見出し画像

本のおともに赤鉛筆を。

コロナショックで読書がススム。

今日はふらりと書店によって、本を買った。
紙のやつ。

電子書籍はかさばらなくていいけど
本にある「想い」を強く読み取りたいと思う本は紙のものを買う。

レジに向かってると、文房具のコーナーに出くわした。
視界に入ってきたのはえんぴつ。
赤いやつ。

丸とかカクカクのやつがあったけど
かわいいのがいいな、
と丸いやつを買った。

本に、この赤鉛筆で線を引こうと思った。

レジで本と赤鉛筆の会計をして、ウキウキしながら自転車に乗った。


_____________________


机の引き出しにあるカッターを出して、机の上にはティッシュをひいた。

シュ シュ とえんぴつの木片が、はなびらのように落ちる。

少しづつ見える赤鉛筆の芯と一緒に、小学校の記憶がよみがえる。
おじいちゃんに、えんぴつの削り方、おしえてもらったなー
とか
鉛筆を卒業して早くシャーペンを使いたい時期もあったなー
とか。

鉛筆を持つのはあまりにも久しぶりで、
太さや質感に
ワクワクする。


本を開いて、

作者の想いと自分の想いが重なるたびに
ス―――――っと線を引く。

白い紙とそこに並ぶ黒い活字の間を赤鉛筆が走る。

紙の細かい凹凸が
紙の上を走る鉛筆の振動や音から伝わる。

赤鉛筆を走らせた文章は
まるで白い紙の上にひく赤い線のように
脳にくっきりと刻まれる。



角度によって変わる線。

これはだいじ。

これは、覚えておきたい。

これは人生の教訓だ、

なんておもいながら、太くしたり細くなったり。
たまに思ったように太くなってくれなくて
あれ、
まーー、いっか。


久々の鉛筆は、感覚と一緒に私の童心を引き出した。

そして思い出させてくれる。

自分の感覚とか
手間をかける余裕とか
思い通りにならないたのしさとか

そういうのが、あったなあと。

毎日、凹凸の無いツルツルの画面しか触らない私の手は、
ずいぶんと感覚が鈍っていたらしいし、

スキマ時間をこれでもかと効率化させようとするアプリたちは
私から「余裕」を奪っていた。

計画を緻密に立てられるツールのおかげで、
予定通りが当たり前だったから
予定通りにならないことにムズムズを感じていた自分に気づく。


一本の赤鉛筆が
私に知らせてくれたものは、少し悲しくて、大切なものだった。


だから、ふらっと、店の戦略につられて、レジ前の文房具コーナーで赤鉛筆を買ってみるのも、わるくない。






この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?