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敗北おじさん

今朝は夢を見ました。久しぶりにはっきりと覚えていました。


上司に怒られるし、上司とは別のプロジェクトも外された夢でした。

いやごめんそれは事実でしたわ。

そうしているうちに、音なき自分の声が心に響いてくるのでした。それを意識と呼ぶのでしょうか。
「偉くなろうとか覇権争いだとか、自分の実力を発揮しようだの。楽しい人生だったか?疲れなかったか?そうやって年を取ってしまったぞ。好きなものを食べ、好きなところに旅に出れば良かったんじゃないのか?」

そうしていると、綺麗な音とともに、自分の足先から頭まで消滅していき、何も感じることも出来なくなりました。

そして目が覚めました。なんでしょうか、
怖いというよりも、ただ悲しい夢でした。


ないものねだりですが、うっかり大切なことを思い出してしまい動揺しました。たとえば順風満帆に出世する人生なら、そんなことは思わなかったでしょう。

丁度、浅野いにおの零落を読んでいました。

世の中の中年おじさんは、僕の年代が分かれ目です。だいたい、どうなるかわかってきます。進めるのか転がっていくのか、すべては自分次第。
今日も誰か哀れな男が 坂を転げ落ちる。

僕のように、たまたま環境が良くて医者になれたSSRな人生のおじさんも、わずかな貯金と疲れた体におじさん文学をポエッている体たらくです。

一方で、陽キャおじさんも居ます。地元コミュニティで盛り上がったり、休日はフットサルとバーベキューしているわけです。友にまじはるは、いかなることか心得べき。
意識高いおじさんも居ます。Facebookの写真が、ランニングするような服を着て、なんかよくわかんないゴーグルつけて、時計でタイムとか見てるの。

でも、みんな平等に異界送りされます。きっと陽キャおじさんも、意識高いおじさんも、後悔して自問自答してるだろうし、イケおじになろうと苦悩しているだろうし、転落するかしないのかギリギリのところで生きている人も居るんだと思います。

俺もおじさん、お前もおじさん。
蹴落とすやつも、蹴落とされるやつもみんなおじさん。

おじさんの群れの中で。


今に見てろよ。
いや、もう無理なのかもしれないな。


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