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労働生産性を上げるためには「急がば回れ」を急いでやるしかない

こんにちは、築山です。

コンビニ大手5社がセルフレジの全店導入を目指す発表がありました。
セルフレジも、スーパーをはじめとした小売店では既に導入が始まっており日常の光景となってきました。今後、生産年齢人口が減少し始めた沖縄でもさらに導入は進んでいくと思います。(余談ですが、沖縄に住み始めてびっくりしたのは、スーパーで商品の袋詰めをレジスタッフがやってくれることです。あんなの内地では高級スーパーしかやってくれませんからね…)

クライアントから「労働生産性を上げたいので我が社でもセルフレジの導入を考えてるが、どう思うか?」という相談を受けることがありますが、「人手不足に対する効果はありますが、労働生産性の向上には直結しません」と答えています。


セルフレジ導入は手段であって目的ではない

労働生産性 = 付加価値売上(売上総利益) ÷ 従業員数

まずはこの構造を理解する必要があります。つまり、労働生産性を上げるためには「付加価値売上(売上総利益)を増やし、その増加率以下で従業員数を増やす(若しくは、維持 / 減らす)」ことが必要です。
「人手不足=従業員数の減少」ですから、セルフレジ導入によってそれを補う場合、付加価値売上が増えている場合のみ有効です。いずれにせよ、労働生産性を上げるためには付加価値売上が増えていることが重要であり、セルフレジ導入は「従業員数」だけに作用する手段でしかありません。
むしろ、それ(レジ業務からの解放)によって生まれた従業員の労働時間をどれだけ付加価値売上を上げることに振り向けられるかの方が重要になります。つまり、セルフレジやIT技術を導入するのであれば、それに合わせて人の働き方を変えなければ本当の意味で労働生産性は上がりません。そして、大抵の人は自分の働き方を変えたくない…

パーキンソンの第1法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

築山には、ワカゾー時代 “通勤にかける時間の無駄をなくすため” と宣言して会社近くに引越したら、その分睡眠時間と残業時間だけが増えた…という恥ずかしい経験があります。空いた時間を、より生産的なことをやるために使う。労働生産性を上げるということは、この法則をどれだけ回避出来るか?ということと同義です。人間は、本能的に変化を避ける生き物です。働き方を変えるというのはそれぐらい難しいものです
個人の頑張りだけでは難しい部分も多々あり、経営やマネジメント側が動機付けや労働環境を変えたり仕組化することで大きく前進します。


労働生産性を1.3倍上げて黒字化したクライアントの現場で行った改善プロセスで具体的に説明してみます。


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