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2021年~ 舌がんをめぐる記録1

はじめに

手術から半年以上が経過して、振り返ることができるようになりました。
振り返った瞬間、辛さや痛みがよみがえるので振り返らない。
振り返ってもう一度あの辛さや痛みを味わうなんて御免です。

そんな風に思っていたのに、いつか必ず振り返る、振り返りたくなる時がくるだろうと記録は残してきました。
振り返りたくなるその時とは身体や心が少し楽になっていて、自分に「よくがんばったもんだ」と言える、そんな時だろうと思ったからです。
その時とは希望です。
その時をめざして、向かって、静かに突進してきました。

その時といえる今、不安がまったくないわけでもなく、転移や再発の可能性はある。暑さのせいなのか、寝た時の姿勢が悪かったか、少々頭も痛い。
ただ、明らかに昼に動き、夜は眠り、何しろ口の中が痛くない。
その時を迎えることができました。
偶然か、複数の人や機会に記録することや伝えることを勧められたこともあり、その記録を自分の外に出してみよう思います。
私は会ったことのないだれかの、そんな記録に励まされたり、怖くなったり、勉強になったりしてきました。
私の話を聞きたい人が、もしかしたらいるかもしれない、いなくても、私が私に聞かせよう、そんな思いで note 始めます。 


舌癌、舌がん

私の患った病です。
臨床診断は 左側 「舌癌」。
「扁平上皮癌 grade2 YK- 4C」 とのことです。
このがんの治療法として2021年11月に癌の切除手術をうけました。
癌の切除と同時にリンパの郭清手術、親知らずの抜歯もしました。

「癌」という漢字が怖いので、以降ひらがなで「がん」とします。


がんになった私

40代半ば、関東圏の都市で同じ歳の夫、高校生の娘と3人で暮らしています。
夫とは20年以上の付き合い、娘ともよく話します。
細かいことは色々あるけれど、楽しく明るい家族であると言えます。

在宅でとある教育関係会社の通信教育の添削をしています。
このお仕事は雇用関係はなくいわゆる「内職」なので、職業欄は「主婦」。
3年前には小学校の放課後学習の補助などもしていました。
長女の出産後、夫の海外出張が長期・短期ともに多かったこともあり、雇用契約のある仕事はしていません。
幼少のころは身体が弱く、小学校からは健康体でしたが、アトピー性皮膚炎がありました。
それ以外は女性特有の身体の悩みや不調などありつつも持病もなく、入院経験は出産時のみ。
5年ほど前に風邪から中耳炎になり一時的に片耳だけ難聴になったことが私の経験した「大病」です。
幼少の頃から自然療法への親しみがあり、アロマテラピーなどのナチュラルケアが好きで学校に通ったりしています。
そんな志向とは正反対に喫煙は20代から続いていました。
ストレスのあることの後、ひとりを満喫するため、同じく喫煙者の夫とお酒とたばこ、、とだいぶ依存しています。
楽しい時間の喫煙は、100歩ゆずって嗜好品、としたところで、「ストレス解消」「息抜き」「自由の象徴」であるところが厄介です。
とはいえ、高いところから眺めるように大きく見れば目立った病気もなく、色々あるけど明るく楽しく生きている私でした。


がんになって手術した今の私

2021年10月にがんがわかり手術したことで、私の人生の時間軸に新しい点ができました。
生まれた日はもちろん、家族や近しい人の生死、出会い、別れ、入学・卒業、結婚、出産、旅行や引越しなど「○○前・○○後」で捉えるポイントに「がん」が加わりました。
直近であるがゆえ、死をあまりにすぐそこに感じたがゆえ、人生で経験したことで一番大きな点となりました。
現在はほぼ1か月ごとの口腔外科受診、言語聴覚士の発語のリハビリと口腔ケアを受けています。

見た目の違いは首にテープが貼ってあること。
見た目ではわからない違いは発語がおぼつかないこと、食べるのに時間がかかること。

これから、がんがわかるまで、知るまでの私と切除手術後の私について記録していきます。


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