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詩集

26
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2023年11月の記事一覧

嘘と|詩

嘘と|詩

嘘は優しさの裏返し
嘘は見栄の裏返し
嘘は本音の裏返し

どこでどんな風に
だれに向かって放つのか
どんな顔で放つのか

咄嗟に出るのか
考えあぐねて出すのか
いつも使うために用意してあるのか

笑うか泣くのか怒るのか
ものすごくバレバレなのか
顔色ひとつ変えないのか

案外自分でも分からない
守りたいものが
静かに隠れている

上手に生きる人はきっと
ほどよく嘘と付き合い
ほどよく世を渡る

消えゆく美しさ|詩

消えゆく美しさ|詩

花は枯れるから美しい
消えゆくものは
見る者を厳しさから遠ざける

なかなか消えぬものは悩ましい
永久に完璧なものなどあるわけもなく
見る者の目は厳しさを増す

長い時を経て消えるその時
どう消えゆくのか
そこに美しさはあるのか

花に実用性を求めず
ものにはそれを求めてしまう
理屈のものさしは時に無力だ

儚く消えるほど寛容で
消えるからこそ完璧で
失うからこそ美しい