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9月のリプレイは存在しない

6〜7月半ばで良い感じに描けた原稿用紙詩画を詩と共に上げてみる。あと、次なる詩画のアイデアについて少し。

「青いバレンタイン、ねむそうな新聞記事」(自作詩)

凍土に眠る海塩、死、アイスクリームの季節
彼方蜃気楼揺らぐ 戦火 摂氏の花花
均一なる文字とパズルゲームが終幕して
色めき立つモノクロは意味を喪う
遺された硝子越しの現 33面以降の世界
眠り百合は解剖され、青い屋上が赫に染まる
リキュールの錠剤 実体のない鬼
鋼鉄の朝が引き裂く白いワンピース
此処に彷徨う清廉な色は、きっと……

萩原朔太郎「殺人事件」


「彼岸花のリプレイ」(絵を描いた後に浮んだ即興詩)

下弦の彼岸花が太陽を覆う
暗幕に揺らめく色彩の果と蝉時雨の不協和音
(あるべき)世界は終わらない
誰もいないセカイに遺された君の血
あの日の左手が再審を請求するけれど
此所に「9月のリプレイは存在しない」と
私が愛無き磔に処されたホテル404
ゴルゴダの硝子を愛撫する可憐な瞳孔
その瞳が凝視しているのは
灰色に濡れた白昼夢か、それとも――

最近は短歌を作るペースが更に上がってきたので、短歌と原稿用紙画を組み合わせた作品も書いてみたい。短歌と絵の絡ませ方、俺の感情感性欲動衝動の配分が難しそうだけれど、それを思索するのが好い。

https://x.com/DumDumGumNumB/status/1810462720548032680?t=o8NLJ-JdEzN5NJUW5Iqvnw&s=19




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