見出し画像

#2アラサーの豪ワーホリ!ホームステイ編後半

オーストラリアのホームステイはあっと言う間に過ぎていった。お家のママ、スタミは基本的につかず離れずのビジネスライクな人であった。週末一緒にどこかにおでかけして、夜はリビングの巨大ソファーに腰掛けマグカップ片手に雑談…そんな風なことを夢見ていた。だが、そういうタイプの家庭ではないらしかった。

高校生(エヴァ)と大学生(ゾイ)の娘さんは、基本学校とサークル活動、習い事に忙しく、毎晩の食事はスタミと私の2人きりだった。毎週月曜日~金曜日に語学学校に通っていた私は、毎日宿題が出されて、毎週テストがあるので家に帰ってからも遊んでいられず、晩ご飯が終われば自室に戻り勉強の日々だった。

1か月のホームステイでおかしいと思ったことを紹介しようと思う。

①実は留学生が私だけではなかった

お家に入って数日は気付かなかった。中国人女性とドイツ人女性が私の横の部屋に住んでいた。スタミ教えてくれてもよかったのにな!見たことない人たちが家にいるからビビったのなんの。

この中国人、名前はジン。彼女は結婚して旦那さんと小さいお子さんを国に残し、単身留学に来ている人だった。彼女はなんと壊滅的に英語が出来なかった(失礼)。スタミとの会話も常にグーグル翻訳で、夜に顔を合わせたとき私が「今日はどんな一日だった?」と聞いても、その質問が通じていなかった。友達と遊びに行く様子もなく、家に帰ってきても、中国の家族とずっと中国語で話す日々。ジンが中国に帰ろうという前日、スタミが彼女に「あなたの留学は失敗だった。ずっと中国語を使うならここに来ている意味がないし、そのまま中国にいて、あなたのいるべき場所にいるべき」と言っていて、私はキツイこと言うなぁと思ったが、その言葉も彼女には届いていないようだった。

②高校生の娘さんが反抗期だった

大学生のゾイはフレンドリーで時々話す機会もあったが、家に全然帰ってこなかった。クラブに行ってたり、彼氏と遊びに行っていたり…どこの国でも大学生ってそんなものよね。それとは対照的に、高校生のエヴァは難しいお年頃だった。ある朝挨拶をして返答が返ってこなかったときの衝撃ったらない。挨拶は人間の基本だぞ!

③スタミがキッチンを使わせてくれなかった

全く使ってはいけない、というわけではない。晩ご飯のお手伝いをしようとキッチンに入ると「ご飯は私が作るから、出来たら呼ぶわ」と言われ、食べ終わった食器を洗おうとしたら「一緒に洗っちゃうからいいわ」と言われたり。一緒に家事をしながら、楽しい時間を過ごすのを夢見ていたのにな…。

お昼のお弁当と、晩ご飯はスタミが作ってくれたが、朝ご飯は簡単にトーストとシリアルを自分でやってねというスタイル。袋から食器に移すだけの作業(料理とは言えない)。私たち留学生がキッチンを自由に使えたのはその時間だけだった。食器の件に関しては、オーストラリアは水不足の国なので、シンクに泡を作ってからまとめて洗う家庭がほとんどである。1、2枚だけ洗うより、全部いっぺんに洗った方が水の節約になるというのは理解できたが…なぜあんなにキッチンを使わせてくれなかったのかはいまだ謎である。

④週末は絶対外出しなければならない

ある夜、スタミに「毎週末、夕方16時ぐらいまで家に帰ってこないでね」と言われた。聞き違いかと思い聞き直したが、やはり間違ってなかった。部屋の掃除などがあるので部屋を空けてほしい、ということだった。ときどき語学学校の友達と遊ぶことはあっても、毎週はキツかった。何の予定もないときは、近くの図書館に行って勉強することで夕方まで時間を潰した。

留学でホームステイを経験した人に話を聞いてみたいなと思う。みんなこんな感じなんだろうか。ある日、何気なしにスタミに「どうしてホームステイを受け入れてるんですか」と聞いたことがある。私の予想では、「留学生の力になりたいから」とか「他の国の文化や習慣を、留学生を通して学べるから」といった返答を期待していた。が、彼女の答えはこうだった。

「ホームステイを受け入れることで、一人につきいくらか恵まれない子たちに寄付が出来るのよ」

ほ、ほぉ…そんな制度があるのか…

どんな動機であれ留学生を受け入れて、住む環境を提供してくれるのはありがたいことである。そんなこんなで最終日まで問題なくお世話になった。

次回#3アラサーの豪ワーホリ!は、語学学校 part1。お楽しみに!

👇オーストラリアの歌手。この曲はDiorのCMで使われてます🎶

※写真はオーストラリアのスラングが書かれたエプロン。BBQはバービー!友達はメイト!午後はアルヴォ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?