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【整形外科専門医が解説】オスグッド・シュラッター病について

オスグッド・シュラッター病とは?

脛骨粗面(膝のお皿の骨の下にあるすねの骨の出っ張り)という部分に膝蓋腱(お皿の骨の下についている腱、脚気検査で叩くところ)が付着していますが、
その付着部に痛み、腫れが出現する疾患です。

1903年にOsgoodとSchlatterがそれぞれ報告したことからOsgood-Schlatter病と呼ばれています。

オスグッド・シュラッター病の原因は?

大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)は、膝蓋骨(お皿の骨)を経由して膝を伸ばす力を発揮します。

膝を伸ばす力が過度に繰り返しかかると、
大腿四頭筋が膝蓋骨および膝蓋腱を介して脛骨粗面を牽引し、
脛骨粗面の成長線に過剰かつ慢性的な負荷がかかります。

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                       引用:日本整形外科学会

すると、同部位に炎症、膝蓋腱の部分的な剥離、微小な剥離骨折を引き起こし、
その結果、膝蓋腱付着部が骨化(骨に置き換わる)します。

スポーツによる使い過ぎで発症することが多く、
陸上や剣道をしている12~13歳の男子に好発します。

20~30%は両膝に発症します。

オスグッド・シュラッター病の症状は?

脛骨粗面部が腫脹し、動かしたり押さえたりすると痛みが増強します。

安静にしていれば痛みはほとんどありません。

初期であれば運動後のみ痛みが出現しますが、
進行するとスポーツ活動に支障がでます。

オスグッド・シュラッター病の診断は?

レントゲンにて、脛骨粗面部に不規則な骨化や、膝蓋腱内に小さな骨のかけらを認めることがあります。

オスグッド・シュラッター病の治療は?

保存療法が原則です。

痛みが運動後のみ出現する場合は、
運動前のウォーミングアップとストレッチ、運動後のアイシングとストレッチを徹底します。

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                       引用:日本整形外科学会

スポーツ活動に支障がでる場合は、
運動を中止したり、活動レベルを下げ、痛みが軽減してからスポーツ復帰します。

スポーツ復帰時には装具を装着しながら経過をみることもあります。

また、症状次第では、鎮痛剤を内服したり、湿布を貼ることも有用です。


※下肢痛を来す疾患についてマガジン「下肢痛」にまとめていきます。

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