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整形外科専門医oceanaidです。 整形外科疾患について解説していきます。

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【整形外科専門医が解説】扁平足について

扁平足とは?足の裏は通常縦にアーチを形成していますが、 扁平足ではこのアーチが低下し、足の裏が扁平になります。                        引用:日本整形外科学会 扁平足の原因は?扁平足は先天性のもの、小児期に発症するもの、成人期に発症するものに分類され、 それぞれ原因は以下の通りです。 先天性扁平足・・・先天的な踵の骨の配列異常 小児期扁平足・・・関節周囲の靭帯の緩み 成人期扁平足・・・足の縦アーチを保持する後脛骨筋腱の変性断裂          

    • 【整形外科専門医が解説】ゴルフ肘について

      ゴルフ肘とは?正式には上腕骨内側上顆炎といいます。 上腕骨内側上顆とは、肘の内側に骨の出っ張りを触れると思いますが、この部分です。 上腕骨内側上顆には手首を曲げたり、手を内側にねじったり、指を曲げたりする筋肉が付着していますが、 これらの筋肉を使いすぎると筋肉の付着部が傷んでいきます。 このため、手首や指を動かしたり手を内側にねじったりすると痛みが出現します。 ゴルフプレイヤーが無理なスイングを続けたり、ダフったりした際に起こりやすいことから「ゴルフ肘」と呼ばれていま

      • 【整形外科専門医が解説】オスグッド・シュラッター病について

        オスグッド・シュラッター病とは?脛骨粗面(膝のお皿の骨の下にあるすねの骨の出っ張り)という部分に膝蓋腱(お皿の骨の下についている腱、脚気検査で叩くところ)が付着していますが、 その付着部に痛み、腫れが出現する疾患です。 1903年にOsgoodとSchlatterがそれぞれ報告したことからOsgood-Schlatter病と呼ばれています。 オスグッド・シュラッター病の原因は?大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)は、膝蓋骨(お皿の骨)を経由して膝を伸ばす力を発揮します。 膝

        • 【整形外科専門医が解説】頚椎症について

          頚椎症とは?背骨は医学的には脊椎と呼び、首の骨(頚椎)が7個、背中の骨(胸椎)が12個、腰の骨(腰椎)が5個、縦に重なっています。 そして、その骨と骨の間には椎間板という円板状の組織があります。 椎間板は加齢とともに摩耗して薄くなっていき、 骨と骨の間が狭くなります。 それに伴って以下のような所見が出現します。 骨硬化(骨がカチコチに硬くなる) 骨棘形成(骨の出っ張りが出現する) 靭帯肥厚・骨化(靭帯が分厚くなったり、骨に置き換わる) その所見が頚椎に生じ、肩こり、首

        【整形外科専門医が解説】扁平足について

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        • 下肢痛
          5本
        • 上肢痛
          4本
        • 腰痛
          3本

        記事

          【整形外科専門医が解説】腰椎椎間板ヘルニアについて

          腰椎椎間板ヘルニアとは?背骨のことを医学的には脊椎と呼び、首の骨(頚椎)が7個、背中の骨(胸椎)が12個、腰の骨(腰椎)が5個、縦に重なっています。 そして、その骨と骨の間には椎間板という円板状の組織があります。 椎間板は上下の骨を連結し、脊椎の支持性と運動性を担っており、体の重みや衝撃の吸収・緩衝という機能も併せ持っています。 また、脊椎の中には脊髄という神経が通っており、その脊髄から枝分かれした神経(神経根)が手足に巡っています。 椎間板ヘルニアとは、椎間板が横や

          【整形外科専門医が解説】腰椎椎間板ヘルニアについて

          【整形外科専門医が解説】テニス肘について

          テニス肘とは?正式には上腕骨外側上顆炎といいます。 上腕骨外側上顆とは、 肘の外側に骨の出っ張りを触れると思いますが、その部分です。 上腕骨外側上顆には手首を伸ばしたり、指を伸ばしたりする筋肉が付着していますが、 これらの筋肉を使いすぎると、筋肉の付着部が傷んでいきます。 このため、手首や指を動かすと痛みが出現します。 テニスのバックハンドで発症することが多いため「テニス肘」と呼ばれています。 誰に起こりやすい?30 ~50歳代の中年女性に多いです。 テニス愛好家

          【整形外科専門医が解説】テニス肘について

          【整形外科専門医が解説】半月板損傷について

          半月板損傷とは?半月板とは大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある、 C型の形状の線維性軟骨です。 引用:日本整形外科学会 膝関節の荷重分散(クッション)、関節安定(スタビライザー)、潤滑機能を有しています。 半月板はスポーツなどで損傷したり、 半月板の変性(加齢による質の低下)による軽微な外傷

          【整形外科専門医が解説】半月板損傷について

          【整形外科専門医が解説】筋・筋膜性腰痛について

          筋・筋膜性腰痛とは?腰部背筋群やその筋膜によっておこる腰痛のことを筋・筋膜性腰痛と呼びます。 非特異的腰痛の一種で、腰痛の原因として最も多いと言われています。 脊椎周囲には、脊柱起立筋(最長筋、腸肋筋)、その深層にある多裂筋、横突間筋、腰方形筋、そしてさらに深層に脊椎と接するように大腰筋があります。 また、脊椎からは離れていますが、 腹筋群として腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋があります。 これらの筋肉によって脊椎が支えられ、体幹の運動に関与しています。 また、筋

          【整形外科専門医が解説】筋・筋膜性腰痛について

          【整形外科専門医が解説】上肢痛について

          上肢腕は医学用語で上肢と呼びます。 上肢とは肩から指先までを含み、 肩から肘までを上腕、肘から手首までを前腕、手首から指先までを手・手指と呼びます。 それでは、上肢それぞれの部位に起こる疾患についてご紹介していきます。 上肢全体の痛み代表疾患として頚肩腕症候群、頚椎症性神経根症、頚椎椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群などがあります。 上肢全体の痛みの場合は神経由来の症状のことが多く、 ジンジン・ビリビリするしびれたような痛みが出現します。 しびれるだけなら経過観察とな

          【整形外科専門医が解説】上肢痛について

          【整形外科専門医が解説】下肢痛について

          下肢脚は医学用語で下肢と呼びます。 下肢とは股から足先までを含み、 股から膝までを大腿、膝から足首までを下腿、足首から足先までを足・足趾と呼びます。 それでは、下肢のそれぞれの部位に起こる疾患についてご紹介していきます。 下肢全体の痛み神経由来の症状のことが多く、 その神経が担当している領域にジンジン・ビリビリするしびれたような痛みが出現します。 腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などがあります。 しびれるだけでは経過観察となることが多いですが、 下肢の麻痺が出現

          【整形外科専門医が解説】下肢痛について

          【整形外科専門医が解説】腰痛について

          腰痛とは?確立した定義はありませんが、一番下の肋骨(あばら骨)からお尻までの領域に生じた痛みを腰痛と定義することが多いです。 痛み出してから4週間未満を急性腰痛、4週間から3か月未満を亜急性腰痛、3ヵ月以上持続するものを慢性腰痛と呼びます。 原因は?原因の明らかな腰痛と明らかでない腰痛(=非特異的腰痛)に分類されます。 原因の明らかなものとして以下があります。    脊椎(背骨)由来   腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、骨粗鬆症、がんの骨転移、脊椎

          【整形外科専門医が解説】腰痛について