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#815 異動や転職で”信頼貯金”を増やす人、減らす人

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日は、チャンネルの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げたいと思います。
質問ボックスは、チャンネルのトップページのプロフィール欄にリンクが貼ってあるフォームでして、放送へのご希望や取り上げてほしいテーマ、そしてご質問をお送りいただけるコーナーになっています。
こんなテーマを取り上げてほしいなというご要望も大歓迎ですので、よかったら使ってください。

社内公募で異動が決まったけど、今の環境を手放す不安もあるというお悩み

今日の質問は、YNさんです。
こちらでございます。

【育休から復職して、約2年がたちました。
今の職場は、人間関係がすごく良く居心地が良く、さらに、ある程度裁量のある仕事を与えてもらい、忙しいことには忙しいのですが、不満はない、といった、たぶん幸せな状況です。
ただ、それがいわゆるコンフォートゾーンに陥っているような気がしていて、日々あまり成長を感じない。学びを削り出すにも、なんとなくルーティンな感じになっていて、向き合えない。
というのに、以前から少し悩んでいました。
そして、1月に社内公募に応募しました。
希望先をどこに出すか迷ったのですが、中堅社員の私が、憧れの気持ちだけでキラキラ部署に応募しても、役に立てるか分からない…というのもあって、本心よりもどちらかというと、私の知識・経験を生かせそうな、いわば即戦力として重宝されそうな部署に応募しました。
3月末日、その結果が出て、合格でした。
面接時の感触からも、「やっぱり」というのが感想。笑。
ただ、異動することが確実な状況を自ら作り出しておきながら、居心地の良さゆえに、まだここにいたいなと思うさみしさ、行った先は頭を使う系の仕事(それがやりたかった)ではあるものの、きっと大変な所なので現実逃避したくなるような思い、新たな人間関係を作るしんどさ、でも自分で選んだんだよなという気持ちで、今、かなり複雑な感情です。
実際の異動までには、恐らく数カ月あくようなので、気持ちや仕事を整理する時間はたっぷりあります。
異動の日を迎えるまでに、どのようにして過ごしたらいいと思いますか?】

というご質問です。YNさん、ありがとうございます。
YNさんの複雑な感情がありありと表れていて、丁寧に書いていただいてありがとうございます。

ご質問をまとめると、こんな感じですかね。
今の環境は、すごく居心地が良い。
ただ、自分の成長のために環境を変えたくて、社内公募で違うポストに応募し合格ができた。
一方で、異動が決まると、今度は今の環境を手放すことや、新しい環境への適応の大変さを思い、複雑な心境になっている。
数カ月後の異動までにどのように過ごせばいいかな?というご質問です。

聴いている皆さんも、いかがでしょうか。
この気持ちは、あるあるですよね。
チャレンジしたい気持ちと、踏み出すことが怖い気持ち
居心地の良い場所にとどまりたい気持ちと、一方で、ここにいては成長できないという焦り
こういった気持ちが、混在しながら葛藤することは、本当にあるあるだと思います。
異動は数カ月後ということで、結構時間があるなというところですけれども、異動するその日までどのように過ごしたらいいでしょうか?というお題を一緒に考えてみたいと思います。

自分の感情の当事者にならずに、自分の感情の観察者になる

大きく二つの着眼点があるかなと思うのですが、一つ目は、YNさんも分かっていると思うけれども、今の葛藤している状況はめちゃくちゃ普通ですよね。めっちゃ普通です。
居心地の良い場所を離れて新しいチャレンジをする前に、誰にも起こるすごく普通の葛藤
YNさんは育休から復帰2年目と書いてありますので、たぶん過去にも経験のある状況なんじゃないかなと思います。
さらに、今は居心地の良さを感じられているということなので、そういう意味では、一度乗り越えたことのある葛藤ともいえるかなと思います。
ただ今回は、質問の書きようから、自分にとって新しい人間関係を築くという観点でも、今よりハードな仕事に踏み出すという観点でも、もしかたら葛藤がもうちょっと大きいのかもしれないですよね。

この葛藤への向き合い方は、私は自分の感情の当事者にならずに、自分の感情の観察者になることをぜひおすすめしたいと思います。
以前も過去放送で「自分の感情というお風呂にどっぷりつかるのではなくて、そういうお風呂につかっている自分を、風呂の淵から観察できるようになると、しんどさへの耐久力があがるよ」そんな話もしましたが、今回も同じですよね。
自分の感情の当事者になっている状態というのは、「どうしよう、いやだな、大変そうだな、しんどそうだな、不安だな、できるかな?」この感情にどっぷりつかっている状態ですよね。
自分の感情の観察者になるというのは、もしかしたらこのご質問を書く過程でそれに近い体験をされているかもしれないですけれども、「何がこんなに不安に感じているのか?なるほどそうか、経験のないことに踏み出す、特に新しい人間関係をゼロから作っていくことに投じる必要があるカロリーと時間を見積もって、大変だなと感じているんだな」とか。
自分を客観的に見ながら、なぜ不安な気持ちが湧き上がるのか?
その不安な感情とは、何がどう不安に感じているのか?
こんな感じで観察して、比較ができると、自分の感情と上手に付き合えるよ。
こういう観点ですね。
普通の葛藤ですし、アドバイスもめちゃくちゃ普通だと思います。
これが一個目なのですが、大事なのは次の二個目です。

今、やるべきことに集中する

観察したとしても、それしか考えることがないと、やっぱり不安なままなんですよね。
なので、二つ目の観点は、これもYNさんがすでにやっていると思うけど、改めて、今、やるべきことに集中する
集中対象がないと、いろんなことを考えちゃうんですよね。
なので、今、やるべきことに集中する。
これが、一番の解決策かなと思います。

では、今の状況で集中すべきことは何かというと、次への準備もありますけど、それ以上に、今の部署に集中する
今の役割と、今の仕事ですよね。
あなたにとってはもう去る場所だったとしても、仲間にとっては引き続きここで頑張る場所なんですよね。
なので、異動するその日まで、今の役割や今の仕事にきちんと集中して、チームに貢献する。
これがやっぱり今、集中すべき事かなと思います。
異動までまだ数カ月あると書いてありましたので、まだたぶん引継ぎにはちょっと早いか、引継ぎ相手が決まっていないのかもしれないですね。
そうであれば、今の仕事でもう一旗揚げるぐらいの気持ちで、できたらいいんじゃないかなと思います。

信頼貯金を最大にしてから異動しよう

なぜそれをする必要があるのか?そこまでする必要があるのか?というと、もちろん誠意という観点もあるのですが、合理的にそうしたほうがいい圧倒的な理由があるんですよ。
単純な整理とか気持ちじゃなくて、合理的にそうしたほうがいい圧倒的な理由。それは何かというと、信頼貯金ですね。
信頼を形成する。
これが、合理的に必要な圧倒的な理由。
信頼が大事です。当然そうですよねという話だと思うのですが、信頼を言い換えると、評判なんですよね。
他社からの信頼、そしてそこに付随する評判というのは、今の時代、スキルや経験と並ぶ、絶対的価値のある無形資産だと私は思っています。
組織の中の人と情報って、必ずつながっているんですよね。
大企業であれば、それが一つの村とか町とか、よく村八分なんて言われますけれども、そういう単位で圧倒的に強固なつながり、情報の流通がありますし、仮に中小企業だったとしても、組織の中だけに飽きたらず、地域の中で評判が流通する。経営者同士のネットワークとか、半端がないですからね。
「あの人は良い仕事をする」「あの人は誠実さに欠く」とか「信頼ができない」こういう情報が、現状だけじゃなくて未来の自分の選択肢を大きく変えるぐらい、絶対的な影響力を持っている
そう思ったほうがいいと思いますし、賢い人や仕事のできる人は、信頼貯金を形成しながら、良い評判を維持したり高めたりするためのメンテナンスに抜かりがない。
こういう構造になっているなと思います。

なので、異動が決まった時に手を抜いたりだとか誠実さに欠くようなことがあれば、これまでどんなにいい仕事をしてきたとしても、最後の評判がいまいちだと、すべてを失う、総崩れにしちゃうぐらいの結果につながりますし、一方で、最後まできちんと仕事がされる、良い評判だと、この後の自分自身に勝手に良い機会や人脈を引っ張ってきてくれる
それが、信頼であり評判だと思います。
それって、相手に媚びるだとか、ごまをするとか、そういうレベルじゃないんですよね。
そういう行為は、簡単に見透かされて、かえって評判を落としてしまいますので、分かっているとは思いますが、表面上のテクニックでなんとかなることではない。
そういうことなんですよね。
これは、本当に毎日毎日の積み重ね。
今、YNさんが、今の部署で良い人間関係を築けているということは、これまでYNさんが積み上げてきたものがあるということなので、それを大事に守って、最後に評判を落とすことがないように、今、やるべきことに集中していただければなと思います。
そうすることが、きっと次への不安も和らげてくれると思いますので、本当におすすめです。

熱く語っていたら、はみ出てしまいました。
YNさん、ご質問をありがとうございます。
ご自身で次の環境に身を投じることを選択して、手を挙げる行動を起こし、そしてチャンスをつかんだ。
この決断と行動力がナイスだなと思います。
選択自体にも迷いがあるようですけれども、選択肢というのは、選んだ時点ではまだ成功か失敗かまったく決まっていなくて、改めて大事なのは、選んだほうを正解に変えるという意志と行動力だと思いますので、YNさんのチャレンジを心から応援しています。
チャレンジ前に、ぜひ信頼貯金の残高を最高にしていってくださいね。
必ずこれからのYNさんの助けになるんじゃないかなと思います。

ということで今日は、YNさんからのご質問「異動に際しての葛藤」を取り上げさせていただきました。

4月の90分腹落ちオンラインライブのご案内

最後に、アナウンスチャプターです。
皆さん、来週の4月18日火曜日の午前中は、4月の90分腹落ちオンラインライブです。
どうつくる?「両利きの組織」~攻めも守りも両立できるチームのつくり方~
今日の質問者のYNさんにも、ぜひ来ていただきたいなと思います。
新しい環境に適応する、そして新しいキャリア選択をするという中で、新しいチームに参画するという、チームという観点に向き合うYNさんにも、きっとお役に立てると思いますので、YNさん、そしてこれを聴いて、「私も同じ観点があるかも?」と思う方、遊びに来ていただけるとうれしいです。
放送にリンクを貼っておきます。

それでは、最後までお聴きいただきありがとうございます。

今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜
び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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