#952 「今日、視点は増えたか?」を自分に問いかけて1日の仕事を終えよう
おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
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「今日、視点は増えたか?」
今日は、こんなテーマを掲げて放送をお届けしたいと思います。
かぎかっこでセリフ風に聴いてほしいんですけれども、「今日、視点は増えたか?」こんなかぎかっこ付きのフレーズ風のタイトルを掲げてお届けしたいなと思います。
「今日、何を食べた?」とか、「俺たちに明日は来るのか?」とか、「君たちはどう生きるのか」こんなのもたぶんかぎかっこの問いかけ風のタイトルなので、一緒にしていいのかどうかというところはありますけれども、今日の放送は「今日、視点は増えたか?」こんな観点で考えてみたいと思います。
なんでこの話かというところなんですけれども、ちょっと唐突に聞こえるかもしれないですけど、今は多様性大事だよと言われているじゃないですか。
これにたぶん「いえいえ、そうは思いません」と言う人、言える人ってほぼいないと思うんですよね。
だって多様性が大事であるというところに目を向けながら、いろんなニュースも発信されるし、私たちもいろんなことを学ぶし、会社やチームでも判断基準になっているし、もっと言うと、家庭の中でパートナーとコミュニケーションを取るにしても、子どもに接するにしても、相手の個性だとか、自分とは違う部分を大事にしよう、そういうスタンスが根付いているんじゃないかなと思います。
なので、多様性が大事だよということに、たぶんNOと言うのはあまりないんじゃないかなと思います。
多様であるほど仕事の成果が上がるという手ごたえはあるか?
じゃあ、今度はもう一歩ぐっと仕事のほうに引き寄せて、多様であるほど仕事の成果が上がるという手ごたえや実感を持っているか?
これはいかがでしょうか。
多様であるほど仕事の成果が上がるという実感があるか?
これは実は、実感があるか?というところまで踏み込んで聞かれちゃうと、おそらく答えは結構ばらつくんじゃないかなと思います。
私たちが仕事を通じて、300人ぐらいの中堅の社員の方とか管理職の方にオープンなアンケートを取ると、実は多様であるほど仕事の成果が上がるという実感を持ってる人は、1割から2割ぐらいだったんですよね。
どこが一番多いかというと、よく分からない。
多様であるほど仕事の成果が上がるかどうかについては、ちょっとまだ手ごたえがないとか、よく分からない、おいしいかどうか分からないと考える人が7割ぐらいなんですよね。
まずは正直によく分からないなと言えるということが、すごく大事だと思うんですけれども、そういう意味では、ちょっと見方を変えると、多様であるということは、みんなが「そうだね、大事だね」という合意はたぶん広く作られるようになってきたけれども、多様であるほど仕事の成果が上がるというところに手ごたえまで持っている人というのは、まだ過渡期、みんなが試行錯誤をしながら、多様であることと、仕事の成果が上がったり、事業の価値が大きくなる、そういう手ごたえがどうしたら大きくなるのかについては、割りとみんなが試行錯誤している。
そういう段階じゃないかなと思います。
よく企業で、例えば、ダイバーシティ推進とか、女性活躍とか、なかなか本気度が上がらない、そんな意見を聞くこともありますけれども、ちょっと見方を変えてみると、企業とか組織って、とにかく仕事の成果が上がるとか、事業や組織の価値が大きくなることって、あらゆる手を尽くして本気でガンガン頑張るじゃないですか。
ここに芽が出るとか、ここに価値があると分かれば、たぶん万難を排して全力でそこに注力していくと思うんですけれども、そういう状況にならないということは、たぶん多様であるほど成果が上がるという手ごたえが持てなくて、そこに本気になることと、事業や会社としての価値が上がることと、本当につながるのかな?みたいなところが、まだ半信半疑というところもあるんじゃないかなと思います。
データではいろいろ出ていると言われますけれども、やっぱり人って実体験が大事じゃないですか。これは絶対いけるわという。
だから、そこに向けて今は試行錯誤をしている。そういう段階であるとも言えるんじゃないかなと思っています。
そんなことをしゃべっている間に、そもそもタイトルの「今日、視点は増えたか?」という話とどうつながるんですか?と、そろそろ気になるところだと思うんですけど、皆さん、もうちょっとです。もうちょっとでつながります。
違う意見をノーリスクで言えるか
今、多様性という話が出ましたね。
最近多様性というと、ほぼセットぐらいな感じで、「心理的安全性が大事」これもすごく言われますよね。
私も心理的安全性が大事というのは、その通りだと思うんですけれども、何がちょっと気になるかというと、心理的安全性を高めることがゴールになっちゃったり、もしくは、心理的安全性というキーワードが単体だけで語られちゃうということに、ちょっともったいないという気持ちがあるなと自分でも感じています。
どういうことかというと、心理的安全性というのは、これが最終ゴールじゃなくて、実は起点なんですよね。 ゴールじゃなくてスタート時点ですよ。
じゃあ、心理的安全性をスタート時点にしてどうなっていくかというと、心理的安全性が語られるようになった、着目されるようになった背景って、実は心理的安全性とセットになるキーワードがあって、それは何だったかというと、健全な批判。これができることだということだったんですね。
Googleが社内で行った有名な実験で、チームごとに良いパフォーマンスを上げられるチームと、なかなか良いパフォーマンスが上がらないチームがあったんだけれども、その違いってどこにあるんだろう?と、自分たちの組織で研究してみたよ。いろいろ研究してみた結果、集まる人材の優秀さでもなく、そして中にいる人の仲の良さでもなく、お互いに健全な批判がちゃんとできるチームが一番パフォーマンスが上がるという傾向が出ていましたよ。
健全な批判、違う意見をノーリスクで言えるかどうか、それに大きく影響していたのが心理的安全性で、だからパフォーマンスを上げるチームに欠かせないのは健全な批判で、健全な批判がノーリスクでできるために欠かせないのが心理的安全性で、だから心理的安全性って大事だね。こういう感じになったんですよね。
なので心理的安全性はもちろん大事なんですけれども、心理的に安全なだけではなくて、安全なことによって、健全な批判、違う意見が言えて、その結果、チームの中に視点が増える。
ようやくつながりましたね。
チームの中に視点が増える。一人一人、自分の中に自分だけでは持てない視点が増えていく。それによって仕事の質もスピードも上がっていき、自分の視点が成果につながるとか、うまく連携できて成果を最大化できた。この実感がおもしろいや楽しいを生み出していて、さらにもっとパフォーマンスが上がっていくという、こういうサイクルだったんですよね。
私は、このサイクルが回ることが、多様であるほど仕事の成果が上がるという実感だと思うんです。
私も最近こと常々、ここだなと思うんですけど、ここ2、3日、振り返っただけでも、仲間がとか、外のパートナーがとか、本当にいろんな人がいろんなことを言ってくる、言える。
そこから「うわ、そこを考えとかんといかんわ」とか、気づかなかったらこけてから気づくことになったであろうことを、ちゃんと考えておけるとか、自分だけで考えていたら、もっと長い時間がかかったであろうことが、短い時間で多角的に練り上げたアウトプットが出せたとか。
この2、3日を振り返るだけでも、視点が増えるということが、仕事の質もスピードを上げられて、本当に欠かせないなと思ったんですよね。
そんな話をすると、「でも、周りが言いたい放題のことを言って、それを聞いていくって、時間もかかるし大変じゃん」とか、もしくは、「分かってないことを言われても、全然生かせない」とか、感じることもあるかもしれないですけど、それは普通の発想です。
多様であればあるほど、とにかくいろんな意見が出てくるので、散らかるというリスクは当然にあると思うんですけど、多様な意見がちゃんと成果につながっていくために、ここで必要になってくるのが、何を大事にしたいかとていうビジョンを握ることだったり、もしくは、何を実現したいかというゴールをちゃんとみんなが共有している。
なので、多様であるという状態よりも、多様であって、かつビジョンとゴールがちゃんと握られている。
そこにみんながノーリスクで安心して違う意見を言えて、私たちもそれがちゃんと聞けると、仕事の質もスピードも上がっていくという、まさに多様であるほど成果が上がるわという体験ができるようになっていくという、こういうつながりなんだよなということを、私は最近めちゃくちゃ実感しています。
自分に問いかけて一日の仕事を終えよう
そんなつぶやきを10分もかけてしゃべってしまったという放送でした。
タイトルに戻ると、「今日、視点は増えたか?」難しいことを一切抜きにして、こうやって考えていければいいと思うんですよね。
今日、私は誰かと関わることによって、自分にない視点が増えたか?
それはすなわち仲間の話を聞いたか?
仲間に安心して批判的な意見を言ってもらえたか?
もっと言うと、あなたに言いたいという言える関係があったか?とか、それを受け取れる自分でいられたか?
これを一日の最後に振り返れる。そんな問いかけが「今日、視点は増えたか?」だと思いますし、どんな視点が増えたかを自覚する一日の振り返りワードになっているなと思いますので、具体的には、夕方に仕事を終えたら、「今日、視点は増えたか?」そんな感じで、自分をねぎらいながら、一声をかけることをぜひおすすめしたいなと思っているという、そんな話でした。
多様性というと、言葉が大きく感じるんですけれども、例えば、まずは家庭の中でパートナーや子どもと、話をしたり、一緒に何かをしながら、「ああ、視点が増えたな」とか、「自分だけで考えるよりも、結果、うまいこといったな」みたいな感じで、感じられる機会があるか?とか、5人とか6人とかいう小さなチームの中で、「まじ、自分だけで考えなくて良かったー」「それ、全然考えてなかったし、確かに!言ってくれてありがとね」そうやって仕事が前に進むとか、いい方向にさらにスピードを上げながら回っていく。
こういう感覚があるということが、私たちの半径5mの中でのダイバーシティ推進だと思うんですよね。
なので、その時は耳をふさぎたくなるような、「うわ、それは突かないで」と思うことだったかもしれないし、その時は「はー?」と思わずリアクションをしそうになるようなカチンとくることだったかもしれないけれども、でも結果、その観点を持って考えてみたら、そこを考えないよりも考えたほうがいいな、自分の視点が増えたという手ごたえが持ってていたらオッケーでしょう。よかったよかった。今日も私は視点を増やすことができたな。
そう思って、仕事が終われたり、寝床につけるといいですよね。
「多様性」と「ビジョン」はいい成果を実現するための、必須セット!HRライブで深掘りするよ~
続きはぜひVoicyでお聴きください。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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