![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/100559253/rectangle_large_type_2_e1b358b9339e73a18c50938166f8ecf7.png?width=800)
『社内の「知的確信犯」を探し出せ』⑥嘘の天才
良心の呵責を感じないサイコパス。ところが、サイコパスは悪人に見えず、誠実で良い人と見られたりする。
嘘つきであるがゆえに信用される?
実際は、嘘ばかりのサイコパスが、なぜ信用されるのか、その理由は逆説的だが、サイコパスは嘘をつき通すことができるからだ。
『社内の「知的確信犯」を探し出せ』(ロバート・D・ヘア/ポール・バビアク著)によれば、
(サイコパスが)ターゲットになった被害者の信頼を得られる大きな理由は、うそをつきとおす病的ともいえる能力にある。反社会的行動への歯止めになるような、うそがばれるのではないかという恐怖感、被害者への同情、良心の呵責、罪悪感などに苛まれることなく、まことしやかに、面白おかしく、独創的なつくり話をするので、本能的に、多くの人は彼らを信用してしまうのだ。
サイコパスは、なんの躊躇なく嘘をつき、騙し続けているが故に、嘘がバレないし、信頼されるというのだ。不思議な感じもするが、自分の経験からして、なんとなく分かる。
それでも嘘をつき続ければ、いずれ辻褄が合わなくなるし、嘘がバレるはず。普通はそう思うのだが、そうとも限らないようだ。
サイコパスは、相手の疑問や不安を和らげながらうそを重ねていくので、被害者がそれを見破るのは困難だ。多少芝居がかってはいても、もっともらしい話を面白おかしく話すので、聞き手は次第に相手を信頼し、容認し、満足してしまい、サイコパスの表面的な印象を真に受けて、話に矛盾点があるのに気づいても、無意識のうちに大目に見てしまう。
それだけではない。サイコパスは真実を知っている人にも嘘をつき、その嘘があまりにも自信に満ちているので、真実を知っていた人が、いつのまにか自分が勘違いしていて、実はサイコパスの言っていることが正しい、と思い込んでしまうというのだ。
意外にもサイコパスは、ある事柄について真実を知っている人にさえもうそをつきとおそうとする。しかも、それを聞いた人は、往々にして自分が正しいと思っていたことに疑いを持ち、サイコパスの主張のほうが真実だと思い込んでしまうのだ。サイコパスの他人を操る能力とは、まさにこれを指す。
しかし、こうした悪質な行動が続けば、物事がうまくいくはずはない。
サイコパスが関わるプロジェクトのほとんどが、失敗するのは、当然の結果である。
かといって、失敗の責任がサイコパスに負わされることまずない。
企業を危機に追い込み出世
一般的に企業の幹部は、従業員が悪意なく、会社の利益のために行動した結果としての失敗であれば、大目に見るものだ。サイコパスはこの心理をうまく悪用する。
それどころか、失敗が蹴落としたい上司や同僚のせいになるよう、サイコパスは策略を仕込んでおいたりすることがある。
失敗は、サイコパスにとって、目障りな上司や同僚を貶める絶好の機会であり、自らが出世する好機となるのである。そしてサイコパスにとって心踊る、またとない快感の時となる。だから、混乱や危機の裏に、実はサイコパスがいる、ということが、結構あるようだ。
恐ろしい。
今日も最後まで、読んでくださり、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?