犬王　感想＊ネタバレ有

　犬王の感想を書こう書こうと思っているうちに大分日にちが経ってしまいまして。タイトルだけ書いていた下書きを消そうか消すまいか迷っていたんですが、やっぱり犬王面白かったので書かねばなるまいと思い、今指を動かしている次第。
　
　とりあえず見た当日のフレッシュな感想はツイートに濃縮されていたので、最初に引用しておきます。

犬王みてきた。
鎮魂や奉納を目的とする祭って感じで、私は好き。
刀ミュの厳島の舞台を思い出したり。
アニメの平家物語で語られた「祈り」を思い出したり。
そしてやっぱアヴちゃんが凄いわ。(アヴちゃん以外も勿論ヤバいんだけど)惚れ直すやろがい。

— 華染凪人 Nato HANASOME (@Nato_1kt) May 29, 2022

　犬王ってミュージカル・アニメとして宣伝されているんだけれど、見終わった直後の感想としては、これミュージカル・アニメっていうより神事色が強いお祭りじゃない？ってこと（ツイートにも書いているけれど）。
　犬王ってどろろに似ているところがあって、犬王の父がやばそうな面と取引した対価として犬王は奇形で産まれてくるのね。そして、どろろだと戦っていた相手は妖怪だったけれど、犬王では平家の怨霊（というか成仏してない平家関係者全員）が相手になってくる。で、その平家の者どもは忘れられたくないっていうのが悩みで、犬王は彼らの物語を演目にして演じることで彼らを成仏させていく、そして彼らが成仏するごとに犬王の体が元に、人の形に戻っていく……っていうのが超ざっくり説明する犬王のストーリーな訳ですよ。

　そんでその肝心の演目が演出凄いし音楽凄いしのミュージカルパートな訳ですが、いやこれ祭りじゃない！？って思うんだけど、海外の人にも分かりやすく説明するってなったらミュージカルかなぁとも思ったり。
　っていうのもさ、祭りっていっても地域でやる夏祭りとか学園祭とは違って、どっちかっていうと御神輿担いだりする方のどんちゃん騒ぎなんだけど伝統ある神事です、みたいな感じが近いんじゃないかと思うんですよ。

　怨霊を祀って神社の神様にしちゃうのと似た感じで、祭で鎮魂しちゃうぜ的な。
　厳島で琵琶法師たちが大勢集って演奏しているシーンとか、もう奉納にしか見えない。

　まあこの辺のこういう感想抱いちゃうのは、猿楽とか能とか琵琶とか、日本の伝統芸能が前面に出ているせいかもしれませんが笑
　
　あとはそう、一回しか観に行く気がないなら、最低でもアニメ平家物語は見ていった方がいいんじゃないかと思った。
　初見でも楽しめると思う。けどなんていうか、逆襲のシャア見ないで見に行く閃光のハサウェイみたいになるんじゃないかと思う。（杞憂かもしれないけれど）

　いや、だってさ、音楽で除霊とか初見じゃ訳分からんくない？
　しかもぶっとんでてヤバい音楽。

　語り継がれることによる癒やし的な事前知識がないと、面白かったけどなんかよくわからんかったわ。っていう感想になりそうで怖いなと思った。
　というわけでアニメ平家物語を見てから行った方がいいんじゃないかと思う次第。

　あとはライブ感が強い作品なので、映画館の音響設備で見るのをおすすめします。やっぱ祭りは現地じゃん？犬王の現地は映画館よ。
　映画館で見ないと損！
　絶対損！
　お家にスピーカーが一杯ある音響ガチ勢はおいといて。
　私のようなそこそこ音質で生活している民は映画館で音圧浴びてくるのをおすすめします。
　
　アヴちゃんの歌声の表現の幅とか、ここには書き切れてないヤバいところもぎょうさんあるし、一回観ておいて全然損はない、と思う。（個人的見解）