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漢方茶のなりたちと「十干」について

カンポースタンドで販売している漢方茶は、現在10種類あるのですが、これは「陰陽五行」の働きに合わせて、それぞれのブレンドを当てて作られています。

陰陽五行とは、東洋哲学における5つの自然の要素である「五行(木・火・土・金・水)」が、陰と陽の移り変わりによって、その5つの要素が互いに影響しあいながら変化し、私たちの体だけでなく、自然のすべての現象に影響を与えるという考えのことです。

その5つの要素「五行」を、陰と陽の2つに分けて出来たのが、10種類の干(かん)で、これを「十干(じゅっかん・じっかん)」と言います。

カンポー茶は、この「十干」に合わせて、10種類のブレンドがあります。陰陽五行から生まれた十干の漢方茶なので、10カンポー茶です。(わりとうまいこと言えた気がする)




陰陽と五行と十干の関係

陰と陽があることで、五行が移り変わっていきます。

陰と陽とは、例えば、太陽と月とか、昼と夜とか、男と女とか、表と裏とかのように、どちらか一方だけでは成り立たず、相互に影響しながら存在しているもののことで、これがあることで様々なものが変化していきます。

また、ここでは陰をー陽を+と表していますが、これは陰が少なくて、陽が多いというのではなく、それぞれの向きが違っていて、陰は「内向きに強まる力」陽は「外向きに強まる力」のことを言います。



例えばの五行だと、木の陽は、樹木や植物がぐんぐん上に伸びて生長していくイメージです。そして木の陰は、上に伸びた植物が次は横に広がって花を付けるイメージです。

外向き内向き、なんとなく分かってもらえるでしょうか・・・。同じ木の属性でも、陰と陽で、内向きと外向きの力を持っているのです。


の五行で言うと、どうでしょうか?

火の陽とは、太陽が明るく照らして全体を温めるイメージです。そして火の陰とは、やがて火が起こり、熱を持ちながら燃え続けるイメージです。

の五行で言うと、

土の陽とは、土がどんどん上に積み上げられて大きな山になるイメージです。そして土の陰とは、その積み上がった土がじっと固められ、土の養分が濃くなっていくようなイメージです。

の五行で言うと、

金の陽とは、硬い岩がまわりを削りながらどんどん切り拓いていくイメージです。そして金の陰とは、その削られた岩がさらに磨き上げられて、鋭い刃物のようになったイメージです。

の五行で言うと、

水の陽とは、世界とつながる海のように、自由に動きながら巻き込んでいくイメージです。そして水の陰とは、海水が雲となって雨が降り、また海に戻るように、繰り返しながら浸透していくイメージです。


結局全部説明してしまいましたが、十干とはざっくり言うとこんなイメージです。自然に当てはめて考えてみると分かりやすいですね。

そしてこれを、人の心や人生に当てはめて考えたのが「占い」で、体の働きに当てはめて考えたのが「漢方」ということになります。

ちょっと面白くなってきました???

十干の性質と働きを知ると、結構いろんなことの本質や原因が分かってきたりもします。



十干の性質と表れ方

五行にも元々性質があって、

木は、動かす力
火は、感じる力
土は、考える力
金は、守る力
水は、学ぶ力

これがそれぞれ陰と陽で、外向きになるか内向きになるかで、その働きや表れ方が変わってきます。



木(動かす力)

【甲】(こう)/木の陽(きのえ)
直進する、上に伸びる性質、行動力
臓腑… 胆のう、頭に表れる、背が高い

【乙】(おつ)/木の陰(きのと)
曲がる、横に広がる性質、協調力
臓腑… 肝臓、首に表れる、丸みがある


火(感じる力)

【丙】(へい)/火の陽(ひのえ)
明るくする、楽しむ性質、表現力
臓腑…小腸 小腸、肩に表れる、激しい

【丁】(てい)/火の陰(ひのと)
熱をこめる・ひらめく性質、感性力
臓腑… 心臓、血管に表れる、イカツい


土(考える力)

【戊】(ぼ)/土の陽(つちのえ)
大きくする、積み上げる性質、決断力
臓腑… 胃、胸部に表れる、デカい

【己】(き)/土の陰(つちのと)
集める、濃くする性質、思考力
臓腑… 胃腸、膵臓、腹部に表れる、寡黙


金(守る力)

【庚】(こう)/金の陽(かのえ)
硬くする、他者と戦う性質、攻撃力
臓腑…大腸 大腸、筋肉に表れる、ゴツゴツしてる

【辛】(しん)/金の陰(かのと)
磨き上げる、自分と戦う性質、防御力
臓腑… 肺、尻、臀部に表れる、すっきりしてる


水(学ぶ力)

【壬】(じん)/水の陽(みずのえ)
巻き込む、自由に動く性質、影響力
臓腑…膀胱 膀胱、脚部に表れる、しっとりしてる

【癸】(き)/水の陰(みずのと)
入り込む、繰り返す性質、順応力
臓腑… 腎臓、足に表れる、さっぱりしてる



以上、十干の性質と表れ方をまとめてみました。

漢方医学では、五行(ここではさらに十干に分類)を体の臓腑に置きかえて、不調の原因を探っていきます。また、見た目に表れやすい十干の性質を「表れ方」としていくつか上げてみたのですが、まずはなんとなく全体的なイメージを掴んでもらえればいいかなと思います。

表れ方として、「背が高い」「イカツい」などもこっそり入れておきましたが、あくまでもイメージですよ。

「すっきりしてる」「さっぱりしてる」の違いは何なのか全くさっぱりかもしれませんが、十干の性質に慣れてくると、だんだん分かってくるようになります。そうすると例えば、相手をパッと見ただけでなんとなくその人の持っている五行のバランスが想像できるようになったりします。

この話も結構面白いので、また改めてちゃんとしたいと思います。



十干から生まれた10カンポー茶

というわけで、十干の考え方を元にできた10種類の漢方茶、10カンポー茶について、ちょっと成り立ちのようなものが分かってもらえたかなと思います。

やっぱりマニアックな話というか、難しい話にも少しなってしまいましたが、「なるほど、いろいろ考えて出来てるのね」ということだけ分かってもらえたなら、それで全然OKでございます。

五行の漢方茶は聞いたことあるかもしれませんが、十干の漢方茶はたぶんあまりないかと思います。それほどかなりこだわって考えて作られています。ですが、これを説明しようとすると、難しくなってしまうのが大変なのです。けど、深ければ深いほど面白いと思っていただける方がいてくれたら、私はうれしいです。



まとめると、五行(木・火・土・金・水)陰陽(外向き・内向き)の働きが、のそれぞれの臓腑や機能に影響して、それによっての働きや性格にも表れてくるということです。

逆に言えば、今もし心の不調があるとしたら、それは体のどこかの臓腑や機能の不調から来ているかもしれないということでもあります。

「病は気から」と言ったりもしますが、元はと言えばその気は体から来ているのであって、結局「病は体のどこかから」起きているのではないかと思ったりもします。


今回は、カンポー茶の考え方の元になっている「十干」についてお話しました。次回は、「十干」によってそれぞれ、心と体に表れる具体的な症状について詳しくお話したいと思います。はいー。

それでは、次回もお楽しみに。ごきげんよう。


いつも見ていただきありがとうございます!「漢方茶」を広げていけるような活動をいろいろとやっていきたいと思います。