【感想】『猫と罰』ネタバレ有
猫が沢山いる古本屋さんとか、そんなん好きに決まっとるやん!
しかも猫は命が9つあって転生を繰り返してるんだぜ系の猫ちゃんたちで、実は昔文豪に飼われていたことがあるんです!とか好きに決まっとるやん!!
主人公の黒猫ちゃん、最初から割と過去に一緒に暮らしていた文豪とのエピソードが挿入されるんだけど、文豪の作品はしっていても人となりは知らん超ライト勢の私は、本名から拝借して「金之助」となのると言われても、金之助is誰……。でもそれが逆に謎解き要素みたいになって結構面白い(ちゃんと途中でライト勢でも分かるように代表作が名言されるから、最終的に誰かわからん……にはあんまならんと思う。多分誰か大半の人は分かる。超有名人だから)
そんで、舞台の古本屋さんに文豪と同棲経験持ちの猫ちゃんたちが集まってるとか、最高すぎるじゃん。貴方は誰に飼われていたので??猫ちゃん、猫ちゃんを飼っていた文豪は誰だ……!!の謎解き&ワクワク要素もありつつ、猫語が分かる古本屋の店主には実は謎がありまして!常連の女の子の人生をお前の猫の手で変えるんだよ黒猫ちゃん!!な展開もありまして!
文豪に飼われていた猫ちゃんたちだけでおもろいのに、それ+動物達の手助けで人生変わる系のほのぼの要素もあって。文豪に飼われていた猫の手助け話し、もっと読みたいけど良い感じで終わった……。
いやまあ、ここまでなんか良い感じの話みたいに書いてきたけど、黒猫ちゃんが周りの猫ちゃんたちと店主に心開くまでふつーにひねくれているのいいんだよな。やっぱさ、近代文豪なんてひねくれ人に飼われていた猫ちゃんがひねくれてないわけないよな(黒猫ちゃんの場合は他の猫生が過酷だったのも影響しているけれど)。
あと最近ほのぼの表紙詐欺にあったので、表紙の雰囲気のままのお話が読めてとても嬉しかったというのもある。
ここからはがっつりネタバレなのだけれど、店主の正体が魁星(神様の方)で文才ある人間に嫉妬して滅ぼしかけて追放されて古書店店主やってるのおもしろすぎる(しかも罰なのに本人割とノリノリになってきてるのがさらにおもろい)。
しかも最近推してるVチューバーと同じ名前で、口上で魁ける星なのは知ってたけど、文芸の神だったのは知らず(初期あたりの配信で触れていたのかもしれないけれど)、なんか推しの解像度が上がった上に、話もおもろいしで凄い得した気分。
最近話題の本何冊か読んだけど自分にはうーんな状況が続いていたので、めちゃくちゃ輝いて見える。表紙のイラストも好きだし、ほんと砂漠に現れたオアシス感が半端ない。読む本の順番、というか巡り合わせって大事だなと(本の内容もそんな感じなのだが)思った。
良い感じで終わっちゃったから、この本の続きの話は無いかもしれないけれど、これから刊行される作者さんの他の本も読んでみたいなと思った。
P.S.キヌの飼い主が気になりすぎるので、文豪と猫の本を読みたいリストに追加しました。
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