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お腸夫人・はじめての入院〜その3〜

人生初の入院生活が始まりました。

出血が始まり→クリニックからの大学病院
(ここからお通じの事を少し書きますので
苦手な方はページをお閉じ下さいませ)

入院してからずっと、排泄物は容器に出して
毎回看護師さんに、排泄物の量と出血の状態を見てもらっていました。

腹痛が始まってから何も食べられませんでしたので
入院前も、出るのはほとんど血液のみでしたが
その中にも、少しは薄いお通じ色もありました。
しかしこの時は違いました。

ヒッ!!て奇声が出ました。個室で良かったです。

鮮血の赤色は無く、まして、お通じの茶色でもないのです。
慌ててナースコールを押しました。真っ黒なのです。
CMYKで言うところのK100。

人体から出る色ではありませんことよ。

混じりっけ無しのK100に、いよいよ何かのアレなのかと覚悟しました。
看護師さんは見慣れた様子で「腸壁ですよ」と、なんて事ない様子。
ですがワタクシの脳内では

母さん、腸壁K100だってよ!

って、ゴシック文字・フォントサイズ100くらいが、浮かんで消えません。
しかも、その時1回のみなのです。
それ以降は、また鮮血が復活しました。
あれから今日まで二度とK100を見ることはありません。
ご町内の皆さま…いえ、ご腸内のみなさま、どうなっていらっしゃるの?
誰とも分かち合えない人体の不思議。しかもお通じのこと。
誰かに言いたくても言えなかった(ポイズン)のでしたが
この場を借りて、やっと言えました。noteよありがとう。

病院は優しさ出来ている


記録によりますと、入院初日は35回もお手洗いに行きました。
先にも書きましたが、その都度看護師さんを呼び、排泄量を記録して
後片付けまでしてもらわなければならないことは
恥ずかしさもさることながら、それ以上に
看護師さんに、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

出血しながら全力で謝罪しました

「仕事ですから」と言います。
ワタクシを気遣って
「慣れてますから、大丈夫ですよ」と言われます。
ですが
赤の他人の排泄物を扱うこと、誰が好んでやりましょうか。

さらに、初日の沢山の検査が終わり心身ともにボロボロだった時
体温と血圧を計りに来て下さった看護師さんの柔らかな雰囲気に
初めての入院、難病申請、「全大腸型、重症」の恐怖と緊張が
少し緩んだのでしょうか?
ワタクシ年甲斐もなく、ボロボロと泣いてしまいました。
すると看護師さんは、一緒にベッドに座って
ワタクシが泣き止むまで、ずっと背中をさすって下さったのです。

他の患者さんの計温もありましょうに
お仕事を中断させてしまってすみません。と謝りますと
「大丈夫です。いつでも不安な時には呼んで下さい。
そのために私たちはいますから。」

もしかしてワタクシ。生きてるつもりでしたが、既に召されて
ここは天国だったのか?と思いました。

有ることが難しい。有難い。
看護師さんというお仕事はまさにこの言葉そのものだと思います。

そしてもうひとつ。
腹痛が治って元気になった頃。
寝たきりだと筋力が衰えるので、出来る限り歩くように。と言われました。

入院していた病棟をぐるぐる歩いていたら
お手洗いに行きたくなりました。

この階の廊下にあるお手洗いが狭かったので
個室に戻ろうと思い、急ぎ足。

すると
ワタクシを呼ぶ声が
まあ!

ワタクシが非力で、ドアを開けられないと見えたのでしょうか。
ワタクシより、明らかに細身の
ワタクシより様々な機械やドレーンが繋がれているおじさまが
心配して下さって、ドアを開けて下さったのです。

自分が見えていないところで、誰かが見てくれている。
日常では出会えない優しさに触れることが出来ました。


病院で、赤ちゃん体験


家ではワタクシがご飯の用意をしなければ出てきませんが
ここではベッドで寝ていれば
食事は決まった時間に持ってきてくれるだけでなく
食事が終わったら下げてくれるという、上げ膳据え膳スタイル。王族気分。

朝食の牛乳を残していたら、ジョアなら飲める?と、変えてくれたり
毎食どれくらい食べられたか。少しでも食べた量が増えたら喜び
日に日に回復する身体を褒めてくれました。

ただひたすらに寝て、食べて、出すだけ。
何もしていないのに「ただ、生きている」だけで褒められる。
ワタクシにとって、こんなに甘やかされ、細かにケアして頂ける生活は
初めての体験でした。
(赤ちゃんの時もそうだったのでしょけれど、いかんせん記憶にありません)

もともとが健康だったから
寝不足、疲れ、食べ過ぎても、何のケアもしなかったし
賞味期限が切れたものを食べてお腹を壊しても
「ダイエットになってむしろ良い」なんて。
今思えば、虐待めいたことをしていました。

身体だけでなく、心の虐待に関しては
「潰瘍星立図書館〜オススメ図書その1〜」に書きました。

世間はこんなにも優しいのに
誰よりもワタクシ自身がワタクシをいじめていたことに
大いに反省する時間となりました。

この入院期間に頂いた優しさが
ステロイドと同じくらいに、大腸に効いたことは間違いありません。


大腸ちゃん、今までごめんね。



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