまた変わる、そんな変化に対応する日々でした。特に息子が生後5ヶ月頃になったときは、それまで夜に1度か2度しか起きなかったのが、1時間に1回起きるようになり、夜ほとんど寝れない日が続きました。

そんな時は、昼間に義理の母に息子のお世話をお願いし、睡眠をとらせてもらうことができました。産後すぐは義理の両親に何かお願いするのも遠慮があり、なかなかうまく自分から頼ることができなかったのですが、少しずつ義理の母との関係も築けるようになっていました。義理の母が心から息子のお世話をするのを楽しみにしてくれていることも、ありがたかったです。

ーーその時、夫は
息子が産まれる前から両親と妻を積極的に会わせるようにしていました。時間が短くても、頻繁に会うことで仲が良くなるかなと思っていたからです。出産後も妻には遠慮なく両親を頼っていいこと、それを両親も望んでいるし、気を遣う必要がないことを繰り返し伝えていました。
そして、自分が積極的に間で動いて、妻が実家に行きやすいように連絡を取ったりしました。
残業で遅くなってしまうときは、妻には実家に行ってもらい、夕飯と息子のお風呂を済ませてから自宅に帰ってきてもらうようにしていました。両親も息子の成長を一緒に見てほしいし、妻にも無理はさせたくなかったので。

半育休で半復帰

産後10ヶ月経った頃から、育休を取得しながらも少しずつ仕事復帰をしていく半育休という制度を利用しました。育休中は「時間はあるのに自由がない」という想いが強くありました。育児しかすることがないのに、義理の母に長時間息子を預けることも気が引けました。また、息子は生後3ヶ月頃から哺乳瓶からミルクを飲むことをしなくなり、3時間以上離れることが物理的にできませんでした。

なので、「在宅勤務」で息子と物理的に離れることなく、「仕事」だからということで義理の母に息子を預ける理由をつけ、仕事に集中する時間を持てる半育休をさせてもらうことにしました。夫も義理の両親ももちろん快諾で、私としても産後初めて何かに集中できる時間が本当に尊いと思いました。

ーーその時、夫は
妻が仕事をすることで義理の母に息子を預けることができ、元気になるのであれば、その選択を応援するだけでした。自分から見ても、両親と妻の関係はうまくいっている方だと思います。両親と妻の関係も少しずつ築けているのではないかと思います。

フルタイム復帰と両立生活のはじまり

4月から保育園に預けることができ、仕事もフルタイムで復帰しました。コロナのため、予定していた慣らし保育ができず、息子には負荷がかかってしまったと思いますが、なんとか夏頃には慣れてくれました。今では、お迎えに行っても、保育園から帰りたくなくて、近寄ってきてくれないほどです。

また、会社の同僚のほとんどが先輩ママなので、時間に制約があっても成果を出す仕事スキルや、チームで助け合うことを自然と学ばせてもらっています。母親だからキャリアを諦める、仕事をセーブする、そんなことを考えることもなく、母親になる前よりももっとアクセルを踏みながら仕事ができています。

そして、両立生活で一番助かるのは、夫が残業なしで帰宅してくる日が多いこと。お迎えから夕飯、お風呂、寝かしつけまでのバタバタの時間帯を、一人でするのか、二人でできるのかはかなり負担が変わってきます。息子の相手と家事をそれぞれ分担しながら、協力して一日のすべきことを片付けています。

これからも息子の成長を楽しみつつ、家族で笑い合いながら過ごしていければと思います。

ーーその時、夫は
子育ては本当におもしろいです。息子の日々の成長を見るのも楽しいし、ユーモアのある息子の様子を見ていて笑えます。家事をすることは自分にとっては自然なことで、男か女かということではなく、大人が生きている上で必要な営みを分担しているという意識です。歯を磨いたり身支度することと、料理をしたり家事をすることは同じ位置づけです。
そして、二人で対応が難しければ、両親に素直に頼ることにしています。頼る場合は、自分が動くこと、ちょっとしたお土産や気遣い、お礼をキチンとすることを心がけています。
これから、息子には自分が望む人生を送れる人間になってほしいし、妻も自分も望む人生を送れるように応援し合ったりしたいと思います。

まとめ|夫のインタビューを振り返って

今回、夫には1時間ほど時間をもらい、妊娠から今までのことを振り返りながら、その時どんな風に思っていたのか?どんな風に寄り添ってくれたのか?をインタビューしてみました。振り返ってみて、本当に忘れていることばかりでした。日々の慌ただしさで毎日泣いていたことなんて、すっかり忘れてしまっていました。

つらい時期に寄り添ってくれた夫は「妻がつらいことをすべて理解できないし、理解しようとも思わない。でも、つらいんだなと受け止めて、思いやる。」というスタンスで、「一人で抱えず、家族で乗り切ること。」を繰り返し伝えてくれていました。自分のことで精一杯だった私は、今やっとこの言葉が理解できたように思えます。

マタニティブルーや産後ブルーになっている方、そして育休でなんとも言えない疎外感や孤独感を抱えている方も、一人で抱えなくてもいいこと、理解し合えなくても思いやれればいいことを知ってもらいたいなと思いました。

今回、インタビューに協力してくれた、そしてつらい時期に寄り添ってくれた夫には大好きなラーメンを奢っておこうと思います。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

インタビュアー自己紹介

池上朋子
育休スクラをはじめ女性のキャリアを応援するサービスのマネージャーをしています。2018年に結婚を機に浜松に移住し、NOKIOOに入社しました。2019年4月産休取得、2020年1月半育休半復帰、2020年5月フルタイムで復帰してます。1歳の息子を育てながら、子育てと仕事の両立生活を楽しんでいます。とにかく息子がかわいい。
Twitter|https://twitter.com/tomoko_ikegami

子育てと仕事の両立をもっと楽しめる女性を増やしたい。そんな想いから生まれた『育休スクラ』が気になる方はこちらをご覧ください。育休中の仲間と子育てではなく、自分のことを考える時間を少しでも取ってもらいたいと思います。